「大人のための変身ベルト」というコンセプトで開発され、ハイクオリティな造形や音声ギミックが仮面ライダーファンのツボを突き続けるバンダイの人気シリーズ「COMPLETE SELECTION MODIFICATION(CSM)」の最新作は、CSM変身ベルト30作目を記念し、シリーズ初の本格リメイク商品となる『仮面ライダーディケイド』(2009年)の変身ベルト「CSMディケイドライバー ver.2&ケータッチ」に決まった。「CSMディケイドライバー ver.2&ケータッチ」(36,300円/税込)、「CSMライドブッカー」(14,300円/税込)、「CSMライダーカードセットEXTRA」(7,920円/税込)、ほか2商品の予約受付が、プレミアムバンダイで2021年11月9日13時にスタートする。

今から12年前となる2009年に放送開始した『仮面ライダーディケイド』とは、『仮面ライダークウガ』(2000年)を第1作とする「平成仮面ライダーシリーズ」が10作目を迎えたことを記念して作られたテレビシリーズ。『仮面ライダークウガ』から『仮面ライダーキバ』(2008年)まで9つの「仮面ライダーの世界」をめぐって「すべてを破壊し、すべてをつなぐ」ディケイド/門矢士(かどや・つかさ)と仲間たちの“旅”のもようを描く。

門矢士は変身ベルト「ディケイドライバー」に「ライダーカード」を装填してディケイドに変身する。歴代仮面ライダーの姿に変身(カメンライド)する能力こそが、仮面ライダーディケイドの大きな特徴である。

CSM第6弾として2015年に発表された「CSMディケイドライバー」から約7年、完全リニューアルされた「CSMディケイドライバー ver.2」は、仮面ライダーディケイドのスーツプロップに合わせた造形が施され、ギミックにさらなるグレードアップが試みられた。『仮面ライダーディケイド』の主要BGMのほか、マーク・大喜多によるベルト音声や門矢士役・井上正大の劇中セリフなど、音声ギミックの充実が重要なポイントとなっている。

ここでは「CSMディケイドライバー ver.2」発売を記念して、仮面ライダーディケイド/門矢士を演じた俳優・井上正大にインタビューを敢行。変身ベルト商品として高いクオリティを突き詰めた本商品の感想や、膨大な門矢士のセリフを新規収録した際の裏話、そして『ディケイド』を愛するファンへの感謝を語ってくれた。

――新規造形でリニューアルを果たした「CSMディケイドライバー ver.2」の商品サンプルを触ってみて、7年前のCSM商品と比べてどんなところが変わっていますか。

ドライバーの造形がさらにディテールアップされていて、さすがは「ver.2」だと思いました。バックルの両脇にあるボタンがディケイドのスーツプロップに合わせて丸みを帯びたものになってますし、外側の質感がまるで変わっています。これこそ究極のディケイドライバーです。もう、さすがにver.3は出ないんじゃないかというクオリティ。『ディケイド』の商品が再び出てくれるだけでも最高なのに、この完成度の高さでしょう。ものすごくうれしいですよね。

――『仮面ライダーディケイド』放送当時(2009年)、玩具売り場で関連商品をご覧になったことはありましたか。

あの当時、ものすごい数の玩具が出ていましたよね。先ほど、どれだけの種類が玩具として出ていたのか、カタログを見せてもらって、その膨大さに驚きました。玩具の写真を見ると、あのときこんなのが出ていたのか……と時代をしみじみ感じます。

――「変身ベルト DXディケイドライバー」も子どもたちに人気の商品となりました。当時、ベルトを身に着けた子どもたちと出会ったりしたとき、士として声をかけたりされましたか?

子どもたちと接する機会もありましたけれど、「士として」ではなく、井上正大として声をかけることがほとんどでしたね。どうも子どもたちはテレビの印象からか、士は「怖い」と思っているみたいなんです(笑)。たまに「変身して!」なんて言われるんですけど、そのときだけは士になりきって「少年よ、変身はピンチになったときしかやっちゃいけないんだ」なんてクールに話しかけることがありました。

でも、基本的には怖がられる場合が本当に多いんですよね。見るからに元気で、やんちゃそうな男の子でも、僕の目の前に立つとビビっちゃうみたいで、そんな空気を察知して、できるだけ柔らかく接してあげるよう気をつけています。正直、いつも劇中の士みたいな態度を取り続けていたら、子どもたちはともかくディケイドのことを詳しく知らない親御さんから「何なんだこいつは?」と思われる恐れもありますしね。「仮面ライダーだって聞いていたのに、なんであんなにふてぶてしいんだ!?」って(笑)。

――当時の玩具商品は、今でもお持ちでしょうか。

放送当時に出た商品をバンダイさんから送っていただくこともありましたから、けっこうな数を持っています。フィギュアを眺めているとあの頃を思い出します。当時も玩具のクオリティが高いなと思っていましたが、今発売されている『仮面ライダーリバイス』の玩具については、わずかな隙もない感じ。やはりバンダイさんの技術力も日々向上して、レベルアップしているんですね。

――今回の「CSMディケイドライバー ver.2」では、井上さんが士の印象的なセリフを多数収録されたそうですが、当時のセリフを吹き込むにあたって、難しかったのはどんなところですか。

当時の映像を観返してセリフを忠実に再現しなければならないのですが、同じようなしゃべり方にするのは全体的に難しい作業でした。あのとき、何の考えもなしに発していたセリフのニュアンスもきっちり再現し、イメージを近づけていくわけですから。

芝居をしているときは相手がいますが、今回は1人だけなので、かけあいセリフの「士の方だけ」みたいな部分もあり、トレースが難しかったです。何より、収録するセリフの数が多いのが大変でした。士のセリフは長いものが多いですし「こんなセリフ、今また言うんですか!?」とびっくりした内容のセリフもありましたね。

でも手応えも感じられて、けっこう当時に近づけることができたかなと思っています。全部のセリフを吹き込むのに、3時間くらいかかりました。途中に休憩などせず、一気に収録しています。少しでも休むとすぐ井上正大に戻ってしまい、士になれなくなりますから、こういうのは一気にやったほうがいいと思ったんです。

――音声収録を終えた直後のご感想をお願いします。

『ディケイド』をやっているときは、アフレコで変身後のディケイドに声を入れることがありましたが、戦っているときの「フーッ、ハーッ、ターッ」というかけ声がほとんどでした。だから、収録でこんなにたくさんのセリフを録ったのは初めての体験ですね。以前ゲームでディケイドの音声を入れましたが、あのとき収録したセリフは今回の1/3くらいだったかな。ゲームのときの音声の3倍、今回セリフを収録したことになります。「CSMディケイドライバー ver.2」とセット販売される「ケータッチ」には、鳴滝(演:奥田達士)のセリフも入っているそうですね。これも凄いですよ。

――士のセリフは、敵にも味方にも、そして先輩ライダーに対しても常に対等か、少し「上から」来るような言葉が多いような印象です。ご自身でも「ちょっと偉そうかな」なんて思ったりしますか?

改めてセリフをしゃべっていると、自分で演じている役なのに「こいつ、やっぱり偉そうだな」って思いますよ(笑)。「なんだこの言い方、ぶっとんでるな」って。最近、日本だけでなく海外のファンの方たちからコメントをいただくことが多くなったのですが、その中でよく「なんで門矢士はあんなに偉そうなんだ?」なんて言われることがあって(笑)、ああ士の態度の悪さは、世界共通の認識なんだなって痛感しました。

――士の変身は、ライダーカードを目の前で構え、ディケイドライバーに装填して行いますが、必要以上に力を入れない変身の一連はクールでカッコいいですね。

変身シーンの撮影のときは、カメラのレンズのどの位置にカードが来ているとキレイに見えるのか、カメラマンさんと僕とで常に息を合わせながら臨んでいました。事前にディケイドライバーで変身の練習をさせていただいたからこそ、自然な見せ方が出来たと思いますし、撮影の現場ではアクション監督の宮崎剛さんと共に、どうすればカッコいい変身ポーズが出来るのかを考えながら、スタッフのみなさんといっしょに作り上げていきました。

――「CSMディケイドライバー ver.2」が井上さんのお手元に届いたら、どんな風に楽しまれますか?

いったいどんなものになっているんだろうと思って、とりあえず各部分をチェックしてみるかもしれません。でも、自分の声が入っているわけですから、それを自分で聴くということはないかも……。僕の場合、自分でセリフをしゃべればいいだけですから(笑)。僕にしか抱くことのできない感情だと思いますが、『ディケイド』の放送が終わって12年も経った今、大人向けの変身ベルトが出る。しかも「ver.2」だ!という思いを胸に、商品をながめるでしょうね。ちょっと感慨深いものがあります。

――ファンの方たちに「CSMディケイドライバー ver.2」を、どのように楽しんでほしいですか。

ぜひこの変身ベルトを着けて写真を撮っていただき、それをSNSにアップして見せてほしいですね。音声ギミックを再生しながら、変身の動画を撮影するのもいいんじゃないですか。クオリティの高い商品だから「超アップ」にも耐えられるので、どんどん写真や動画で「形」として残してほしいです。とても創作活動に適したアイテムだと思いますね。

僕は最初「大人のための変身ベルト」が出るって聞いて、そんな商品が売れるのだろうか?と少し心配していたんです。でもこれまでシリーズが30作以上続き、今またディケイドライバーの「ver.2」が出るということは、高いニーズがあったんだなと改めて思いました。同時に、仮面ライダーファンのみなさんの熱意と愛情の強さに、感謝する気持ちでいっぱいになります。これから出る「CSMディケイドライバー ver.2」もまた、仮面ライダーディケイドならびに仮面ライダーシリーズを愛する、たくさんの方々に楽しんでいただければうれしいです。

(C)石森プロ・東映

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