今や当たり前の選択肢となっている「共働き」。恐竜博物館や越前がにが有名な「福井県」は、共働き率が61.2%と全国1位、女性雇用者数も年々増加しています。その一方で、女性管理職の割合は全国平均を下回る状況。(※1)
そこで、福井県が学生と企業を結び、「福井の企業のキラリみつけた!SNSとリアルでつながる1日」と題して、女性活躍の現場をリアルにお届けする学生限定イベントを9月22日(金)に開催。実際に参加した学生や企業にお話を伺いつつ、イベントの様子をレポートします。

※1 参照元:厚生労働省 福井労働局「グラフで見る福井県の女性労働」令和4年3月版」。
福井県 令和2年国勢調査。

インスタグラマー「よっぴ」さんが登壇! SNSで好きなヒト・モノ・企業と繋がる方法をレクチャー

イベント「福井の企業のキラリみつけた!SNSとリアルでつながる1日」では“SNSから学び「つながる」”と題し、福井で活躍するインスタグラマー「よっぴ」さんによるSNSの効果的な活用方法についてのレクチャーからスタート。

よっぴさんは福井在住で、2023年現在4万人のフォロワーを抱えるインフルエンサー。出版社で紙やWebメディアの集客や人材採用に携わり、その後独立。現在はSNSによる集客や人材採用などの運用支援の事業やグルメイベントの主催をしながらインフルエンサーとして活動をしています。

セミナーではよっぴさんの経験や事例を挙げながら、SNSの効果的な活用方法とSNSが就活でも活用できることについて紹介。「SNSでつながるだけでなく、リアルで知ることでより理解できる」というよっぴさんの言葉に学生たちも大きくうなずいていました。

最後に、「SNSで好きを見つける、そして発信して共感されることで自分を見つけてもらい、つながりを持ってみてほしい」とよっぴさんが熱い思いを伝え、レクチャー会は終了。興味深く耳を傾けていた学生たちは拍手喝采で、満足感の高いセミナーとなったようです。

午後は「企業魅力発見ツアー」で実際に会社訪問へ

午後は“リアルで企業と「つながる」”と題し、実際に学生が女性活躍を推進している企業に訪問しました。今回イベントに参加した会社は10社。マイナビニュースではその中の2社の企業訪問に密着させていただきました。

女性活躍プロジェクトチームを発足している「株式会社日本エー・エム・シー」

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企業訪問1社目は、重機の油圧システムの配管を繋ぐ部品「継ぎ手」を作っている「日本エー・エム・シー」。建機業界では国内トップシェアを誇り、中国やタイなど海外にも拠点があるものづくりの会社です。

日本エー・エム・シーでは働きやすい職場づくりに力を入れていて、2016年から社内の女性活躍を推進する「ツギテラス」というプロジェクトチームを発足しています。また、2019年以降男女ともに育児休業の取得率がなんと100%! 「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定を受けた「くるみん」認定企業でもあります。

さらに、昨年度は社員への働きやすさの取り組みが認められ、福井県による「社員ファーストアワード大賞」を受賞。女性活躍や育休取得率はもちろん、ロボット技術やAI活用による業務効率化で生産性を向上させ時間外労働時間の削減が可能となったことや、障がい者や外国人の働きやすい環境づくりも評価されました。

企業訪問では、スライドを用いた社員による会社説明と女性活躍プロジェクトに関する説明の後、社内見学を実施。実際に活躍する女性社員とコミュニケーションを取りながら各部門での仕事の説明を聞き、学生たちも興味津々です。

日本エー・エム・シーの取締役 専務執行役員であり総務部部長の高橋さんによると、本イベントには「女性活躍の取り組みについて、社内でもっと具体的に展開していきたい」という思いから参加を決めたそう。ツギテラスの発足は女性社員が自主的に始めたプロジェクト。どうしても男性が中心になりやすい製造業で、女性目線でできることを考えて取り組んでいます。

「ツギテラスの取り組みは、女性の学生には安心材料として働いているのではないかなと思っています」と高橋さんが言うように、企業訪問をした学生たちは日本エー・エム・シーでの女性の活躍について関心が高い様子。女性の海外勤務のチャンスなどの質問を積極的にしていました。

全ての人が働きやすい環境をつくるといった言葉を聞いた時に、難しいことだなと思ったのですが、話を聞いたり社内の雰囲気を見たりしていくうちに、実際に働きやすい環境つくりが徹底されているんだ、と魅力的に感じました。

製造工程の中で、性別にとらわれず活躍している様子が印象的でした。また社員一人一人が、自社の提供するサービスや商品に誇りを持ち、やりがいを持って仕事をしている印象。非常に働きやすい職場づくりがなされていると感じました。

女性社員が6割! 子育て中でも働きやすい環境が整う「株式会社ワカヤマ」

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次に伺ったのは、鯖江市にある「株式会社ワカヤマ」。鯖江市といえばメガネフレームの国産生産シェア率が95%で、メガネの聖地として有名な地域です。ワカヤマではメガネへのメッキと塗装を始めとして、OA機器や美顔器などに幅広い表面処理を行っています。

社員は約6割が女性、平均年齢は36~40歳と仕事も育児も忙しい年齢層ですが、ワカヤマでは女性がライフステージに応じた働き方を選択できる環境を整えています。産休・育休はもちろん時短勤務や時差出勤が可能。さらに子どもの急な体調不良等での休みや早退も柔軟に対応するようにしています。

ものつくり戦略室の山本さんからは、会社の事業と社員の働きやすさ向上のための取り組みについての説明がありました。身近なものが実はワカヤマの技術が使われていると知り、大きくうなずく学生が多く見られました。

山本さんにワカヤマの女性活躍への意識について伺うと、「先代の社長夫妻自身が子育てをしながら会社を始めたこともあり、自然と子育てしていても働きやすい環境づくりが整っていた」そう。その体制が評価され、昨年度「ふくい女性活躍推進企業優良活動表彰」の企業部門に選ばれました。

また、製造業に抱かれがちな「3K(汚い・きつい・危険)」のイメージを、いい意味での「3K(綺麗・簡単・気持ちいい)」に変える取り組みも実施。休憩室をオシャレにリフォームしたり、塗装を行う第二工場を「デザインセンター」として、ロボットやAIを使った技術や近未来的なデザインのカフェを設置したりといった環境の改革を行っています。就活中の学生はもちろん親御さんにも製造業に対する良いイメージを与えることができており、毎年多数の就活生から応募があるそうです。

説明が終わってからは社内見学へ。普段使っているもののメッキや塗装の現場を目の当たりにして、学生たちは興味深そうに製品を観察していました。

女性が活躍しているだけでなく、働きやすい環境をつくる取り組みが多くなされていて良いと感じました。特に、社員の方々から会社をよくする案を集めて実行していると聞いた時は、本当に社員にとって過ごしやすい会社づくりができているのだなと感じました。

驚いたのは、髪色や髪型が自由なこと。自由でのびのびとした仕事環境であることを知り、誰でも働きやすい環境つくりがこなされていて、魅力的に感じました。