妊娠前はわからないことがたくさん。プレママプレパパさんは、これから起こる出来事に楽しみや不安、悩みなどさまざまな感情が入り交じっているのではないでしょうか?

本連載では、夫婦の間に起こりうる新生児期の「認識のズレ」やそれらの埋め方を実際の夫婦にインタビュー。家事・育児を夫婦で”一緒にする”ことが、浸透しつつある昨今ですが、どうしてもお互いの認識の「ズレ」は生じてしまいがち。未来に起こるズレとそれらの埋め方をさまざまなご家庭の形から紐解いていきます。

今回は、1歳7ヵ月の娘さんがいる裕樹さん(28)と亜沙子さん(28)に、ベビーグッズ選びで起こった夫婦のズレについてお伺いします。

抱っこ紐で抱っこさせてくれない娘に新しいものを買ったところ……

子どもが生まれる前は、役割分担やベビーグッズのことをほぼ話し合わなかったという2人。さらに、亜沙子さんは里帰り出産をしたため、実家のお母さんとどのベビーグッズを購入するか決めていたそうです。

裕樹さんと亜沙子さんに大きなズレが起こったのは、赤ちゃんが初めての抱っこ紐を気に入らず、抱っこさせてくれなかったとき。亜沙子さんは「評判のいい、別のタイプなら大丈夫かもしれない」と、裕樹さんに相談せず新しいものを購入します。

それに対し「前の抱っこ紐をほとんど使わずに新しいものを買っていたので、そのときは『本当に必要なの?』『買ってもまた使わないんじゃない?』と思いました。金額も高いし、もっと考えて買ってほしいなと」と感じた裕樹さん。

おむつ選びにも不満があったのだそう。まだ2~3枚しか使っていないのに「これは気に食わない」と、別のおむつを買って使う亜沙子さんに疑問が浮かびます。

「気に入らなくても、せめて使い切ってから新しいのを買ってほしいと思いました。理由を聞いても『高いものだから良いものだ』と言っていて……。安価なものと比較すると倍近い金額のため、もう少しちゃんとした理由で納得させてほしいと思いました」

使い切れなかった分は、人にあげるなどして無駄にはしていないという亜沙子さん。慣れない育児に忙しいこともあり、裕樹さんに指摘されても「何もわかってないくせに」という気持ちになってしまいました。

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買い物は事前に相談し、妥協点を探すように

ズレはあったもののケンカになることはなく、自身よりも子どもと過ごす時間の長い亜沙子さんの意思を尊重するようにした裕樹さん。そのあと、子どもが新しい抱っこ紐を気に入ってすんなりと抱っこさせてくれる様子を見て、初めて裕樹さんは「抱っこ紐でこんなにも違うなんて」と驚きます。

一方で、亜沙子さんは相談なしに買ったことを申し訳なく思い、そのあとは相談してから買うようになりました。

おむつに関しては、本当にその機能が必要なのか、娘のためにどんなおむつを使いたいのか互いに話し合い、裕樹さんの「機能面だけではなく、コスパ面も重視しよう」という説明に亜沙子さんも納得。亜沙子さんの求める機能性を兼ね備えつつ、コスパ面も納得ができるおむつに切り替えるなどして妥協点を見つけます。

子どものことをたくさん話し、やってほしいことは具体的に

2人がこうして理解し合えるようになったのは、毎日たくさんの情報共有をしているから。裕樹さんが仕事から帰ってくると、亜沙子さんはついて回るようにして子どものことを話しているそう。

「その日起こった出来事や大変なこと、子どもの行動や性格など、たくさん話すようにしています。生活を知ることで、なぜこれが必要なのかわかると思って。それらを伝えた上で『これがほしいんだけど、どう思う?』と聞くようになりました」

日中、仕事で外に出ている裕樹さんは、情報がたくさん入ることで、理解しやすくなったと言います。

ほかに、亜沙子さんは「お願いごと」にも工夫をしています。

「最初は『子どもを見てて』とお願いすると、本当に見ているだけでした。だから、『絵本読んで』『おもちゃで遊んで』『抱っこして』と具体的に言うようにしました」

最近では亜沙子さんからのお願いごとに加えて、毎日必ず何かの家事を担うようにしているという裕樹さん。そのほかにも、休みの日は積極的に育児に参加するようになったのだそう。さらに、自分でも育児書を読むなどして知識を深め、「育児に対するリアリティが増した」と言います。

「いざ自分で使ってみると、これまで同じように見えていた商品も機能性に違いがあり、金額の違いだけではなかったことに気づきました。考えてみれば、おしりふきも自分の使いやすいものがある。いろいろと試してみて、自分が必要とする商品がどれかわかるようになってきました」

当時よりも育児をするようになった裕樹さんは、いろいろなベビーグッズ試していた亜沙子さんの気持ちがよくわかるようになりました。

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お互いの価値観を尊重して、指摘は嫌味っぽくならないように!

お互いの価値観を大事にして、納得できない部分は話し合うのが夫婦仲よくするコツと話す2人。また、亜沙子さんは「言わなくても気づいてほしい」と思うのをやめ、感じたことや気づいてほしいことは、すべて伝えるようにしています。ただし、「おむつパンパンなのが見てわからない?」など嫌味っぽく伝えるのではなく、「おむつ替えてもらってもいいかな?」と受け手も嫌な気持ちにならないよう、伝え方には気をつけていると言います。

最後に、プレママプレパパの方に「これは準備しておいたほうがいい」と思うことを聞くと、「生まれる前に、赤ちゃん用品の売り場に一緒に行くといい」と裕樹さん。「子育てに必要なグッズが何種類も並んでいるため、一緒に行くことで必要なものやその量、バリエーションを知る良いきっかけになると思う」と話します。

子どもが生まれたことで、産前よりも何倍も話すようになったという2人。これからも一緒にいろいろなことを決めていくのでしょう。


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