インバウンド需要が復活し、ビジネスのグローバル化も進む昨今、ますます英語の重要性は増しています。今後のキャリアを考えて英語学習に取り組み始めた方も多いのではないでしょうか。英語学習といってもリーディングやリスニングなどさまざまありますが、中でも多くの方が苦手意識を持ちがちなのがスピーキング、つまり英語を話すことです。読み書きはある程度できるのに、いざ話そうとしてもなかなか英語が出てこないという体験は多くの人がしているのでは。
そこで今回は、英語を話せるようになりたいと意気込む株式会社JTBの若手社員2名のTOEIC Speaking Testチャレンジに密着! 3ヶ月間みっちりと英語を学び、もう一度受験! はたして英語力はどれくらい伸びるのでしょうか!?
- プロフィール -
JTB 甲府支店
入社1年目。山梨県の中小企業を中心とする法人営業や大学営業に従事。特定の業界というわけではなく、建設業や製造業など幅広い業種業界に対して社員旅行を提案している。趣味は旅行。1ヶ月に1回は一人旅をしている。
JTB 京都中央支店
入社 1 年目。学生時代にお寺でアルバイトをしていた経験を生かして、宗教団体を中心とした法人営業に従事。宗教団体以外にも製材・建設会社など幅広い業界へ社員旅行やギフトソリューションによるアプローチをしている。趣味は筋トレで、学生時代には大会に出場。
JTBでは今後のグローバル領域事業の拡大を見据え、グローバル人財の育成にも力を入れております。取り組みの一環としてTOEICを活用した語学力の向上を推奨しています。
なぜ英語を話せるようになりたいのか?
ーーお二人にはこれからTOEIC Speaking Testに挑戦いただきますが、学生時代にどれくらい英語に触れてきたかを教えてください。
僕は大学3年生のとき、フィリピンのセブ島に10ヶ月間、語学留学した経験があります。就活に向けて何か実績を作りたいと思ったのが理由ですね。アメリカやヨーロッパはお金がかかるのでフィリピンを選びました。留学して良かったのは、英語を話すリミッターみたいなものを外せたことですね。僕は実家が金閣寺の近くで、よく観光客の方にも道を聞かれるんです。そんなときでも臆せず話せるようになったのは大きかったです。
私は学生時代に英語に関わることはほとんどなかったのですが、中学生のころ2年間ほど父の仕事の都合でイギリスに住んでいました。ただ、日本人学校に通っていたこともあって、英語はあまり上達しなかったんです。順応性が高くないタイプで、つい消極的に過ごしてしまって……。そこは今になって後悔しているところですね。
ーーお二人とも海外在住経験があるのですね。今回、TOEIC Speaking Testチャレンジを通して英語力を向上させたいと思ったのはなぜでしょうか。
留学経験で培ったコミュニケーション力を向上させて、将来はJTBの海外拠点に赴任してみたいと思っているからです。もちろん旅行でも海外に行くことはできますが、現地に住むのと旅行とでは見える景色が異なります。そのときに備えて、スピーキング力を高めていきたいですね。
私は消極的な自分を克服したいというのが理由です。海外在住経験があると、英語能力を期待されることがあるのですが、今の私ではそれに応えられなくて。例えば大学時代、接客のアルバイトをしていたのですが、英語で電話がかかってくると私に回されるんですよ。「ロンドンにいたなら英語話せるよね」という感じで。スピーキング力を向上させて、そんな期待に応えたいと思っています。
ーー英語学習を進める中で不安に思うことはありますか。
自分に合った学習方法がわからないことですね。勉強といっても学生時代はテスト前に1週間くらいで詰め込むみたいな感じだったので、効果的な学習方法を知らずに来てしまったんです。ボキャブラリーを増やすために単語をひたすら覚えるべきなのか、それよりも違うところに力を入れるべきなのか……。
私もIさんと近いです。特にスピーキングについてはあまり特化した勉強をしてこなくて。受験や学生時代の勉強方法のままでいいのかというのが不安ですね。
そもそもTOEICとは?
TOEIC Programは、英語コミュニケーション能力を公平公正に評価する世界共通の基準です。グローバルスタンダードとして世界160カ国で実施されており、合否ではなくスコアで評価されるのが特徴です。中でも TOEIC Speaking Testは、効果的に英語でコミュニケーションするために必要な話す能力を直接測るテスト。約20分間のスピーキングテストを実施し、200点満点で評価されます。
現在の英語力をTOEIC Speaking Testでチェック!気になるスコアは……?
ーーではお二人にはいよいよTOEIC Speaking Testにチャレンジしていただき、現在のスピーキング力を測定したいと思います!
緊張します……!
がんばります!
ーー……さて、TOEIC Speaking Testが終了しましたが、手応えはいかがでしたか?
課題が多かったです。特に音読のセクションでは、どれくらいのスピードで話せばいいのかわからず不安になりました。アンサーのセクションでは質問に対して自分の考えを話すだけの単語量が身についておらず、ボキャブラリーが足りていないなと反省しました。
私も言いたいことはあるのに、それが英語にできなくてもどかしい気持ちでした。頭の中に日本語は浮かぶのですが、それを英語にするとなると何をどう始めればいいのかわからなかったです。
ーー不安や反省はありつつも、まずはやり切りましたね! ではスコアの発表をお願いします!
110点!
140点でした!
正直、焦りました。試験を受けている間も手応えはぜんぜんなかったし、それがスコアに出ていると思います。
受験者の平均スコアを調べてみたら140点くらいだったので、私はだいたいそのあたりみたいです。これはまだ伸び代があるということだと前向きに受け止めます!
英語力を引き上げるコーチ登場!スピーキング力アップのための基本とは?
ーーお二人に発表いただいたTOEIC Speaking Testスコアはあくまでも現在のもの。ここから3ヶ月間、学習して再度チャレンジしていただきたいと思います。とはいえ、お二人とも「学習方法がわからない」という悩みがあるとのことなので、今回はスペシャルなコーチに来ていただきました!
- プロフィール -
西牧健太先生
フリーランスの英語コーチ/講師。獨協大学英語学科卒業後、ポートランド州立大学日本学科、アダム・ミツキェヴィチ大学英語学科を経て外資系企業に入社。その後、TORAIZ語学研究所所長に就任し、現在はフリーランスの英語コーチとして活躍。
こんにちは! 今日はお二人に効果的な英語学習についてお伝えしたいと思います。
まず、知っていただきたいのは、スピーキング力を評価する3つの指標です。それが「CAF」です。Cは「複雑さ(Complexity)」、Aは「正確さ(Accuracy)」、Fは「流暢さ(Fluency)」のこと。よく、英語学習というと皆さん、「複雑さ」と「正確さ」を向上させようとされるのですが、スピーキングにおいては「流暢さ」がもっとも重要です。表現力は気にせず、まずは流暢さをどんどん上げていくことを意識しましょう!
流暢さを上げるにはどうすればいいでしょうか?
大事なのはインプットとアウトプットのバランスです! 英語学習はほとんどの方がインプットに偏っていて、アウトプットがゼロという方も珍しくありません。お二人もまずはアウトプットに全振りするところから始めてみてください。オンライン英会話でも、独り言でも構いません。ボロボロの英語でもいいので、とにかく話して流暢さを上げていくのです。
文法や単語が間違っていてもいいのでしょうか?
問題ありません! というよりも日本人は読み書きはわりとできる方が多いですし、アウトプットすれば普通に通じることが多いと思いますよ。
書いて覚えたりしなくてもいいのですか?
はい。もちろん、スピーキングだけでなく、リスニングやリーディングなども総合的に伸ばせるなら他の学習法も必要です。でも、まんべんなく学習するのは大変です。お二人のようにスピーキングに取り組むのであれば、そこだけに特化して学習した方がいいでしょう。
言いたいことがあるのに、それが英語で出てこないときはどうすればいいですか?
その場合は
日本語自体を変えてしまうのがおすすめです。例えば「メールに添付する」の「添付」を英語でなんというのかわからなかったとします。それなら「添付」ではなく、「含める」に変えてみてはどうでしょうか。添付は出てこなくても、「include」ならわかるかもしれません。
ーー英語学習はモチベーションとの戦いになる人も多いです。モチベーションを維持するコツはありますか。
モチベーションは高めなくて大丈夫です。モチベーションで英語を学ぼうとすると、落ちてしまったときにどうしようもないので。そうではなく、やると決めたことを淡々とこなしていくのが継続のポイントです。
それから、タスクのハードルを上げすぎないこと。「とにかく始めればいいや」くらいのイメージで、とりあえず10分だけやってみる。そうすると、意外と続くものなんです。
ーーおすすめの教材などはありますか。
会話のフレーズ集みたいなものを使うのもいいですが、最近だと生成AIを利用する手もあります。自分の言いたいことを日本語で入力すれば、ほぼ100%の英語を生成してくれますから。
もうひとつのおすすめは
公式問題集の「TOEIC S&Wワークブック」です。実際にTOEICに登場する実務的な英語表現がたくさん載っているので、TOEIC対策としても役立ちます。
ーーTOEIC本番のアドバイスもお願いします。
一番皆さんが苦戦されるのは最後の1分間の意見問題です。言いたいことはあるのに口に出して言えないという状況に陥りやすいので、対策はしっかりしたいところです。普段から1分間を意識して話すようにしていただくと、本番でも困らないと思いますよ。
3ヶ月でスピーキング力はどこまで向上する? チャレンジスタート!
ーー西牧先生のアドバイスをもとに、英語学習を行っていきます!3ヶ月間のTOEIC Speaking Testチャレンジ、意気込みをお願いします!
これから自分がしなければならない学習についてよくわかりました! 自分が継続できるタスクを設定して、がんばりたいと思います!
勉強方針などの具体的なお話がうかがえてよかったです! 私もまずはタスクを決めて、淡々と毎日継続していきたいです。
がんばってください!
ーーお二人の目標のスコアを教えてください。
やるからには満点を目指します!
私も!
いよいよ始まったJTB若手社員2人のTOEIC Speaking Test挑戦。はたして3ヶ月でスコアは伸びるのでしょうか? 西牧先生から教わった学習方法やモチベーション維持のコツなどを生かして、ぜひがんばっていただきたいです。
気になる結果については、「後編」でレポートします。
TOEIC Speaking Testについてもっと知りたい
ETS, PROPELL, TOEIC and TOEIC BRIDGE are registered trademarks of ETS, Princeton, New Jersey, USA, and used in Japan under license. The Eight-Point logo is a trademark of ETS. Portions are copyrighted by ETS and used with permission.
文:山田井ユウキ