突然ですが、皆さんは「出光興産」と聞いて何をイメージしますか?

多くの方はガソリンスタンドを思い浮かべるかもしれません。しかし実は、未来の地球環境を守るために、石油事業の他にも様々な取り組みをしている企業だったのです。この事実、意外と知られていないのではないでしょうか。

そんな出光興産、2030年ビジョンとして「責任ある変革者」を掲げ、エネルギーの安定供給とカーボンニュートラルの実現を目指して改革を進めています。今回は、出光興産の石炭・環境事業部でカーボンニュートラルなバイオマス燃料の供給拡大に取り組む社員にインタビューを行い、出光興産ならではの取り組みについてお聞きしました!

ベトナムの地からカーボンニュートラルを目指す! 出光興産社員にインタビュー

なぜ出光興産に? 描いていたキャリアビジョンとは

南さん
南 さやか さん

キャリア採用で出光興産に入社後、バイオマス関連事業に携わる。
 
2023年1月からベトナムに赴任。バイオマス燃料の供給拡大に取り組んでいる。

――南さんは、出光興産に入社する前はどのようなキャリアを歩まれていたのでしょうか?

前職ではシステムエンジニアとして10年ほど働いていました。大学では農学部でバイオマス系の研究をしていたのですが、就活のタイミングで農業とITを結びつけるような社会的なムーブメントがあったんです。そこで「私もITをやってみたいな」と思ってSEの道に進むことにしました。でも、やはりどこかでバイオマス関係の仕事がしたいという気持ちもありましたね。

――出光興産に興味を持ったキッカケは何だったのでしょうか?

前職で勤続10年を迎え仕事もいろいろ覚えたこともあって、そろそろステージを変えたいと思ったんです。ちょうどそのタイミングで出光興産がバイオマス事業を始めるということを知り、ぜひ携わりたいと考えました。

――入社する前、「出光興産」はどんな印象でしたか?

多くの人がそうだと思うのですが、よくガソリンスタンドを目にしていたので石油事業のイメージが強かったですね。あとは、『海賊とよばれた男』のイメージで熱い人たちの集まりだという印象もありました。

――実際に入社してみて、会社の印象は変わりましたか?

事業展開については想像とそれほど変わりませんでした。「日本という国を大事にしながら世界に挑戦する」というイメージどおりの会社です。社員の印象は、みんなとにかく熱いし、情にも厚いというか。はつらつとした人が多く、それぞれが自分の意見を積極的に口にしている印象があります。

ベトナムでの挑戦! “ブラックペレット”で目指すカーボンニュートラル社会

――南さんがベトナムで取り組まれている業務内容について教えてください。

私が主に携わっているのは、バイオマス燃料ブラックペレットに関する業務です。

ベトナムに建設中の商業製造プラント1号機  

↑ベトナムに建設中の商業製造プラント1号機

出光興産は石炭に代わる燃料となるブラックペレットを事業として展開するべく、6〜7年前から力を入れ始めました。現在はベトナムに商業製造プラントの1号機を建設中で、私も今年1月からベトナムに赴任し、原料となる木材の調達を担当しています。

ブラックペレットとは?

木質ペレットを炭化させた素材で、他のバイオマス燃料と比較して粉砕性が高く、既存の石炭ボイラーを改修することなく混焼や専焼で使用することができる。発熱量や耐水性に優れ、自然発火のリスクが低い点も特長で、石炭と同様の取扱いが可能な再生可能エネルギー。

――燃料となる木の調達ですか、かなり大変そうな仕事ですね。

そうですね。ただ木を集めるだけでなく、世界で問題になっている違法伐採や環境破壊、児童労働などを防ぐため、管理が徹底できている農家から直接調達するように努めています。

海外からの調達は、間接的なものや直接的なもの、さまざまな方法があります。私たちは農家を一軒一軒回って管理体制を実際に確認することで、安全・安心な「農家の顔が見える木」を調達することを大切にしています。おかげさまで顔も日焼けしました(笑)。

ベトナムで働く南さん  

↑ベトナムで働く南さん

――ブラックペレットが普及すると、どんな効果が期待できるのでしょう?

ブラックペレットは原料となる植物が育つ過程でCO2を大量に吸収してくれます。ですので、石炭と混ぜて燃焼させた際にCO2が排出されたとしても、プラスマイナスで考えると排出量はゼロだとされているんです。なので、普及すればするほど、CO2の削減に繋がります。

これまで、燃焼効率の高さや経済性から石炭は重宝されてきました。現在でも、石炭は火力発電などのエネルギー資源としてみなさんの生活を支えています。しかし、時代が進むにつれCO2削減の動きが高まり、石炭に頼りきりでは立ち行かなくなってきました。普及が促進されている太陽光や風力発電などは、安定稼働できる石炭とは違って天候に左右されやすく、常に発電できるわけではないことが課題とされています。

私は石炭が100%悪者だとは思っておらず、大事なのはバランスだと考えています。選択肢としてバイオマスというオプションが広がることは、日本のエネルギー事業の拡大と低炭素化に直結すると信じてこの事業に携わっています。

ベトナムの森林農家に訪れた南さん  

↑ベトナムの森林農家に訪れた南さん

――ブラックペレット事業のどんなところにやりがいを感じていますか?

石炭をはじめとする化石燃料のおかげで私たちの生活が豊かになったことは、紛れもない事実です。しかし、今後、持続可能な発展を続けていくためには、化石燃料に頼りきりの現状を変革しないといけません。

ブラックペレットは、化石燃料への依存から脱却する変革の第一歩だと考えています。いわば、“最適な現実解”といったところでしょうか。このような現実的な一歩を積み重ねることで、最終的にカーボンニュートラル社会が実現できるのだと思います。世界を取り巻く問題の解決に、自分自身が微力ながら携われているところにやりがいを感じますね。

ブラックペレットの材料となる木材  

↑ブラックペレットの材料となる木材

――しかし、異国の地で働くとなると苦労も多いのではないでしょうか?

親は心配しているので、ちょっと申し訳ない気持ちもあります(笑)。もちろん日本国内でも社会への貢献に携わることはできると思います。しかし、出光興産という海外で活躍できる環境にいるのに、挑戦しないのはもったいないと思い赴任を決断しました。

実際、ベトナムでの生活に大きなストレスはありません。虫が多いなどの小さなストレスはありますけどね(笑)。ベトナムの方々もすごく議論が大好きで、役職を気にせずに自分のアイデアを出し合う習慣があるので、彼らの姿勢から学ぶことも多いと感じています。

活発に議論をする出光興産の文化は、国境を越えても変わらない  

↑活発に議論をする出光興産の文化は、国境を越えても変わらない

カーボンニュートラル社会の牽引者になるために

――今後、ブラックペレット事業をどのように展開していきたいとお考えでしょうか?

将来的にはベトナムだけでなく、他の国でも事業を展開していくと思いますが、そこでもやはり安全・安心なバイオマス原料を調達しなければなりません。

私たちは日本へのバイオマスの供給事業を他国でやらせてもらっているわけですから、現地で暮らす人たち、働いている人たちのこともきちんと考えたうえで協力関係を築く必要があります。

どこの国でも「出光興産のバイオマスはいい燃料なんだ」と胸を張って言えるよう、原料を調達する過程など、仕組みづくりはしっかり整えたいと考えています。

――今後、どのような想いでカーボンニュートラルや地球環境保全に挑戦したいとお考えですか?

私はあまり気負いせず、目の前のことに向き合っていきたいと思っています。森林を育てている農家のみなさんに対しても、いただいた木を私たちがどう使っているかを真摯に伝えることで、「作った木を出光興産に任せることで、自分たちも環境問題の解決に携われるんだ」と思ってもらえたら嬉しいですね。

「農家の顔が見える木」を調達することを大切に  

↑「農家の顔が見える木」を調達することを大切に

原木を栽培している農家さんたちの中には生活に苦しんでいる方々が多いのが現状です。結果、長時間労働や児童労働、環境破壊に関与している業者への原木販売などの問題が発生しています。この事業を通してそういった問題を正していくことも私たちの使命だと思っています。

今後、もっと彼らとコミュニケーションを深めて、持続可能性にかなった仕組みづくりをしていきたいと考えています。私たちの取り組みが、世界規模の問題を解決する一助となっていることに誇りを感じていますし、その取り組みに携われていることが大きなモチベーションになっています。

身近な「出光興産」が地球の未来を支える!

人々の生活を支えるエネルギー供給者としてのイメージが強い「出光興産」ですが、同時に未来の地球環境を守る責任と真剣に向き合い、持続可能なエネルギー事業に注力していたんですね。

出光興産の中期経営計画  

↑中期経営計画(2023~2025年度)にて発表

現在、ベトナムで建設中の商業製造プラントは2023年中に完工予定。1号機のブラックペレット生産量は年間12万トン、2030年にはその25倍の300万トンもの生産を目指し、低炭素ソリューションに貢献していく予定なのだとか。国内企業25社が参加する研究会も立ち上げ、さらに事業化も加速しているそうです。

また、出光興産は中期経営計画においても
①地球にやさしい一歩先のエネルギーの安定供給
②省資源、資源循環ソリューション事業の展開
③サービスステーション(ガソリンスタンド)「apollostation」の「スマートよろずや」構想
を軸に掲げています。

*サービスステーション「apollostation」を活かし、地域の暮らしをサポートする生活支援基地としての展開

身近にある「出光興産」。人々の生活を支えながら地球環境を守るための事業は、私たちの想像をはるかに上回る規模で取り組まれていました。今後も「責任ある変革者」を目指す出光興産の動きから目が離せません。

* * *

   


出光興産のコーポレートサイトはこちら

   

出光興産の採用サイトはこちら

   

まだまだある!
実は知らない出光興産の取り組みはこちら

[PR]提供:出光興産