Z世代のお金の悩みに、節約アドバイザーの丸山晴美さんが答えます。今回は、オンラインサロンなど自己投資に使うお金について教えていただきました。

Q.いくつかオンラインサロンの会員になっていて会費がかさんでいます。将来のための自己投資と思えば安いのかなと思うのですが……。自己投資に使ってもいいのはいくらくらいですか?

SNSなどインターネットを介したコミュニケーションが盛んになり、また、さまざまなコミュニティが存在するようになる中で、最近では「オンラインサロン」という形態が注目されていますね。著名人のオンラインサロンから趣味や資格取得などのスキルアップにもつながるなどその内容もさまざまです。

オンラインサロンは有料かつクローズドで行われるため、他では手に入りにくい情報や発信者やコミュニティでの交流が持てるなど、ある意味特別な気分を味わえるものです。

ご相談者さんはとても向上心の高い方のようですね。若いうちに身銭を切って、勉強やスキル、健康、人間関係、考え方などを身に付けることはよいことだと私も思います。そして興味を持ったことに挑戦したり、情報を集めたりすることは、これからの人生にとって無駄ではないでしょう。

ご自身が考えるオンラインサロンの主な利用方法が「自己投資」ですから、そこでなにかしらのものをつかみとり、自己成長をしているのであれば、それはある意味成功と言えるのではないでしょうか。

貯蓄ができていないならば絞る必要も

ご質問の「自己投資」にかけてもよい金額について考えましょう。手取りの収入から毎月必ず出ていく家賃などの固定費と食費や日用品などの生活費、貯蓄などを引いて残ったお金が自由になるお金であり、自己投資資金になります。

お金の価値観は人それぞれですが、日々お菓子やジュース、外食、お酒、たばこといった消えもの消費で気付かないうちに無駄遣いをしているのであれば、そのお金を自己投資に回した方が、投資効率の良いお金の使い方であるとも考えることができるでしょう。

オンラインサロンの会費が家計を圧迫し、貯蓄ができないのであれば、ある程度数を絞ることをおすすめします。オンラインサロンの料金は月額1,000円〜1万円など幅広くさまざまです。加入数と年間で考えた場合、それだけのパフォーマンスが得られているかも再考しましょう。

サロンの会費が高いか安いかは他人が決めるものではなく、料金を支払うご自身が決めるものです。金額に見合った成長や価値を見出せるのであれば、継続する価値はありそうですが、そうでない場合や、モヤモヤしたり否定的な気分になるのであれば、それは退会のタイミングとも考えることができるでしょう。またオンラインサロンの会費が自己投資という言い訳に使われていないかもしっかりと考えることが大切です。

そしてまた、オンラインサロンだけが自己投資の手段ではありません。資格や技能取得など他にも自己投資の手段はありますし、読書をすることで得られる知識もたくさんあるでしょう。

迷いがあるときは、まずはご自身のこれからなりたい目指すべき理想の自分像を書き出してみることをおすすめします。その理想の自分に近づくためにはどのようなスキルが必要なのかを書き出して、そのスキルを得るための方法も書きましょう。あくまでもオンラインサロンはその選択肢のひとつと考えましょう。

学びや経験はいずれ血となり肉となりますが、それを生かすも殺すも自分次第といったところでしょうか。