――「やゆゆ」というユニットを組むということを聞いたときの感想はいかがでしたか?

下田「まず、『やゆゆ』になったんだというのはオンエアをされてから知ったんですけど(笑)、最初はキャラソンのような感じだと思って、現場に行く前は沙弥っぽい歌い方をけっこう練習していったのですが、『それは捨てて、下田さんで歌ってください』というディレクションをいただきました。オープニングの『ループ』という曲は、相性が良かったのか、ものすごく歌いやすく、みんなの声のバランスなどもとてもピッタリと合っていて、すごく柔らかい雰囲気になったのではないかと思います。『こぴはん』の絵は、イラストレーターのKEIさんが描いてくださっていて、KEIさんのイラストはすごく柔らかい感じがありますが、本当にこのイラストのまんまの感じの世界観が非常によく出た歌になっています。『やゆゆ』というのが、なかなか口に馴染まず、『ややや』とかになってしまうのは、頑張って直します(笑)」

大久保「オープニングを歌うことが決まったとき、下田さんと長谷川さんとの3人で歌うと聞いて、なぜその2人の間に私が? って思いました。私は最初、『こぴはん』という作品の主役というか、象徴というか、イメージキャラクターはこの双子だと思っていたので、お2人が歌うというのは非常に楽しみだったのですが、その中に、私が入ってしまってもいいのかなって。絵柄を見ても、あたかも主人公みたいな顔してど真ん中にいますし(笑)。レコーディング当時、まだほとんど歌を歌ったことがないような状態だったので、2人の足を引っ張ったりしないか、すごく悩んだりもしたのですが、キャラクター寄りというよりは、大久保瑠美として歌うということもあって、いろいろ考えて歌うよりも、歌についてはお2人にまかせて引っ張ってもらおう、お2人の大きな胸をお借りしようという気持ちでレコーディングに挑みました。最初はすごく緊張したのですが、お2人と一緒に歌わせていただく、こんな素敵な機会はなかなかないので、すごく楽しんで歌わせていただきましたし、今ではもっともっと歌いたいなという欲も出てきております」

長谷川「沙遊ちゃんはすごくほんわかした感じの子だというイメージがあったので、力を抜いた感じで、優しい歌い方をするのかなと思って最初は練習していたのですが、『そんなにキャラを意識せず、曲のイメージを優先して、長谷川さんのやりやすい声で、気持ちよく歌ってください』というディレクションをいただいたので、まったく気負うことなく歌うことができました。3人で歌うということもあって、何か安心感があり、1人で歌ったものを聴いたとき、これを3人で重ねたら、きっとまったく違う表情になるんだろうなと思って、すごくワクワクしたのを思い出します。実際に出来上がったものも、3人を重ね合わせるとこんな音になるんだって楽しみながら聴けたので、ぜひこのCDを聴いて、3人のハーモニーを楽しんでいただけたらいいなと思います」

――それではオープニングテーマ「ループ」の感想をお願いします

下田「本当に、ものすごくきれいな曲で、上手く言えないのですが、懐かしいような感じがありつつ、ちょっと未来っぽいところがある。たぶん温故知新的な部分もこの曲のテーマになっていると思うのですが、可愛さもあって、キレイさもあって、古ぼけた感じ、新しい感じ、本当にいろいろなものがまさにループしている感じの曲になっています。歌自体もすごく覚えやすく、実際に『こぴはん』を観てくださったファンの方の中にも、『ループ』を気に入ってくださっている方がたくさんいらっしゃるということで、今回CDが発売できるということで、本当にうれしく思っています。アニメだとすごく尺が短くて、Aメロからではなく、Bメロからスタートしているということもありますので、皆さんにはAメロ、Bメロ、サビといった本当に美しい流れをぜひ実際にCDで楽しんでいただきたいです。あと、2番が終わって、最後の大サビに向かう前の部分などは、歌っていても非常に楽しかったポイントなので、ぜひこのあたりもCDで楽しんで聴いてください」

大久保「オープニング曲ということだったので、最初はもっとすごくダンサブルな感じの曲が来るのかなって思っていたのですが、実際に聴いてみると、けっこうしっとりしていながら、でもテンポが良く、何か不思議な感じの曲でした。最初は、けっこう音程をとるのが難しく、テンポについていけなくて、けっこう焦ったりもしました。私はすごく歌詞を読むタイプなのですが、サビの一番最後の『出会えたこと 出会えた人 胸に紡いで生きていく ずっと』という歌詞が好きで、ここにすごく感情を込めて歌ったのを覚えています。この曲を歌ったときから、ぜひ皆さんにフルサイズで聴いてほしいなって思っていたので、エンディングテーマと一緒になってCDが発売されると聞いてすごくうれしかったです。『こぴはん』はけっこう未来のお話ですが、『ループ』の歌詞は未来と、あと過去、昔のことも書かれているので、そのあたりを物語と合わせて聴いてほしいなって思います」

長谷川「『ループ』という題名そのものの世界になっていて、変わるけど変わらない、繰り返している感じの曲になっています。作品自体はすごく未来のお話ですが、彼女たちが生きている世界と、今の私たちが過ごしている世界とには、そこまで大きな変化は見られない気がしていて、だからこそ、未来なのにどこか懐かしい感じがする作品なんだと思いますし、この『ループ』という曲はそれにピッタリだと思いながら歌詞を読ませていただきました。歌詞も曲も歌も大好きなんですけど、特にイントロが大好きで、バイオリンの感じや、時計のカチカチという音が歌の直前で入るところなどが、たまらなく好きです。世界観を時計で表していたり、軽やかな感じでバイオリンが入ってきたり……すごくテンションもあがって、楽しい雰囲気で歌い出すことができました」

(次ページへ続く)