コロナ禍をひとつのきっかけとして起きているスポーツバイクブーム。密を避ける移動手段として、そしてアウトドアの趣味として、ロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイクといったスポーツタイプの自転車の人気が高まっています。
そんなスポーツバイクの中でも、あらゆる未舗装路の走破性が高いマウンテンバイクは、ロードバイクやクロスバイクと比較すると、日本においては体験者が少なく、まだまだ発展途上のジャンルでもあるのが正直なところでしょう。
そこで本記事では、マウンテンバイク初心者のマイナビニューススタッフGがマウンテンバイクに関わるそれぞれのプロを訪ね、その魅力をレポート。「マウンテンバイクもいいぞ!」という点を、熱く語っていただきます。
連載初回では、総合アウトドアショップ「GOOD OPEN AIRS myX横浜店」でスポーツバイクを担当する片野 泰樹さんにマウンテンバイクを始めるにあたって必要な道具についてお伺いし、モチベーションが俄然上がったG。
連載第1回目の記事はこちら
2本目の今回は、プロMTBライダーの清水 一輝選手からマウンテンバイクの初歩的な乗り方をレクチャーしていただきました。
【清水一輝選手 プロフィール】
「GOOD OPEN AIRS myX横浜店」さんでお話を聞いて、マウンテンバイクに乗ってみたくなりました!全くの未経験なので少し不安ではありますが、本日はよろしくお願いします! |
マウンテンバイクの世界にようこそ!未経験の方に興味を持ってもらえるのは、とても嬉しいです!安全に配慮して正しく乗れば、マウンテンバイクは怖くありませんよ!今日は一緒に楽しみましょう! |
集合したのは、「自転車のまち」を掲げる東京都稲城市にあるMTBフィールド「Smile Bike Park」。気軽に楽しめるフィールドでありながら、都心からのアクセスが抜群と清水選手も評します。
MTBフィールドに来るのも初めてなのですが、初心者が気を付けるべき点があれば教えてください! |
緊張してしまうかもしれませんが、上級者の人たちはコースを譲ってくれますので、あまり遠慮しすぎずに走るようにしましょう!あと、止まったり抜いたりするときは周囲のライダーに声かけをしてみてください。コミュニケーションを通じて仲良くなれば、情報交換ができて上達につながりやすくなりますよ!仲間ができたりコミュニティに参加できたりするのも、MTBフィールドを活用するメリットです! |
おどおどしていると、逆に危ないんですね……。積極的に声かけもしていくようにします! |
未経験の方がいきなりコースを走るのは、はっきり言って危険です。基本の乗車姿勢を身に付け、パンプトラックで練習を重ねてから、スラロームやクロスカントリーを走るようにしましょう! まずは基本の乗車姿勢「ニュートラルポジション」を覚えましょう! |
「ニュートラルポジション」と呼ばれる基本の乗車姿勢は、サドルに座って地面に対して両足を平行にし、お尻を上げます。このとき、利き足を前に。初めはスタンドで後輪を固定するか、誰かに前輪を押さえてもらうと、安心して練習できるそうです。ペダルの上で軽くジャンプできれば、均等に乗れていることの証。
次に、ブレーキは人差し指と中指の2本をグリップにかけましょう。主に使うのは左(後輪)のブレーキです。左(後輪)に7割、右(前輪)に3割の力加減を意識してください。右(前輪)が強すぎると、前に倒れてしまうリスクがあります。 |
地面に線を引き、その上に前輪を止めるように調整しながらブレーキをかけます。前輪をクリアしたら、今度は見えない後輪を線の上に乗せるように調整。こうして練習すれば、ブレーキングが磨かれていきます。
ブレーキングの練習が終わったら、まずは座ったまま、緩やかな下り坂をスタート。スピードが出たらお尻を上げて、ニュートラルポジションに。そして、左ブレーキ(後輪)に7割、右ブレーキ(前輪)に3割の力をかけて停車します。
良い感じですね!肘と膝は軽く曲げておくと、地面からの衝撃を緩和できますよ! |
清水選手に理想的なニュートラルポジションを見せてもらいながら、Gは基本の乗車姿勢を身体に叩き込んでいきました。
「パンプトラック」で上下の動きを習得!
両足で均等にペダルを踏む感覚がつかめてきたような気がします! |
乗車姿勢が段々と良くなってきましたね!では、パンプトラックを走ってみましょう。 |
パンプトラックとは、起伏のある凹凸のコブが連続した波状コースのこと。マウンテンバイクでは、ペダルを漕がず、ポンプを使って自転車に空気を入れるときのような上下の動きだけで走ります。
ペダルを漕がずに走れるものなんでしょうか……? |
ニュートラルポジションの姿勢で「プッシュ」と「プル」の上下の動きを繰り返すと、どんどん加速していくんですよ!やってみましょう! |
コースを歩いてイメージトレーニングし、清水選手の見本を観察。コブに差しかかると、上りで引き(プル)、下りで押している(プッシュ)のがわかります。
続いて、Gがコースに入りました。座ったまま何周か走り、慣れてきたらお尻を上げて、コブでプル&プッシュ。ペダルを漕がずとも、マウンテンバイクは止まることなく、進んでいきました。
とても上手です!プルのときはお尻が後輪に付くくらい下げて、プッシュのときは胸がハンドルに付くくらい倒すと、さらに良くなりますよ!ペダルは常に地面に対して平行にして、重心を均等に保つようにしましょう! |
清水選手いわく、難しいようなら最初はプッシュの練習だけに専念すると良いのだとか。その後にプルの練習に移行すれば、平均1週間ほどでプッシュとプルの動きをマスターできるようになるそうです。
マウンテンバイクは凹凸の道を走ることが多いので、プッシュとプルの上下の動きを習得できれば、技のバリエーションが広がります!パンプトラックは、すべての技の基礎になると言っても過言ではありません! |
「スラローム」でマウンテンバイクの醍醐味を体感!
すごく楽しくなってきました! |
未経験とは思えないほど、飲み込みが早いですね!せっかくなので、スラロームにもチャレンジしてみましょう!上下の動きにコーナリングでの横の動きも加わって、3Dの走りを体感できるスラロームは、まさにマウンテンバイクの醍醐味です!とはいえ無理はせず、ブレーキを活用しながら安全に走りましょう! |
コースの下見を兼ねて歩いて下っていく最中、清水選手がいくつか注意点を挙げました。
コーナーでは、曲がって行く先を見るようにしましょう!そして、スラローム走行ではライン取りが重要です。アウト・イン・アウトが基本ですので、外側を走って曲がり、外側に抜けてください。また、先ほどお伝えしたように、ブレーキは左(後輪)に7割、右(前輪)に3割の力加減でかけましょう! |
清水選手がペースメーカーとなって先を走り、その後ろをGが付いていきます。1回目の走行は、ずっとブレーキをかけながら下っていきました。
ここでもニュートラルポジションを忘れずに!下り坂では腰を軽く引いておくと、ニュートラルポジションを取りやすいですよ! |
何度かスラロームを走るうち、めきめきと上達。その姿を見て、清水選手は拍手を送りました。
しっかりと先を見ながら走っているので、安心感がありますね!コブではプッシュとプルを実践していますし、3Dの動きができていてすごいです! |
清水選手から太鼓判を押してもらったGは、最後にダウンヒルにも挑戦。下り坂を駆け下りる爽快感を味わい、充実の表情を浮かべていました。
マウンテンバイクは、未経験でも安全に楽しめる!
本日は、いろいろと教えていただき、ありがとうございました!実は、パンプトラックやスラロームを見たときには、こんなの絶対ムリ!と思っていたんですけど(笑)清水選手のアドバイスのおかげで楽しく走ることができました! |
それは良かったです!マウンテンバイクは危険な乗り物という印象を持たれがちですが、専用のフィールドで段階的にレベルアップしながらコントロールできるスピードで乗れば、安全に楽しむことができます!今回は実施できませんでしたが、森の中を走るクロスカントリーコースの非日常的な解放感を知っていただくと、マウンテンバイクの楽しさがもっと広がると思いますので、機会があれば挑戦してみてください! |
マウンテンバイクの魅力を、まさに身をもって体験したG。「沼」にハマってしまう日は、そう遠くないのかもしれません。
番外編
練習を一通り終えると、清水選手がジャンプを披露してくれました。
光るプロの技に、思わず歓声を上げる取材陣一同でした。
【施設情報】
Smile Bike Park
〒206-0822 東京都稲城市坂浜734番地
営業時間:8:30-16:30/定休日:営業日カレンダーに準ずる
http://smilebike.tokyo/page-7/
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