子どもを幼稚園に入園させる時、私立公立に関わらず多くの園で入園前面接や入園テストというものが行われている。地域によくあるような普通の園でも、入園面接は行われるという。親子にとって初めてであろう面接やテストでは、一体どのようなことが行われるのだろうか。そこで今回は、幼稚園に通わせているママたちにインタビューを行った。先輩ママたちの体験談とともに、幼稚園の入園面接やテストについて紹介しよう。

  • 幼稚園の入園面接、準備することは?

    幼稚園の入園面接、準備することは?

幼稚園入園までのスケジュール

まずは入園までのスケジュールを把握しておくことが大切だ。園によって日程は様々だが、だいだいの園は同じスケジュールで進められる。人気の園では、願書の受け取りや提出に多くの人が並ぶことも。希望する園の状況や様子について情報収集しておくことが重要となる。

○入園に向けてのスケジュール
6月~9月 見学会や体験入園
9月~10月 説明会や願書配布
10月~11月 願書提出 書類選考や面接・テスト
12月~3月 制服や教材の購入 / 入園説明会

入園テスト・面接で行われること

願書提出や書類選考が済むと、入園テストや面接が行われる。園によって内容は様々だが、よくある内容を紹介しよう。

・親子面接

両親と子ども、または母親と子どもが一緒に受ける面接。口頭での質問がメインで、子どもにはその場で簡単な指差しテストなどが行われることもある。

・親子分離(母子分離)

親と子が完全に見えない状態でそれぞれ面接やテストが行われる。行動観察と保護者面談が同時に行われる場合もある。

・行動観察

子どもだけで自由遊びや課題に取り組む。自由遊びの様子観察のほか、積み木を積む、平均台を渡るなど、指示を聞けるかの確認や身体発達を見る場合もある。

面接で聞かれることとは?

多くの園が親子での面接や保護者との面接を行っている。実際どのようなことを質問されるのだろうか。先輩ママたちに聞いた質問例を紹介するので参考にしてほしい。

○保護者への質問
・入園の志望理由
・家庭の教育方針
・入園後にさせたいこと
・行事への参加度
・宗教の信仰
・通園方法や通園時間
・子どもの性格
・子どもが好きなものや夢中になっていること
・アレルギーや病気の有無
・おむつはとれているか

家庭での教育方針や志望理由は尋ねられることが多く、教育方針を話せるようにしておいたり、願書を見直したりしておくことが望ましい。キリスト系や仏教系の園だと、家庭の宗教を尋ねられることがあるそうだ。また、幼稚園は保護者が参加する行事が多く、どのくらい参加できるかを確認される園もあるとのこと。

○子どもへの質問
・自分の名前
・自分の年齢
・今日は誰と来たか
・園までどうやって来たか
・好きなもの
・好きな食べ物
・好きな動物
・好きな色
・好きな遊び
・イラストを見せて動物や色、形などを質問する

子どもには「お名前を教えてください」「何歳ですか」など、簡単な質問が行われる。その場で絵本やイラストを見て、「この動物は何かな?」「赤い色はどっちかな?」などの問いかけや指差しができるかのテストが行われることもあるという。

入園面接・テストの時の服装

入園面接の当日の服装は指定される園もあるが、服装指定のない園がほとんど。園の特色にもよるが、少しカジュアルな恰好やきれいめな恰好で面接に臨む人が多いという。不安な時は希望する園に通わせている先輩ママに様子を聞いておくと安心だろう。

○父親の恰好
・スーツ
・チノパンにワイシャツ
・チノパンとジャケット
○母親の恰好
・紺色のワンピース
・ブラウスにスカート
・カーディガンとワンピース
・きれいめニットにパンツ

かっちりスーツという雰囲気の園や、カジュアルな雰囲気の園など様々だが、紺色やベージュなどおとなしいカラーでまとめた服装が一般的とのこと。

○女の子の恰好
・ワンピース
・ブラウスとスカート
・カーディガンとワンピース
○男の子の恰好
・ポロシャツと半ズボン
・ベストとズボン
・襟付きの白シャツとカーディガン

男の子は襟付きのシャツやポロシャツ、女の子はブラウスやワンピースなど普段着よりも品のある服装が一般的だという。面接は10月~11月に行われることが多いため、カーディガンやベストなど着せ、体温調整をしやすい恰好にしておくことも大切だろう。

準備しておくこと

入園の面接やテストまで、具体的にどのような準備をしておくとよいのだろうか。先輩ママたちの体験談とともに紹介する。

・家庭の教育方針を決める

「親子面接に両親揃って行ったところ、『お父さんはどう思いますか?』と父親だけに質問をされることがありました。事前に教育方針を話し合っていたので答えられましたが、トイレトレーニングや発達について質問されたら厳しかったと思います」

「転勤で引っ越し、幼稚園の転園を経験しましたが、通わせたどの園でも家庭の教育方針についての質問がありました」

幼稚園にはどの園にも教育理念や教育目標が決めてあり、遊び中心の園、カリキュラムが多い園などそれぞれのカラーがある。自分の子はどのような子に育ってほしいのか、どのような体験をさせたいのかを考えておく必要がある。夫婦で方針を話し合い、意見を共有させておくことで、面接の返答に困る心配も減らせるだろう。

・園を見学する、園の様子を知る

「見学でいくつかの園を回り、プレスクールにも通わせた結果、自分でできる力を伸ばしてくれる園に決めました」

「バザーや運動会に行き、普段の園児の様子や先生の接し方を見ておきました」

幼稚園はわが子が初めて保護者と離れ、集団生活を送る場所となる。毎日通うからこそ、子どもの性格に合うか、通える環境かを見ておくことが大切だろう。園の雰囲気や保育の様子を知らないまま入園すると、合わない部分を感じてのちのストレスになることも。人気の園だからではなく、自分の子どもが楽しく通えるか実際に見学をして考えることをおすすめしたい。また、園バスの停留所まで遠かったり、毎日お弁当作りがあったり、保護者の負担が大きいと通わせるのも大変になってしまう。説明会などで、入園後の生活について知っておくことも重要だろう。

・子どもと面接の練習

「フルネームで答えられるよう練習しておくとよかった」

「子どもに好きな動物や遊びの質問がありました」

知らない大人と話すことは子どもも緊張するもの。慣れていないと黙ってしまうこともあるため、日常の会話から子どもに「好きなお菓子は何ですか?」「これは何という動物かな?」など、問いかけをして答える練習をしておくとよいだろう。名前はフルネームで聞かれることもあるため、きちんと言えるようにこちらも練習しておきたい。

・親子で離れる時間を作る

「親からは見えない部屋で子どもたちは行動観察がありました。名前を聞かれたり、ジャンプをしたりしたと娘から聞きました」

いつも一緒に過ごしている保護者と離れると不安になって泣いてしまう子どもは多いだろう。行動観察や親子分離がある場合は、保護者と離れて過ごす体験をしておきたいところ。児童館や親子教室などで、他の子どもたちと触れ合ったり、大人の指示を聞いたりすることに慣れさせておくこともおすすめしたい。


初めての幼稚園に緊張してしまうの皆同じだろう。先輩ママたちによると、優しい雰囲気で話やすかったり、意外と子どもの方が元気だったりすることもあるとのこと。先生たちはたくさんの子どもたちを見てきてたプロである。気構えすぎず、面接やテストに臨んでほしい。