新しいキャリア、新しい場所…。新しいことにトライするには、苦難や苦労がつきものです。ただ、その先には希望があります。本連載は、あなたの街の0123でおなじみの「アート引越センター」の提供でお送りする、新天地で活躍する人に密着した企画「NewLife - 新しい、スタート -」。第4回目は、元ZONEのMAIさんにお話をうかがいました。
ZONE“完全”解散から5年。フリーのヨガインストラクターとして活動中
「ヨガに出会って強くなれました」
そう話してくれたのは、2000年代前半に爆発的な人気を誇ったガールズロックバンド「ZONE」のメンバーだったMAIさん(当時の名義はMAIKO)。
再結成の後、2013年に“完全”解散してから5年。MAIさんはフリーのヨガインストラクターとして札幌市内を中心に活動しており、毎日3本のレッスンをこなしています。
当時と何ら変わらない笑顔を見せるMAIさんですが、現在の境地に至るまでにはさまざまな苦悩がありました。
衝撃的な解散。最後の1人になってもZONEを続けた理由
「10年後の8月 また出会えるのを 信じて」
このフレーズがあまりにも有名な「secret base~君がくれたもの~」(2001年8月発売)が大ヒット。その年の日本レコード大賞新人賞を受賞し、「NHK紅白歌合戦」にも初出場するなど、ZONEはデビュー直後から一気にブレイクしました。
学業と両立しながら札幌から東京に通い続ける生活はハードだったものの、MAIさんは音楽ができることの喜びを確かに感じていたそうです。
忙しいときには睡眠時間が1日に2~3時間ほどしか取れないこともありました。でも、音楽が大好きだったから、ずっと続けていきたいと思っていましたね |
そんな折に突然訪れたメンバーの脱退表明。まさかの事態にMAIさんも動揺を隠せなかったといいます。
みんなで話し合って解散を決断したんですけど、かなりショックで落ち込みました。 |
2005年、人気絶頂時に衝撃的な解散をしたZONE。メジャーデビューからわずか4年。儚い夢のようでした。
そんなZONEが帰って来たのが、ちょうどデビューから10周年にあたる2011年。東日本大震災の復興支援のため、MAIさんを含む3人のメンバーで再結成されました。「10年後の8月 また出会えるのを 信じて」という歌詞通りの奇跡的な復活に多くのファンが歓喜しましたが、これも長くは続きませんでした。
再結成して間もなくメンバーが脱退し、2人で活動を続けていましたが、その相方も引退してしまって最後は私1人だけに。ずっと近くにいたので気持ちの変化は薄々感じていましたし、最初の解散ほどの驚きはありませんでした。 |
ただ、ファンの人たちには自分の言葉で感謝の思いを伝えたい。MAIさんは、たった1人ステージに立ち解散ライブを行うことを決意します。2013年4月、ファンと共に自らの手でZONEの幕を下ろすことができたMAIさんは完全燃焼を実感。その翌年、芸能界を引退しました。
引退後、虚しさに襲われる自分を救ってくれたヨガとの出会い
音楽を辞めたMAIさんが次の仕事として選んだのが、なんとヨガスタジオの受付スタッフ。光が差したようにピンときたそうです。
それまではアルバイトもしたことがなかったので、毎日が新鮮で初めの頃はとても楽しかったです。 |
同じ時間に起きて出社し、同じ時間に帰宅する。これまで身を置いてきた世界とは全く異なるライフスタイルに戸惑いつつも徐々に慣れ始めたMAIさんでしたが、いつしか虚しさに襲われるようになったといいます。
仕事が終わって家に帰ってくると、何もすることがなくて時間を持て余すようになりました。すると、いろいろと考えてしまうんです。『音楽なんてやらなければ』『ZONEのメンバーにならなければ』って。もっと違った人生を歩めたのかなと思ったりもしました。 |
答えの出ない悩みを抱えながらも、MAIさんは入社から8か月でスタジオの店長を任せられることに。「店長になるからには、もっとヨガのことを知らないと」。持ち前の責任感から自主的にヨガを学び始めたことがきっかけで、結果的にMAIさんの人生は激変します。
『結果がすべて』『できていないことから目を背けずに努力しよう』と芸能界で厳しく育てられてきた私にとって、『結果に執着しない』といったヨガの哲学は価値観を覆すものでした。ヨガを知れば知るほど、張り詰めていた力がふっと抜けたような気がして、心がラクになっていきました。 |
身体だけではなく、ヨガには心も変える作用がある。身をもって体感したMAIさんは、その魅力を伝えたいとの一心でフリーのヨガインストラクターに転身しました。
実は人見知りなんです(笑)。インストラクターとしてデビューしたばかりの頃は生徒さんたちに何を話しかければいいのか難しさを感じていましたが、構えすぎず自然体でいられるようになりました。レッスンの主役はあくまで生徒さんたちで、みなさんがご自身の内側に向かって集中できるように私はお手伝いをする立場です。生徒さんひとりひとりの身体と心がやわらかくなっていくのを間近に見ると、良い仕事だなって思えますね。 |
手放すことが人生のプラスに。過去にとらわれずに勇気を出して踏み出そう
「自分を救ってくれたヨガを、もっとたくさんの人に知ってほしい」
ヨガが人々の生活の一部になる、そんな世の中を目指したいと意欲的なMAIさん。芸能界を引退したことで「もう二度と歌わない」と決めていたそうですが、その気持ちにも小さな変化が起こりつつあるのだとか。
今は趣味でウクレレを弾いているんですけど、最近になってヨガのミュージックなら歌ってもいいかなって思えるようなりました。やっぱり音楽が好きで、心が求めているのかもしれません。私が歌うことで、ひとりでも多くの人がヨガに興味を持ってくれれば嬉しいです。 |
実力派ガールズバンドとして注目を集めたZONEですが、その始まりは実はダンスユニット。子どもの頃から音を身体で表現するのが好きだったMAIさんは、ヨガインストラクターとなった現在の姿に「もしかしたら原点に戻ったのかも」と笑みを浮かべました。
ZONEだったことを恨んだ時期もありましたが、ZONEは間違いなく私の青春そのものでした。つらい経験もしましたが、すべてが今につながっています。そう思えるようになったのもヨガのおかげ。過去の自分が邪魔をして何かあるたびに昔と比べてクヨクヨしてしまうことが多かったのですが、ヨガを通して手放すことが人生のプラスになるのを知ってからは悪い出来事も『これは必然なんだ』と受け入れられるようになりました。 |
スタジオの店長職を手放し、フリーのヨガインストラクターへ。経済的には不安定になるのを承知で、MAIさんは直感を頼りに思い切って一歩を踏み出しました。だからこそ、今があると断言します。
ゼロからのスタートなら、失敗して当たり前。後先のことを考えすぎてしまうと、漠然とした不安が大きくなって動けなくなってしまいます。人生は、良いこともあれば悪いこともある。過去にとらわれずに“手放す勇気”を持って前に進めば、きっと新しい自分に出会えますよ。 |
終始、どこか解き放たれた様子で明るく話をしてくれたMAIさん。ZONE時代の思い出を胸にしまった今、過去にすがらない生き方が、その晴れやかな表情を生んでいるように感じました。
アート引越センターは、一件一件のお引越に思いをこめて、心のこもったサービスで新生活のスタートをサポート。お客さまの「あったらいいな」の気持ちを大切に、お客さまの視点に立ったサービスを提供していきます。
MAI
1986年7月24日
大阪生まれ札幌育ち
ガールズロックバンド「ZONE」のメンバーとして活動し、2017年からはフリーのヨガインストラクターとして活躍。
・Instagram…@Maiyoga724
・Twitter…@Maiyoga724
株式会社44プロダクション http://44production.jp/
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