いよいよ北京オリンピックが迫ってきた。オリンピック期間中は、日本中がテレビに釘付けになるに違いない。北京オリンピックでは全世界に配信される国際映像のすべてがフルハイビジョン映像で送られる。もちろん、これまでのオリンピックでも、ハイビジョンでの配信はあったが、一部でしかなかった。ハイビジョンで楽しめれば感動はさらに深いものになるだろう。この機会にハイビジョンテレビやブルーレイディスクレコーダーを買おうという人は、家電量販店で電子マネーを利用してポイントをゲットするチャンスだ。

もしテレビを買う予定がない人でも、オリンピック期間中、食事の支度も忘れてテレビに釘付けになり、自宅近くのコンビニで弁当やおにぎり、サンドイッチなどの世話になることも増えることもあるのではないだろうか。

自分のお気に入りの店の電子マネーの特典がどうなっているか、チェックしておいて損はない。そこで今回は、電子マネーについて簡単におさらいし、よりお得な活用方法について説明しよう。是非、この機会にコンビニでも電子マネーを上手に活用して、おトクにオリンピックを楽しんでほしい。

カードvs.おサイフケータイあなたはどっち?

電子マネーにはいろいろな分け方があるが、形で大きく分けるとカード型とおサイフケータイの2つに分類することができる。カード型はプラスチックの樹脂にICチップをサンドイッチのようにはさみ込んだタイプ、おサイフケータイは携帯電話にICチップを搭載したタイプだ。カード型にはクレジットカードと一体になったものや、銀行のキャッシュカードと一体になったもの、あるいはクレジットカード、キャッシュカード、電子マネーの3つの機能が1枚になったものなどがある。

おサイフケータイはいつも持ち歩いている携帯電話がそのまま電子マネーになるのでたいへん便利。おまけに行きつけのドラッグストアや家電量販店などのポイントカード機能もプラスできるのもメリット。一つの携帯電話に複数の電子マネーやポイントカードを設定することができ、財布に何枚ものカードを持ち歩くわずらわしさからも、解放される。

支払いは前払い式と後払い式の2タイプ

電子マネーはまた支払い方式によって前払い(プリペイド)型と、後払い(ポストペイ)型に分類することもできる。前払い型はあらかじめ現金をチャージする必要がある。電子マネーによっては提携クレジットカードからチャージすることもできる。表は前払い方式のおもな電子マネーの普及状況だが、どの電子マネーも前年比で大きく発行枚数をのばしている。

後払い型のおもな電子マネーにはQUICPay、iD、VISAタッチなどがある。QUICPayはクレジットカード会社のJCBが提供、iDはNTTドコモ、VISAタッチは、クレジットカードの国際ブランド、VISAが提供している。後払い型はチャージする必要がなく、しくみはクレジットカードに似ているが、レジにかざすだけで瞬時に支払いが終わることと、小額でもポイントがつくなど電子マネーの特長を備えている。

ちなみにおもなコンビニでは下記のように複数の電子マネーが使える。

  • セブンイレブン⇒nanaco、QUICPay
  • ローソン⇒Edy、iD、QUICPay
  • ファミリーマート⇒Edy、Suica(首都圏と宮城県の店舗)、iD
  • サークルKサンクス⇒Edy、iD、QUICPay、VISAタッチ
  • ミニストップ⇒WAON、Edy、Suica(東北、関東、東海の店舗)
  • am/pm⇒Edy、iD

電子マネーでマイルやポイントをゲット

電子マネーであれば小額の買い物でもマイルやポイントがつく、おトクな特典も見逃せない。たとえば、Edyには航空会社のANAのマイレージプログラムの会員カードと一体となった「Edy機能付きANAマイレージクラブ」カードがあり、Edyを使って買い物をすると200円ごとに1マイルが付与される。コンビニのam/pmでは08年5月1日から「Edyマイルプラス」のサービスを開始、通常の2倍、200円のお買い物で2マイルを付けてANAマイルを貯めている人に大人気となっている。

Edyはコンビニのほか、飲食店やガソリンスタンド、カラオケ店、マッサージチェーンなど、数多くの店で利用できるが、店によっては「Edyスマイルクーポン」を提供している。事前にパソコンや携帯電話でクーポンを入手し、店を利用すると、代金の一部がEdyで還元されるというもの。

nanacoはセブンイレブンやイトーヨーカドーなどグループの店舗で使える電子マネーだが、100円で1ポイントが付与される(除外品あり)。キャンペーン期間中やキャンペーン商品にはボーナスポイントが加算されることもある。貯まったポイントは1ポイント1円で電子マネーに還元される(1%の交換手数料がかかる。小数点以下切り上げ)。

イオングループのWAONは200円につき1WAONポイントがつき、100WAONポイントごとに100円分のWAONに交換できる(交換手数料なし)。ポイントといえば、ビックカメラなど家電量販店のポイントカードが還元率が高いことで知られている。ビックカメラでは店頭でSuica、iDが使えるが、「ビックカメラSuicaカード」もオススメ。JR東日本のビューカードとSuica、ビックカメラのポイントカードが一つになったカードで、ビューカードからSuicaにチャージするとビューポイントがつき、さらにSuicaで支払うとビックポイント(現金と同じポイント)、ビックカメラ以外の買い物でも1%のビックポイントがつく。ヨドバシカメラはSuica、Edy、iDで支払いが可能だ。

丸田潔(マルタキヨシ)

1952年東京都生まれ。76年早稲田大学文学部卒業。編集プロダクション勤務を経て90年フリーに。マネーライターとして生活情報誌、主婦向け雑誌、マネー誌などで活躍中。金融商品や保険に関する記事のほか、家計や節約の実例記事を数多く手がけ、今までに取材した貯蓄・節約体験の実例は1,000例を超える。近著に『お金がたまる人たまらない人ーなぜあの人はお金がたまるのか』(主婦の友社)