私たちが生きていくうえで欠かせない、“食事”。私たちの身体は食べたものでできていると言っても過言ではありません。生まれてから今まで繰り返されてきた“食べること”について、当たり前すぎて深く考えたことがない、という人も多いと思います。今回は、料理研究家の平原あさみさんに話を伺いました。平原さんと一緒に、改めて食べることの大切さや楽しさについて考えてみましょう。

平原あさみ

平原あさみさん(料理研究家/管理栄養士)

老人ホームや保育園の栄養士として勤務後、料理研究家に師事。テレビや雑誌のフードコーディネートやレシピ作成、企業の栄養監修に携わる。高齢者などの大人向け料理教室や子どもを対象にしたキッズキッチンを開催するなど幅広く活躍中。


管理栄養士、料理研究家としての歩み。
食べることの大切さを再確認した、母のおむすび

―本日はよろしくお願いします! まず、普段の仕事内容について教えていただけますか?

行政の管理栄養士として栄養指導に携わったり、メディアなどの栄養監修をしたりしています。料理研究家としては栄養バランスを考えたレシピ考案や料理教室を開催しています。


―料理に興味を持ったきっかけは何ですか?

幼い頃、忙しい両親の代わりに祖母の介護や家族の食事を担当することがあり、高齢者に好まれるもの、食べやすい調理法、栄養バランスが整う食材の組み合わせに興味を持ちました。


―幼い頃のご経験がきっかけなんですね。そこからなぜ料理研究家になろうと思ったのですか?

盛り付けを彩りよくしたり、可愛らしくしたりすることで家族や友人が喜んでくれたこと、料理写真をSNSや雑誌に載せた時の反響が楽しみになったことがきっかけでしたね。忙しくても栄養バランスが整うレシピや、映える盛り付けを教えたいという思いで活動を始めたら、いつの間にか料理研究家になっていました。


  • 平原さんが作った料理のお写真

―確かに平原さんのSNSなどに掲載されている料理の写真を見ると、栄養バランスが考えられているのはもちろん、盛り付けも綺麗でとっても美味しそうです!
今までたくさんの食事の機会があったと思うのですが、一番思い出に残っている食事のエピソードがあれば教えてください。

過去にとても辛いことがあり、食欲がわかず何も口にできなかった時、母が私の大好きな筋子を具にしたおむすびを作ってくれました。一気に心がほどけ、感動したのを今でも覚えています。食べることは栄養を摂ることだけではなく、心を落ち着かせたり、幸せな気持ちにしたりする力もあるのだと思いました。


―お母様の愛情を感じる、素敵なエピソードですね。平原さんは老人ホームの栄養士として働かれたり、高齢者向けの料理教室を開催されたりしていると思うのですが、高齢者の方の食事を考える際に気を付けていることは何ですか?

ご高齢になると、食欲がわかなかったり、たくさんの量を食べることが難しくなったりする方がいらっしゃいます。栄養はもちろん、見た目やのどごしがよく食べやすくなるようにテクスチャーにも気をつけています。また、時短で季節感を加えたり、1品で栄養がしっかり摂れるようなレシピを考えたりするようにしています。


今日のひと口は、明日の自分を作る。
いくつになっても食事を楽しむために必要なこととは?

―料理研究家として活動される中で感じる、食べることの大切さや楽しさについて教えてください。

私たちの身体は食べものでできています。食べることは心を癒し、体を整えること。だからこそ、何歳になっても食べることを大切にして、楽しんでほしいと思いますね。
高齢者の料理教室や栄養指導をする中で、「これは硬いから食べることができない」「病気で食事制限がある」などの声をよく聞きますが、制限された中でも食事が楽しくなるような見た目や味付けの工夫をするなど、できることはたくさんあります。また共食(誰かと一緒に食事をする)をすることで、栄養や味わいだけには留まらない食事を楽しむ方法もあります。


―高齢者の方が食事を楽しめるように日々工夫されているんですね。
具体的に、何歳になっても食事を楽しむために必要なことや気を付けるべきことはあるのでしょうか?

いつまでも美味しく、楽しく、食べたいものを食べるために、毎日好きなものを好きなだけ食べるのではなく、少しだけでも身体のためになるようなものを意識し、栄養バランスを考えて食べてほしいと思っています。また基本的なことですが、よく嚙んで食べることも大切です。


―自分に必要なものを選んで食べることが大切なんですね。
最後に料理研究家として皆さんに伝えたいメッセージがあれば教えてください。

自分で料理をすると味や組み合わせを工夫でき、自分に合わせた食事内容にすることができます。いつまでも生き生きと食べたいものを食べる秘訣は、毎日の食事を意識することから始まると思います。今日のひと口は、明日の自分を作っていきます。


人生100年時代と言われている今こそ、健康寿命を延ばすことが大事です。食べることは私たちの身体を作っていくのと同じこと。しっかりと必要な栄養素を摂取しながら楽しく食事を摂って、心と身体を健やかに保っていきたいですね。

オーラルフレイルって?
おくち&歯の健康を保つことが重要

平原さんのお話にもあったように、何歳になっても食事を楽しみたいものですよね。そのためにも歯の健康を保つことが重要です。

皆さんは“オーラルフレイル”という言葉をご存知ですか? “オーラルフレイル”とは噛んだり、飲み込んだり、話したりするための口腔機能が衰えることで、早期の重要な老化のサインとされています。噛む力や舌の動きが悪くなると食生活に支障が出て栄養不足になったり、滑舌が悪くなって人や社会との関わりが減ってしまい、気持ちが落ち込んだりすることも。そうならないためにも、まずは歯が大切です。お口の中を清潔にして、歯周病に気をつけましょう。

歯周病の原因の1位は、不十分な歯磨きと言われています。進行すると歯がぐらついたり、抜け落ちたりすることもあるので、早期の治療はもちろん、まずは予防することから始めましょう。
年齢とともに進むオーラルフレイルの予防として、歯周病の対策を行い、「歯ぐき」を健康に保って「歯」そのものを大切にすることが重要なのです。

おくちカレッジはこちら

まずはオーラルフレイルや歯周病について正しく知ることから

いつまでも食事を楽しむためには、歯の健康を保つのが重要であることがわかりましたね。まずは、オーラルフレイルや歯周病について正しく理解することから始めましょう。「おくちカレッジ」では、歯周病に関する様々な情報を発信しています。歯周病の原因から症状、治療、予防まで、詳しく知ることができます。歯の健康は、心と身体の健康にもつながっていると心得て、今日から正しい口腔ケアを習慣にしていきましょう。

おくちカレッジはこちら

[PR]提供:第一三共ヘルスケア