「カナダで収容所のシーンを撮ったとき、シャトーのような場所に泊まったんですが、僕と共演者5人が深夜ワインを飲みながら怖い話をしてたんです。そしたらテラスの方から『チチチチ……』っていう音がして、それを聞いた僕ら5人ともガバッて立ち上がって全員でハグ(笑)。で、テラスを見たらスプリンクラーだったんです。30を超えたオッサンオバサンがくっついている姿に、自分でおかしいなって思いました(笑)」

この話を聞いた木村佳乃から「私たち女性の方が落ち着いていましたね(笑)」と切り返された伊勢谷は、苦笑しながら「映画を見ていただくとわかるんですが、完全に女性の方が強いですよね。本当に不甲斐なくてごめんなさい!」と会場を爆笑させていました。

もはや製作チームのムードメーカー! まさにクールビューティー!

ここから話題は真面目な方向へ。

『ブラインドネス』は視力を失っていく人間をテーマにした物語であり、今回は音声ガイド付きバリアフリーでの上映となったのですが、視力を失う役を初めて演じたという木村は撮影の前に東京都視覚障害者生活支援センターに通っていたと話します。

同センターに御礼の言葉を述べた後、木村は「この映画でメイレレスは“人間”を描いていると思います。最悪な事態になったとき人間は何をするか……今はこうして私がしゃべって、皆さんが聞いてくださっていますが、そこにピストルを持った人が現れたら私もヒールを脱ぎ捨てて逃げ出すかもしれません。そういった人間の怖さ、深さを描いている映画です」と話し、「この役を演じて一番感じたのは、日々の生活で見えているのに見てないことが本当に多いんだなということです」と今回の撮影を振り返って答えました。

撮影を通して様々なことを感じたという木村佳乃。本編でも彼女の演技に注目したい

二人の演技を間近で見ていたという酒井プロデューサーは、「夫婦のシーンは日本語、それ以外は英語だったんですが、もっと違和感が出るかと思ったらぜんぜんそんなことはなくてびっくりしました。二人は自分からどんどん意見を言ったり脚本を書いたりしていて、それを見てこういう作り方があるんだなと私も勉強になりました」と絶賛。

最後に伊勢谷が「これからの未来に向けての作品だと思います。僕ら見えている人間から見えていない部分を、ぜひ見ていただけたら」と述べ、木村は「東京都視覚障害者生活支援センターの方も『ブラインドネス』を読まれていたので、この映画をどう感じられたかお話を伺いたいですね」と話しました。

ヒット祈念のスリーショット!

『ブラインドネス』は11月22日(土)から丸の内プラゼール他全国でロードショー中です。