動画上にコメントを付けて楽しむことができる「ニコニコ動画(ββ)」の「ニコニコ生放送」に、あのEvery Little Thingのギタリスト、"いっくん"こと伊藤一朗が登場すると聞き、さっそく収録スタジオまで取材に行ってきました!

「ニコニコ生放送」には、これまでにも歌手のGacktやAcid Black Cherryのyasuなどが出演しており、それ自体は珍しいことではないのですが、今回は生放送中に"いっくん"が何やら重大発表を行うとのこと。いったいその発表とは何なのでしょうか……。

さすがは人気アーティスト。開始から大量のコメントが付く

4月21日夜8時、生放送の司会を務めるやまだひさしの軽快なトークで幕を開けたニコニコ生放送。開始直後からニコニコ動画ならではの緩いテンションで会話が進み、話題はすぐに"いっくん"の重大発表へ。

「ソロプロジェクトをやりたいと思っているんですけど、ミニアルバムの中で1曲ぐらいニコ動の中で歌ってもらえる人いないかなーと思って今日は来ました」

……とんでもないことをものすごくあっさりと言い出した"いっくん"。

なんと、夏に発売する予定の"いっくん"ソロアルバムに参加するゲストボーカルを、ニコニコ動画の歌い手の中からオーディションで決定しようと考えているというのです。

MCのやまだひさしも念を押していましたが、動画サイト上でこうした形でボーカルオーディションを行うのはもちろん史上初。でも考えてみれば、今までこういう話がなかったのが不思議なぐらい、ニコニコ動画には数多くの"歌ってみた"動画を才能あるボーカリストたちがアップしているわけで、これもひとつの時代の流れというやつなのかもしれませんね。

そもそも"いっくん"が今回のオーディションを企画したきっかけは、ソロプロジェクトをスタートさせてボーカルを探してみたものの見つからず、それならばと目を付けたのがニコニコ動画だった――とのこと。彼自身、普段は"演奏してみた"や"歌ってみた"などの音楽関連動画を見ているそうですよ。

ここまで読んで目の色を変えた明日のスターがいらっしゃるかもしれませんので、応募要項についてもご説明しておきましょう。

18~30歳の女性限定で、女性声の男も……ゆるめの応募資格

今回の応募期間は、生放送終了直後(つまりもう始まっています)から、2009年5月19日の21:00まで。応募資格は5月1日時点で18~30歳の女性――ということですが、そのへんは割とアバウトらしく、「男性でも……声の高い人系とか、女性っぽい声の人もいいんじゃないですか」と、"いっくん"がいつもののんびりした口調でさらりとハードルを下げてくれましたので、我こそはと思う方は資格のことは考えずにとりあえず応募してみるといいんじゃないでしょうか。ほら、もしかすると今回はダメでも別のレコード会社の目に留まるかもしれませんし……。

そして気になる応募方法ですが、"いっくん"から指定された課題曲、「Dear My Friend」「For the moment」「Fragile」から一つを選択、自分の歌っている姿を撮影しニコニコ動画にアップするだけです(素材はニコニ・コモンズからダウンロード)。

というかこれってニコニコ動画の歌い手の皆さんが普段からやっていることとまったく同じですね。なお、"歌っている姿"とはいっても、顔は映っていなくてもOK、さらには音声だけでもOKとのこと。このへんはニコニコユーザーの心情をよく理解したナイスな配慮です。

ただし、ひとつだけ注意すべきなのは、今回のオーディション専用のタグをつけてロックすること。タグは「ELTいっくんオーディション」ですので、皆さんお間違えないのように(ELTは半角です)。

まさかのオーディション告知に視聴者も大興奮

ニコニコユーザーの"意外性"に期待!

生放送はその後、いつもの緩いトークを経て恒例のアンケートタイムへ。ユーザーの年齢層や男女比など、"いっくん"も気になっていたというニコニコ動画の実情をリアルタイムアンケートで集計しました。

結果は年齢層が、「10代・30%」「20代・55%」「30代・11%」「40代以上・4%」となり、男女比は、"いっくん"が「どっちでもない人がいるかも」と気を利かせて「中間」項目を設けた結果、「男・46%」「女・23%」「中間・31%」……ニコニコユーザー、空気読みすぎです。

さすがにこれはちょっと、ということで再度集計すると「男・67%」「女・33%」となり、何となくニコニコ動画の現状がつかめる結果になったのではないかと思います。

「中間」に投票したくなるよね、やっぱり

また、生放送では引き続きELTのボーカルである持田香織との出会いや"いっくん"自身の過去についてなど、貴重なエピソードが語られました。

「(持田香織とは)デモテープで声だけは知っていたんですが、会ったのはデビューが決まってから。年齢が離れていたし性別も違うので、衝突はなかったですね。同じ年齢性別でロックバンドとかやっていたら殴り合いとかあるんですけど(笑)」

と言いつつも、実は"いっくん"自身、10代の頃にはロックバンドをやっていたとのこと。

「一度は音楽の道をあきらめて、アマチュアで好きなときだけ演奏しようというスタンスでやっていたんです」

そうした"いっくん"自身の苦労した経験が、今回のオーディションで「アマチュアにチャンスを与えたい」という思いにつながったのかもしれませんね。

今回のオーディションでは、「歌のうまい下手というよりは、自分の"ストロングポイント"を持ったシンガーに出会いたいです。他人のために歌える方、サービス精神旺盛な方の応募を待っています」と語った"いっくん"。

また生放送後のインタビューでは「ネットユーザーならではの弾けたパワーや、変化球的なものを期待しています」ということだったので、あまりガチガチにならず、ネタに走ってみたり、何か驚くような動画を付けてみたりと、ニコニコユーザーならではの意外性を前面に押し出してインパクトで勝負するのもまた面白いと思います。

ニコニコ動画の歌い手の皆さんは、このまたとないチャンスをぜひものにしてみてはいかがでしょうか。

ELTとしての活動も休むわけではなく、「年内にCDを出したい」とのこと