交通機関や流通大手の相次ぐICカード型電子決済サービスの参入により、電子マネーは一気に身近なものになりつつある。その先鞭を付けたのがビットワレット社が運営する電子マネー「Edy(エディ)」だ。「Edy」は2001年11月にスタート。先月には累積発行枚数が3,000万枚を突破し、Edy機能搭載の携帯電話(おサイフケータイ)台数は、今月中にも600万台を突破する見込みだという。そこで今回は、同社のマーケティング本部マーケティング部統括部長兼ソリューション営業部統括部長の渋谷友邦氏に、今後のEdyの展開や6月1日から開始した新サービスの内容について伺った。
――マイボイスコムが実施した非接触IC型電子マネーに関する調査によると、最も所有されている電子マネーは「Edy」(30.9%)、さらに「認知している」との回答が寄せられた電子マネーはやはり「Edy」がトップという結果になりました。これについてどう考えていますか?
「Edyの特徴は使える場所が多い、そして20~40代の男性が利用する加盟店が多いところでしょう。たとえばEdyを1枚持っていればタクシーに乗車し、コーヒーを飲み、リラクゼーションにも使える……といった具合です。そして最近はドラッグストアやスーパーマーケットなど、20~30代のOL、主婦の利用しやすい加盟店も増やしています。また、2003年6月から全日空(ANA)のマイルがたまるサービスを提供し、ANAのユーザーからも好評を得ております」
――購入金額や利用回数に応じてEdyが還元される新サービスが6月より始まりましたね。サービス内容について教えてください
「新サービスは『Edy スマイルクーポン』『Edy ハッピー優待』の2種類で6月1日より開始しました。『Edy ハッピー優待』は登録情報に応じて様々な特典が受けられるサービスで、個人情報の登録(住所や氏名など)が必要となります。一方、『Edy スマイルクーポン』は全てのEdyユーザーが対象で、情報を登録する必要がありません。これらは『クーポン制度』と位置づけておりまして、今まで購入金額に応じて一定率を割り引く『定率還元』とは違います」
――クーポン制度と定率還元(ポイント制度)との違いはなんでしょう?
![]() |
「ポイント制度のような100円単位の小額での返金ではなく、月1回の引き落としではありますが『貯金箱』にまとめた金額を一括して受け取れるのが魅力。また、居酒屋で使うと10,000円で2,000円が戻ってくるという返金率の高さがユーザーの方にも好評です。加盟店にはクーポン制の条件を変えることで、リピート率を上げたいとか1回の支払い単価を上げたいなど、店ごとの目標設定が行いやすい点が特徴となっています」
――新サービスへの反応はどうですか?
「ユーザーからも加盟店からも、いい反応をいただいております。前月比、前年同月比で比べても取扱高や利用単価が向上しています」
――次の戦略について教えていただけますか?
「次の戦略についてはこうご期待といったところですね(笑)。ただ、夏から新サービスのマーケティングプロモーション活動を行い、周知に努めていく予定です。居酒屋やタクシーなど全国5,000カ所で利用でき、2008年3月末までには10,000カ所の導入を目指します」
――ありがとうございました。