ヘルメット着用の努力義務化から約半年が経過し、自転車に乗る際の安全意識は高まりつつあります。ただ一方で、努力義務にとどまっていることから、ヘルメットの着用率は全国平均13.5%(警視庁調べ)とまだまだ低い状況です。

そんな中、自転車のYouTubeチャンネル「サイクルガジェットTV」を運営するアヤさんは「命を守るためにヘルメットを必ず着用してほしい」と強く訴えます。今から約1年前、彼女はマウンテンバイクで落車し、縫合手術を受ける事故に遭ってしまったのです。

サイクルガジェットTVのYouTubeチャンネル。初心者に向けて、自転車の楽しさを発信しています。

今回は、アヤさんに事故の経験を振り返っていただき、そこから得た教訓について語っていただきました。

口内を緊急縫合手術。アヤさんを襲った壮絶な事故体験

その事故は、突然起こりました。場所は熊本県の阿蘇山。アヤさんは、自転車仲間と一緒にE-MTB(電動アシストマウンテンバイク)で巡るガイドツアーに参加していたのです。

初めて訪れた阿蘇山の草原はとてもキレイで、ウキウキしていました。慣れないE-MTBに乗るにもかかわらず、走る前から浮かれていたのかもしれません……。


  • 阿蘇山

    馬や牛のすぐ横も走れたという阿蘇。事故を起こしたがまた行きたいとアヤさんは話します。

午前からスタートしたツアーの行程は順調に進み、お昼ご飯を食べて終盤に差しかかった頃、楽しい気分が一転します。

マウンテンバイクで落車し、顔から地面に叩きつけられました。私としては何が起きたのか全くわかりませんでしたが、仲間が撮っていた動画を後から見てみると、後輪が浮き、縦に一回転していました。


  • 阿蘇山

    事故直前の様子。この後縦に一回転する落車……。

草が生い茂る草原。時速20kmほどで走行するアヤさんの目には「真っすぐな道」に映っていたそうですが、実は下り坂になっていて、しかも所々穴が開き、道はデコボコしていたのです。

地面がゆっくりと顔に近づいてくる映像がまるでスローモーションのようで、今も鮮明に残っています。その後は状況を理解するのに必死でした。


  • アヤさん

事故直後は興奮状態にあったためか、意外にも痛みは感じなかったそうです。しかし、10分ほど経って少しずつ冷静さを取り戻すと、アヤさんを絶望が襲いました。

救急車を待つ間、車の中で待機していたのですが、サイドミラーで自分の顔が見えてしまって……。鼻がつぶれた感覚がありましたし、口は血だらけ。顔が元通りにならない最悪の将来もよぎりました。


時間とともに次第に膨張していく痛み。とてつもない不安に苛まれたことは想像に難くありません。

急患で運ばれた阿蘇の病院で診てもらうと、鼻はつぶれていませんでした。口内の下の部分が顎の骨付近までエグれていたものの、脳には異常がなく、骨や歯が折れていなかったのは不幸中の幸いでしたね。


  • アヤさん

「自然治癒で治るだろう」との診断に胸を撫で下ろしたアヤさん。その日は入院しましたが、翌日、自宅に戻って念のため近所の歯科医院を受診すると、思いがけない言葉をかけられます。

『かなり危険な状態』とのことで大学病院の口腔外科を紹介してもらったところ、緊急手術が決まりました。破傷風のリスクがあったんです。


破傷風とは、傷口に感染した破傷風菌が作る毒素による感染症で、最悪の場合、死に至ります。アヤさんのえぐれた口内には、土や草が残ったままで、それらが破傷風を引き起こす恐れがあったのです。ワクチンを接種し、「創傷処置」という縫合手術を受けることに。手術は1時間ほどで無事成功しましたが、自宅療養の日々は相当つらいものでした。

事故当日よりも術後の痛みが酷かったです。激痛は2日~5日ほど続き、痛みで過呼吸にもなりましたし、歩くのもままなりませんでした。2週間くらいの間はゼリーしか食べられず、体重も落ちました。

登壇する予定だった自転車のイベントもすべてキャンセルする羽目になり、散々でしたね。


  • 流動食

    食事が摂れない間はこのような栄養剤を飲んでいたそう。

その後の経過は良好で、顔は2か月ほどで元通りになり、約半年で完治しました。大好きな自転車に乗れない日々が長く続き、残念に思っていたアヤさんですが、事故から1年が経ち、今では楽しい自転車ライフを取り戻しています。

正しく選んで、正しく被る。ヘルメット着用の重要性を痛感

壮絶な事故を経験して、アヤさんはヘルメット着用の重要性を改めて痛感したと力を込めます。

頭を守ることができたのは、ヘルメットを着用していたからです。もしヘルメットをしていなかったらと考えると、恐ろしいですね。


事故後のヘルメットを確認してみると、頭頂部がへこんでいたのだとか。衝撃を吸収していたことがわかるエピソードです。また、着用していたヘルメットに付いていたツバが、顔が地面にぶつかるときにクッションの役割を果たしてくれたのではないかと推測します。

ヘルメットは正しく被ることが大切です。顎紐が緩んだままだと、衝撃で脱げてしまうかもしれません。私はいつもの習慣で顎紐をしっかりと締めていたので、ヘルメットが守ってくれました。


そして、選び方にも気を付けてほしいと警鐘を鳴らします。

  • アヤさん

ヘルメットは何でも良いわけではありません。頭のサイズや形状に合うかどうかもチェックする必要があるので、購入する際はサイクルショップに足を運び、国内外の規格に適合したヘルメットを試着してみるようにしてください。


他、「自転車保険には加入すべき」「山を走るときは一人で行かない」「事故をしたらセカンドオピニオンを求める」「氏名や緊急連絡先、かかりつけの医療機関、持病などを記入した『エマージェンシーカード』を常備する」など、さまざまな教訓を得たとアヤさんはいいます。

何より、より安全に走るようになりました。正しく乗れば、自転車は楽しいものです。これからも自転車の魅力を伝えていきます。


そう笑顔で話してくれました。

  • アヤさん

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ヘルメットは安全第一。世界50か国以上で安全性が認められたヘルメットブランド「LAZER」とは

  • LAZERのヘルメット

LAZER(レイザー)」は、自転車大国・ベルギーで生まれたヘルメットブランドです。自転車レースで培われた技術は、ヨーロッパの厳しい安全基準をクリア。そんなLAZERのヘルメットの特徴を3つのポイントに分けてご紹介します。

01 ヨーロッパの厳しい安全基準「CE」に適合。世界50か国以上で安全性が認められたヘルメット。

  • LAZERのヘルメット

LAZERのヘルメットは、すべての製品でヨーロッパの厳しい安全基準「CE」を取得。世界50か国以上にて、安全性が認められたヘルメットを提供しています。100年以上にわたり、自転車に乗る人たちの安全を守っています。

LAZERの歴史について詳しくはこちら

02 保護力がありながら軽量で通気性も抜群。いいとこどりのテクノロジー「KinetiCore」。

  • KinetiCoreの特徴

「KinetiCore」とは、ヘルメット技術を何年にもわたってテスト、改良、完成させた結果、独自に開発された保護機構です。直接衝撃と回転衝撃の両方からサイクリストの頭部を保護します。そのうえ、革新的な通気口を備え、快適性が向上。最大23%の軽量化も実現し、さらに楽しい安全なライディングをかなえます。

KinetiCoreに関して詳しくはこちら

03 アジアンフィットモデルも幅広くラインナップ。日本人の頭部にもフィットしやすい形状。

  • LAZERのヘルメット

アジアンフィットモデルを豊富に揃えているのもLAZERならでは。LAZERのアジアンフィットは、日本人の頭にフィットするよう、サイズを横+3.4%、縦-2.8%調整しています。日本で展開しているLAZERヘルメットのほとんどが、このアジアンフィット。独自のフィッティングシステムも相まって、より自然なフィット感を味わえます。

アジアンフィットモデルに関して詳しくはこちら

自転車に乗っていれば、落車や転倒は誰にでも起こり得ます。だからこそ、安全性の高いヘルメットを正しく着用しましょう。それが、命を守ることにつながります。

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シマノは、世界中の自転車を愛する人の感動に寄り添いたいと願い、品質にこだわった本当に信頼されるものづくりを目指しています。
今までもこれからも「こころ躍る製品」を皆様にお届けしてまいります。

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〇【急遽、手術することに】セカンドオピニオン大切!自転車の事故後のとるべき行動について
〇サイクルガジェットTV
※ケガの映像が出ますので、苦手な方はご注意ください。

photo:Asami Endo

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