職場や学校、自治体などから案内が届く健康診断。年に1回、さまざまな病気の早期発見や予防のため、定期的な健康診断の受診が推奨されているが、これは人間のみならず、ペットも同じだ。ペットの場合、年に1~2回の健康診断が適切だそうだが、まだまだ受診率が低いのが現状だという。

そこで今回は、「ペットの健康診断」の認知拡大・促進に取り組んでいるペットフードメーカー「ロイヤルカナン ジャポン」の尾身衛祐氏に、現在のペット業界への危惧と改善のための活動について話を聞いた。

  • ロイヤルカナン ジャポン合同会社 Scientific Communication & Academic Affairs Executive 尾身 衛祐氏。日本大学生物資源科学部獣医学科を卒業後、動物園や水族館を運営する企業に入社。その後ペットフードメーカーに転職し獣医チャネルにおける学術営業、エリアマネージメント、リテールマーケティング、新規事業開拓などの業務に従事。2020年にロイヤルカナン ジャポンにて現職に

ペットの健康を守るために必要なことは、正しい知識の浸透

「Dog & Cat First(すべては犬と猫のために)」という企業理念のもと、日本国内だけでも250種類以上のペットフードを展開するロイヤルカナン。この理念は「犬や猫の品種や年齢、身体のサイズ、ライフスタイル、健康状態などにフィットしたフードを提供したい」という同社の想いが形になったもので、そのほかにもさまざまな犬と猫のための取り組みを実践している。

―― 尾身さんは現在、どのようなお仕事に携わっているのでしょうか。

私は「コーポレート アフェアーズ」という部門のなかの学術部に所属し、製品に関連した学術情報を、動物病院などの獣医療従事者に対して発信しています。そのほか、動物病院への営業チームに対する学術的なバックアップも業務内容です。各種イベントやプログラムを通して、獣医療業界のさらなる発展に寄与し、業界内でリーダーシップを確立するための企画運営を行っています。

―― ロイヤルカナンには中途採用で入社されたと聞きました。それまではどのようなお仕事をされていましたか

獣医学部の大学を卒業後、動物園や水族館を運営する企業に3年ほど勤めていました。その後、別のペットフードメーカーに転職し、営業部で獣医チャネルにおける学術営業、エリアマネージメント、リテールマーケティング、新規事業開拓などの業務を手掛けました。それを経て、ロイヤルカナンに入社し、現在の仕事をしています。

―― そもそも獣医学部を目指されたきっかけは?

幼少期から柴犬を飼っていて、動物病院に行く機会が何度かあったんです。大きな手術が必要になり、大変お世話になりました。

その経験から、私も同じような立場で仕事ができればと思い、獣医学部を目指しました。現在は、直接ペットに治療をするわけではありませんが、獣医療にかかわる人に正しい情報提供をすることで、1頭でも多くの犬や猫の健康に繋がればと思っています。

―― ロイヤルカナンへの転職のきっかけを教えてください。

犬と猫の健康を第一に考えている姿勢に強く共感したのが理由です。私の所属するチームや関連部署には多くの獣医師が在籍していますが、会社全体ではさまざまなキャリアを持っている人がたくさんいます。そして、誰もが愛犬家、愛猫家で、自社の製品を愛している方ばかりです。そういった環境で働きたいと思いました。

―― 実際に働き始めて、職場の環境などの印象はいかがですか。

日々、新しいことにチャレンジしている会社だと思います。ロイヤルカナンは「Inclusion&Diversity(受容性と多様性)」を尊重していて、アイデアを形にできる環境が整っています。いろいろなキャリアの人がいるので、その内容も多彩です。そしてプロジェクトに関わっているメンバーだけでなく、新しいチャレンジは全社で共有しています。お互いがモチベーションを刺激しあって、常に良い方向を目指す環境です。

ペットの来院不足 ―― 課題解決への取り組み

―― 現在のペット業界における課題を教えてください。

動物病院に通院する頻度の低さが課題だと感じています。そこに関連して、ペットオーナーの方がペットの健康管理に関して正しい知識を十分に得られていません。

ペットオーナーの方にヒアリングすると、おおよそ6割以上の方は定期的な健康診断を受けていませんでした。特に、猫は健康診断をを受診していないケースが非常に多くなっています。昨年からのコロナ禍でペットの需要が増加し、ペットオーナーの方も増えています。一人ひとりのオーナーが正しい知識を十分に得ることの重要性は、より高まっていると考えています。

―― ペットの健康診断の受診率が低い理由はどのようなところにあると思いますか。

ペットオーナーの方に理由を聞いてみると、「病気じゃないから」という回答が最も多くなっています。しかしながら、最近はペットも高齢化が進み、寿命も延びています。

見た目は健康そうに見えても、加齢によって体は変化していることがあります。ペットオーナーがペットの健康について自己判断をされているケースが多いですが、場合によってはその判断が間違っていることも。ペットの健康への知識や理解を深めていただくためにも、日頃から動物病院の方々とコミュニケーションをとっていただきたい。そうすることで、体の変化に早く気づいてあげられるのではないかと思います。

―― 課題解決のため、どのような取り組みをされていますか。

ペットの体の変化にいち早く気づけるような環境づくりをしています。その一つが昨年から行っている「動物病院へ行こうキャンペーン」です。

  • 「動物病院へ行こうキャンペーン」公式HP ※画像クリックでページに遷移いたします

定期的な健康診断が受診できていないペットオーナーさんに向けて、まずはどのようなものか知っていただき、受診のメリットをお伝えしました。さらに受診特典をお渡ししたり、動物病院の獣医師に健診を受けるメリットや具体的な健診内容をご解説いただいたりと、受診のきっかけになるような場を設けています。

―― 健康診断のメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

健康な状態を把握することで、ペットの体調の変化に気づきやすくなり、病気の早期発見につながります。そして、ペットのライフステージによる変化やそれに合わせた健康管理について、獣医師というプロの目線からのアドバイスが受けられるのがメリットですね。健康のベースラインを知っておくためにも、我々としては「年に2回、健康チェックのために健康診断を受診しましょう」とご提案しています。

ロイヤルカナンが描くペット業界の未来

―― 「動物病院へ行こうキャンペーン」を行って、どのような反応がありましたか?

キャンペーンでのアンケートにご協力いただいたおよそ6割のオーナーの方が、「キャンペーンをきっかけに健康診断を受けてみたい」とご回答いただきました。

そして健康診断を受けてみて、何らかの異常が見つかった例が4割にも上りました。そのような方からは、「早期発見、早期治療ができてよかった」とのお声をいただいており、ほとんどの方が「また健康診断を受けさせたい」と回答しています。地道な活動ではありますが、裾野が広がっているという実感があります。

―― そのほかにも、いろいろな取り組みをされていると聞きました。

健康診断推進の活動として、(一社)Team HOPE(チームホープ)の取り組みにも賛同しています。Team HOPEは、健康診断推進を行っている獣医師の団体で、全国で2300以上の動物病院がこの団体の活動に賛同しています。我々はその活動の支援という形で携わっています。

  • 「Team HOPE」公式HP ※画像クリックでページに遷移いたします

また「CFC(キャット・フレンドリー・クリニック)」という、猫医学会が取り組んでいる”猫にやさしい病院”を増やす活動にも賛同しています。

  • “ねこにやさしい病院”が探せる「CFC(キャット・フレンドリー・クリニック)」 公式HP※画像クリックでページに遷移いたします

認証を受けた動物病院は、待合室や診察室の環境が猫に配慮してあり、ストレスなく医療が受けられる体制が整っています。我々としては、そのようなクリニックを増やしていけるよう、ともに取り組んでいます。

―― ペットオーナーに向けた取り組みのほか、獣医師など獣医療関係者に向けたアプローチもあるそうですね。

獣医療関係者に向けたEラーニングの場「Royal Canin Academy」を提供しています。

  • 自身のスマホやタブレットから気軽に参加できる「Royal Canin Academy」のEラーニングコンテンツ

獣医療関係者の方がきちんとした学術情報を適切なコミュニケーションのなかで提供できるよう、学習機会や学術資料の提供といった情報ソースのプラットフォームとして2021年4月よりプログラムをスタートさせました。臨床経験の浅い獣医師や獣医学生などにも、ペットオーナーから相談を受けた際に適切な情報やサービスを提供してもらえるようサポートしています。

今後は、「ペットオーナーとのコミュニケーションをどのようにうまくとっていくか」という部分も支援できるよう、コンテンツを整えていく予定です。

さらに、獣医学生を対象に就職支援を行うオンラインイベント「キャリアユニバーシティ ~先輩に聞く卒業後の多様なキャリア~」の活動も行っています。ロイヤルカナンでは持続的に業界を発展させていくために、未来の芽を育てていくことは非常に重要な活動だと考えています。

昨今、小動物獣医療に進む獣医師の数が減ってきているのが現状ですが、いま一度、小動物獣医療の魅力を学生さんにお伝えして、一人でも多くの方に業界に携わっていただきたい。そしてそこから未来のキーオピニオンリーダーに育っていただきたいと考えています。

―― ロイヤルカナンとして、今後のビジョンをどのように描いていますか。

今後も、我々を含めた業界の活性化と持続的成長、そして犬や猫に関する社会課題の解決をこれからも目指していきたいですね。

そのためには、まずペットが来院しやすい環境づくりや来院の動機づけを進めて、1頭でも多くの健康な犬や猫を増やしていくこと、そのためのサポートを続けていきたいと思います。そして、ペットエコシステムにおけるヘルスパートナーの代表として、フードによる健康管理にとどまることなく、犬と猫の健康管理全般に貢献する企業としてみなさまに認識していただけるようになりたいですね。

―― 尾身さん個人としては、どのようなビジョンを描いていますか。

私個人としても、会社の理念のもとで活動しているので、犬と猫の健康を支えるための活動を続けていきたいと思います。私自身は犬や猫を直接診療して助けることはできません。ですが、正しい情報を獣医療関係者やペットオーナーの方に届けることが、多くの犬と猫の健康維持に繋がると信じています。また、業界が今後も継続的に発展していくためにも、今後の未来を支える獣医学生さんにとっても魅力的な場としてあり続けられるように、継続的な支援を続けていきたいと思います。

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「第3回 ロイヤルカナン 動物病院へ行こう!キャンペーン」概要


ロイヤルカナンが犬と猫を真の健康に導くヘルスカンパニーとして、大切な家族である愛犬・愛猫の定期的な健康診断を推奨するキャンペーン。10月1日(金)から11月30日(火)の期間中に応募いただいた方の中から抽選で1,000名様にクオカードをプレゼントし、健康診断を受けやすい環境づくりをサポートします。


応募方法 : 本キャンペーンサイト(URL:https://royalcanin.jp/csr/typtv/campaign2021)の応募フォームからお申込みください
応募期間 : 10月1日(金)から11月30日(火)
応募条件 : 犬または猫を飼育していて応募規約に同意いただけること        
※当選者は2ヶ月以内を目安にペットの健康診断受診をお願いします
賞品 : クオカード3,000円分
当選者 : 抽選で1,000名様

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[PR]提供:ロイヤルカナン ジャポン