2016年の最初のグランドスラムとなる、全豪オープンテニスが18日に開幕。世界ランク7位の第7シード、日本中が期待する錦織圭選手は順調に勝ち進み、5年連続のベスト16進出を果たしている。

そもそも全豪オープンとは

(C) 錦織 圭、ジョコビッチ、マレー、ナダル、フェデラー、ワウリンカ
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前身となるオーストラレージアン・テニス選手権が、ニュージーランドとの共同開催で初めて開催されたのが1905年。一世紀以上の時間が経過するなかで、1922年に女子選手の参加が認められ、第二次世界大戦による5年間の中断などを経て1969年にオープン化され、いま現在の全豪オープンに至っている。

当初はシドニーやアデレードなどで持ち回り開催されていたが、1972年からメルボルンに定着。1988年からは開催地がいま現在のメルボルン・パークとなり、サーフェスもグラスからハードに変更。季節が真逆の南半球における夏の風物詩として、観客数も飛躍的に増加してきた。

もっとも、40度近くに達する猛暑とシーズン開幕直後という開催時期、欧米諸国からの移動距離の長さや時差などが絡み合い、上位選手の序盤での敗退が決して珍しくない。

注目選手は?

四大大会ではクレーコートの全仏オープンと並び、番狂わせが多い側面ももつ全豪オープンのジンクスに対して、この男だけは例外といっていい。2014年7月から世界ランク1位をキープしているノバク・ジョコビッチ選手(セルビア)。昨年の大会では2年ぶり5度目の優勝を飾り、オープン化以降における最多優勝記録保持者となった。ウィンブルドンと全米オープンも制するなど、年間の通算成績は82勝6敗、勝率は93.2%に達した。

また、帝国を築きつつある王者の陰で、アンディ・マレー選手(イギリス)も最多記録を樹立している。昨年の決勝でジョコビッチに1‐3で屈したが、通算4度目の準優勝も実は大会史上最多となる。世界ランクを2位にまで浮上させた今大会での雪辱を期すが、間近に迫った夫人の第一子の出産と重なった場合は「僕にとって大事なのは子どもと妻だ」と棄権して帰国する意向を表明する優しき一面ももつ。

さらに、34歳にして進化を続けるロジャー・フェデラー選手、2年前の同大会覇者で昨年の全仏オープン決勝でジョコビッチ選手にグランドスラム唯一の黒星をつけたスタン・ワウリンカ選手(ともにスイス)、けがから復調気配を見せていたラファエル・ナダル選手(スペイン)が、現時点における『BIG5』と呼んでも異論はないだろう。

ところが、1回戦では『BIG5』の一角を占めるナダル選手が、同じスペインのフェルナンド・ベルダスコ選手にフルセットの死闘を繰り広げた末に、全豪オープンでは自身初となる初戦敗退。全豪オープンがもつ「番狂わせ」の歴史に、不名誉な1ページを刻んでしまった。

気になる錦織選手の状態は?

そして、彼らに続く世代の旗手となるのが錦織選手だ。四大大会で初めてシードされたのが2012年の全豪オープン。この大会で日本人選手として80年ぶりのベスト8進出を果たし、今大会を含めて、その後もベスト16以上をキープしている全豪は最も相性のいい大会といっていい。

昨年は一時4位にまで世界ランクを上げたが、後半戦で調子を落としてファンを心配させた。その意味でも注目された今年の全豪オープンの初戦では、ノーシード勢では最上位の世界ランクとなるフィリップ・コールシュライバー選手(ドイツ)を危なげなく退けた。粘り強いリターンから、得意のストローク戦に持ち込む好調時の姿が復活していた。

課題だったファーストサービスの成功率も65%に到達。「タフな相手だったが、3セットで終わったよかった」と前を見すえる錦織選手は、2回戦でオースティン・クライチェク選手(アメリカ)、3回戦では初めてセットを失うも第26シードのギジェルモ・ガルシア ロペス選手(スペイン)を撃破。ミロシュ・ラオニッチ選手(カナダ)、マリン・チリッチ選手(クロアチア)らとともに『BIG5』の牙城を破れば、新時代到来への序章が幕を開けるだろう。

女子の注目選手は?

女子は一強時代を築いているセレナ・ウィリアムズ選手(アメリカ)が連覇を達成すれば、シュテフィ・グラフさん(ドイツ)がもつグランドスラム最多優勝記録22回に並ぶ。昨年準優勝のマリア・シャラポワ選手(ロシア)、ウィンブルドン準優勝のガルビネ・ムグルサ選手(スペイン)らがそろって体調に不安を抱えるなかで、ウィリアムズ選手の優位は動きそうにない。

唯一の懸念材料は34歳になった女王のモチベーションか。昨年の全米オープン準決勝でまさかの逆転負けを喫し、年間グランドスラムを阻止された後は目標を見失ったのか。今シーズンの初戦に予定していた男女国別対抗戦ホップマンカップを含めて、ほとんどの試合を欠場している。

女子シングルス決勝は30日、男子は31日のいずれも日本時間午後5時15分からWOWOWで生中継される予定だ。果たして誰が最後に笑うのか。ナダル選手やハレプ選手が見舞われた、大会伝統でもある波乱は起こるのか。今年のテニス界をうらなう激戦は、真夏のメルボルンを舞台にこれからヒートアップしていく。

なお、WOWOWでは「全豪オープンテニス」「全仏オープンテニス」「ウインブルドンテニス」「全米オープンテニス」といったグランドスラムを全大会連日生中継する。是非、錦織選手の活躍をWOWOWで目撃してほしい。

著者:藤江直人
各種スポーツを鋭意取材中のフリーランスのノンフィクションライター。1964年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。スポーツ新聞記者時代は日本リーグ時代からカバーしたサッカーをはじめ、バルセロナ、アトランタの両夏季五輪、米ニューヨーク駐在員としてMLBを中心とするアメリカスポーツを幅広く取材。スポーツ雑誌編集などを経て2007年に独立し、現在に至る。

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