——撮影現場でのハプニングはありました?

田中:はい! 富士見坂での撮影は、このストーリーの中でもすごく重要なシーンでした。「目の表情で演じろ」と言われたんですが……、コバヤシ監督の着ていた銀色のTシャツに光が反射して、まぶしさでなかなか目が開けられなかったんです!

コバヤシ:チェックのために見返したところ、田中さんの目がウルウルしていて「すごい演技だな、この子はやるなぁ」と思っていたんですが、実はまぶしかったせいだという(笑)。

夏目:私のお話には、出演者の1人が大量の水をかぶるシーンがあったんですけど、実際にかけてみたら数滴しか出てこなかったことが(笑)。

藤井:私の現場では急に雨が降り出したことがあって、撮影を中断しなければならず大変でした。でも雨が上がったらいい感じの夕日が現れて。ラストカットだったので、すごくキレイな画になりました。

——この映画は、いろんな視点から楽しめる作品になっていそうですね。

夏目:歩は高校生ながらも大人っぽい考え方をしていて、独特の雰囲気があるんです。その歩ちゃんの雰囲気に入り込むのは、結構大変で……。「どんな子でも悩みはあるよ。そして、その悩みと向き合うことは、すごく大切だよ」というメッセージがこの映画には込められていると思うので、ぜひそこに注目してもらいたいです。

田中:私の歩は、撮ることにあまり満足していなくて、すごく悩むんです。悩んで、悩んで……、結果的に写真がどうなるか、というストーリー。台本を読んでびっくりしたんですが、私が出演した作品って、1分の間に起こった物語なんです。それが細かく描かれていて、「あ、深いな」と思いました。改めて私も「写真って何だろう」と考えさせられましたし、この映画を見て写真を好きになる人も多いと思います。

藤井:監督からナチュラルな演技を求められていたので、とてもやりやすい現場でした。リアルな女子高生像を見ていただけると思うし、他の2作品とはまた違ったコメディチックな一面もあるお話になっています。そしてやっぱり、写真を好きな人が見たら、より好きになる映画だと思いますね。

コバヤシ:普段の僕はカメラマンとして仕事をしていて、みんなにもっと写真を愛してもらいたいな、と思っています。でも今は、日々シャッターは切るけれど、現像もプリントもしない人が多い。「みんな、どれだけ写真が好きなんだろう」という気持ちを映画にしました。震災の時に、流された写真が出てきて喜んでいた人は、本当に多くて……。僕は震災の後にボランティアで、ある学校の全生徒の記念写真を撮ったんです。その時に「プリント写真は、世の中の人々から必要とされているな」と実感しました。なくなっちゃったら、たくさんの人が残念に思うはず。そんな想いを、作品に込めています。

桐木:各監督が、どういう想いでこの作品を受け取ったかが、すごく伝わってくると思います。手塚監督は高校時代に写真部だったそうで、当時の過去を思い出してトレースしている。コバヤシ監督は現在もカメラマンとして活躍しているだけあって、写真への愛を投影して膨らませている。そして寺内監督はカメラに詳しくないし、「歩という少女もよくわからない。こんな子、いるの?」と言っていたんですよ。その目線で、客観的に物語を作り上げています。この3作品を1つのスクリーンで見ることを、僕自身もとても楽しみにしているんです。

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お話を伺ったみなさん

夏目あおい (なつめ・あおい) 1996年11月10日生まれ。東京都出身。A型。アイドルユニット『GO!GO!ぱわふる学園』に参加。『Rの法則』(NHK)第二期R’sメンバー。

田中美麗 (たなか・みれい) 1996年10月14日生まれ。埼玉県出身。B型。アイドルグループ『SUPER☆GiRLS』メンバー。『SUPER☆GiRLS生誕3周年記念SP アイドルストリートカーニバル 日本武道館~超絶少女たちの挑戦2013~』 Blu-ray+DVDとDVDが11月6日発売。

藤井武美 (ふじい・たけみ) 1994年12月5日生まれ。東京都出身。O型。映画『Another』『桐島、部活やめるってよ』『悪の教典』などに出演。

コバヤシモトユキ 小林幹幸(こばやし・もとゆき) 1963年10月15日生まれ。A型。2004年よりライフワークとして『スクールガールプロジェクト』の撮影を始め、計5冊の写真集を出版。広告、雑誌、ファッションカタログ、テレビCMなど幅広く活動する他、作家活動も行っている。

桐木憲一 (きりき・けんいち) 1976年3月8日生まれ。山口県出身。『東京シャッターガール』を『週刊漫画ゴラク』で連載中。『トキワ荘通り 協働プロジェクト』に参加し、漫画家志望者を育成するワークショップも行っている。

[PR]提供:「東京シャッターガール」製作委員会