2026年最初のクールとなる冬ドラマが終盤戦に突入。ここまでを振り返ると、冬ドラマはとにかく不運だったように見える。
最も大きな影響を受けたのがミラノ・コルティナ五輪の開催。中断を余儀なくされた作品もあれば、人気競技の裏番組となって苦戦を強いられたものもあった。さらに五輪と入れ替わるような形でWBCに参加する大谷翔平が帰国。壮行試合の中継で中断させられたほか、大会がはじまるとNetflix独占配信の裏番組となったほか、それ以外でも衆議院選挙の影響を受けた。
冬ドラマは「ゴールデン・プライム帯の8割近くがオリジナル」という力作ぞろいで、序盤の1月はおおむね順調なスタートを切っていただけに、制作サイドにしてみれば悔しさもあるだろう。
そんな難しいクールの中でけっきょく評判がよく、一定の数字を得ているのは『リブート』(TBS系、毎週日曜21:00~)と『再会~Silent Truth~』(テレビ朝日系、毎週火曜21:00~)。この2作は連続性の高い長編ミステリー&サスペンスで本来、大型特番による中断や裏番組となる状況は不利な作風のはずだが、なぜ支持を集められたのか。
両作における4つの共通点とその本質をテレビ解説者の木村隆志が掘り下げていく。
衝撃の第1話と切ない人間模様
まず『リブート』は、主人公・早瀬陸(鈴木亮平、松山ケンイチ)が妻・夏海(山口紗弥加)を殺した罪を着せられたことで「顔を変える=リブート(再起動)」という衝撃の展開でスタート。犯人を見つけ出し、愛する息子と母の元へ戻るために、刑事・儀堂歩(鈴木亮平)になりすまして事件を追い、裏社会に潜入する様子が描かれてきた。
一方の『再会』は、主人公・飛奈淳一(竹内涼真)が初恋の相手・岩本万季子(井上真央)と23年ぶりに再会するが、「彼女は殺人事件の容疑者だった」というこちらも衝撃の展開でスタート。しかも殺人事件に使われたのが、同級生4人で埋めた拳銃であることが判明し、淳一が彼らと自らの過去に向き合っていく姿が描かれている。
1つ目の共通点は、第1話で視聴者に衝撃を与え、強い関心を抱かせて視聴継続につなげたこと。視聴者に「先の展開が読めない」「続きが気になる」と思わせるプロデュースが奏功した。
ともに殺人事件の謎を軸に物語は進んでいったが、それ以上に視聴者を引きつけたのは『リブート』が家族、『再会』が同級生をめぐる因縁。大切な存在だからこそ相手を思う切なさがあふれ、涙がこぼれるシーンも多く視聴者の心を揺さぶっている。
『リブート』は『僕のヤバイ妻』(カンテレ・フジテレビ系)、『モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-』(フジ系)、『マイファミリー』(TBS系)、『ラストマン-全盲の捜査官-』(TBS系)などの脚本を手がけた黒岩勉のオリジナル。
『再会』は横関大の小説を『僕シリーズ』三部作(カンテレ・フジ系)、『フリーター、家を買う。』(フジ系)、『ゆりあ先生の赤い糸』(テレ朝系)などの脚本で知られる橋部敦子の脚色。どちらも長年連ドラシーンをけん引してきた業界屈指の脚本家が手がけたことで視聴者の興味を引き続け、感情移入をうながし、少しのブランクには負けない作品となった。
