2020年2月20日、竹芝ニューピアホール(東京都港区)にて、水辺に関する新しいチャレンジを披露する「ミズベリングフォーラム2020220」が開催されました。ミズベリング」とは市民・企業・行政が1つになって、水辺の新しい利活用の可能性を創造していく官民一体の協働プロジェクト。今回は、同イベントで特に盛り上がったシーンを厳選し、当日の雰囲気をお伝えします。

  • 総勢250名以上!15時のオープニングから20時の終了まで賑わい続けた会場の様子。

全国各地で水辺を利活用!
2020年はさらなる開発が進む!

イベントは、ミズベリング事務局の岩本氏によるトレンドレポートからスタート。水辺利活用の実績をまとめた冊子「MIZBERING TREND REPORT 2019」が来場者全員に配布され、その中から2019年の傾向として、官民連携による新水辺スポットが多く登場したことが紹介されました。

  • 水辺周辺で巻き起こっているトレンドについて語るミズベリング・プロジェクト事務局 ディレクター 岩本唯史氏

例えば東京都港区の日の出埠頭にある海に面したレストラン「Hi-NODE」。こちらは、東京都港湾局と野村不動産などが連携して開発した施設で、船客待合所やバルコニー、ウッドデッキ、芝生広場などが設えられ、海・風・緑を楽しめる空間となっています。

他にも民間事業者と宮城県名取市が出資した企業によって開発された名取川堤防上(7.2m)に位置する商業施設「かわまちテラス閖上」、民間の力を借りて都市公園を整備する公募設置管理制度(Park-PFI)を活用した岩手県盛岡市の「木伏緑地」など、さまざまな水辺利活用事例が挙げられました。

また、2019年のミズベリングのキーワードとして取り上げられたのが「大阪力」。13年越しで実現した「北浜テラス舟寄せ場」や、水上に浮かぶレストラン「TUGBOAT TAISHO」 など、水辺の利活用において最前線をいく水都大阪の人材育成力や巻き込み力も話題となりました。

世界から見た日本の変化の遅さと、
日本人が気づいていない特徴

「ミズベリングフォーラム2020220」で1番の盛り上がりを見せたのが、元ポートランド開発局局長の山崎氏によって行われたInspire Talkです。人生のほとんどを海外で過ごしてきたという山崎氏は、「世界的に見て日本は変化が遅すぎる」と主張しました。

  • 元ポートランド開発局局長の山崎満広氏

「ITが進化した現代において、『アナログのハンコが必要とされる』『年功序列が残っている』『実行までに何度も協議が重なる』といったことは時代遅れ。このような文化を続けていけば、日本の創造性は廃れてしまう」と山崎氏は警鐘を鳴らします。

その一方で、日本人が気づいていない日本の特徴をいくつかの調査結果と併せて「世界で1番クリエイティブな国」であるとも紹介。世界に認められた日本人のクリエイティビティを守るためにも「挑戦できる環境」を作り上げることが大切だと語りました。

「挑戦できる環境」を実現するには、失敗しても学びがあれば良しとする寛容さと心理的安全性の確保が必要だと話します。同時に働く時間を減らして、家族や友達との時間を増やすことを推奨しました。

多くのゲストが盛り上げた
ミズベリングフォーラム2020

当日は企業や行政の参加者が登壇する「1人10分×7人のイノベーターによるスライド提言プレゼンショー」も実施。

  • スライド提言プレゼンショーに登壇した参加者 (国交省道路局の祢津氏は急遽欠席 となりました)。

まずは、スノーピークの荒巻氏が新潟市内を流れる信濃川の河原を地域の人が集まる場所に変えたエピソードを披露。キャンプや水上コンサート、就活イベント、結婚式を開催するうちに、地域の人たちが集まり、河原は笑顔があふれる憩いの場所に変わっていったと話します。「小さな活動から自発的な活動が生まれていく」とその重要性をアピールしていました。

つづいては、一般財団法人竹芝エリアマネジメントの田中敦典氏と東日本旅客鉄道の花倉伸治氏が、フォーラムの会場になった竹芝の変化に焦点を当て話題を展開。水面が安定した竹芝エリアを「WATERS竹芝」 と命名し、2020年度にさまざまな施設が開業する予定について触れました。

日本の水辺開発に
さらなる注目を!

このほかにも、アイデアセッションや会場展示など、水辺の利活用に関する先進的な事例や展示が用意された「ミズベリングフォーラム2020220」。今後さらなる盛り上がりを見せる日本の水辺開発、ミズベリング活動に注目してみてはいかがでしょうか。


[PR]提供:ミズベリング・プロジェクト事務局