僕は「面白いこと」を探して、勉強しています。出題者も、面白いクイズを出すぞって意気込んでると思うんですよね。だから面白いことを探していれば、クイズにされやすいことと出会えるんですよ。効率の良さで言うと過去問を覚えるのが一番です。さっき言ったようにクイズって面白いことが出題されるんですが、面白いことには限りがある。だからいつの時代も同じ問題が形を変えて出題されるんですよね。全くの新作としては時事なども出題されますが、過去問にはエッセンスが詰まっています。

-なるほど、むやみやたらと覚えていくわけではなく、ポイントを押さえる。受験勉強などにも活かせそうです。実際に暗記する際には、何かコツがあるのでしょうか。

身も蓋もない言い方をしますが、「完璧に覚えるまで、覚える」ことです。完璧というと、覚えたことをしっかり他人に説明できる状態のことです。僕は完璧に記憶するまでは、次に進まないようにしています。「後でまた見られる、と思うと永遠に覚えられない。今こそが覚えるべき時」と自分へプレッシャーをかけて覚えます。

-それくらい集中して覚えるんですね。反対に、一度覚えたものを忘れないためにはどうしたら良いのでしょうか?

命綱を、色々な所に引っ掛けて覚えておくことですね。例えば「毎年発表される『今年の漢字』。二度選ばれたことのある漢字は何でしょう?」というクイズがあったとします(※注)。答えは「金」なのですが、「二度選ばれた漢字は『金』だ」とだけ覚えておくと、思い出せなくなることもあります。でも「金」が選ばれた年が2000年と2012年だったことも一緒に覚えておけば、「両年ともオリンピックイヤーだ。だから、金メダルの『金』だな。」と思い出せますよね。

自分の頭の中で、「今年の漢字」という言葉を、いつも金色の文字でイメージするようにしておくという手もありますね。人間というのは必ず忘れる、ということを念頭において取り組むと良いです。
(※注:取材後、2016年の今年の漢字に「金」が選ばれ、3度めの選出となりました)

本番で力を発揮するために

-「忘れること」を前提にして覚えるべき、というお話は目からウロコです…!少し話は変わりますが、クイズでも受験でも本番で普段通りの力を発揮するのは大変なことだと思います。本番に向けて何か心がけていることはありますか?

二つあって、ひとつは場馴れです。事前にいろんなクイズ大会に出ておくとか、受験だったら模試を受けておくとかですね。もう一つは、危機的状況を想定したイメージトレーニングを重ねておくこと。「大丈夫、きっと上手くいく」と良いイメージを持つのは本番直前でいいんですよ。最悪の状況でも負ける気がしない、みたいなところまで気持ちを持って行くことが重要です。

-暗記するときやイメージトレーニングなど、右脳もかなり使っていらっしゃるんですね。他にクイズ大会当日に気をつけていることがあれば教えてください。

大会当日はこまめに糖分をとるようにしています。クイズ大会の一日は長いので、食事をしっかり食べても途中でエネルギー不足になってしまうんですよね。クイズの合間にチョコレートをひとかけとか、ちょこちょこ糖分を補給しています。