ニューヨーク・タイムズ紙「2024年に行くべき52か所」に山口市が掲載され、改めて注目を集めています。山口県といえば風情ある寺院や温泉のほか、日本最大のカルスト台地の秋吉台、美しい海の風景を堪能できる角島、幕末の名士を数多く輩出した「松下村塾」のある萩など、歴史や自然を堪能できる観光地が充実しています。

  • 山口県のライバルといえば

    山口県のライバルはどこ?

この山口県にライバルがいるとすればどの都道府県なのか、マイナビニュース会員を対象にアンケート調査を行いました。その結果をランキングにまとめ、同時に寄せられた「ライバルと思う理由」や「山口県を訪れるのにおすすめの季節」とともにご紹介します。山口県へのご自身のイメージと照らし合わせてみてください。

山口県にライバルの都道府県はあると思う?

まず、山口県にライバルの都道府県があると思うかを聞いたところ、回答は下記のようになりました。

ある…62.5%
ない…37.5%

山口県のライバル県ランキング

山口県のライバルはどの都道府県だと思うか、上の質問で「ある」と答えた方に聞きました。得票率が多かった順にランキングにすると、下記の通りです。

1位 広島県(17.8%)
2位 島根県(12.6%)
3位 福岡県(11.9%)
4位 岡山県(9.5%)
5位 鹿児島県(7.5%)
6位 北海道(3.6%)
6位 鳥取県(3.6%)
8位 青森県(3.2%)
8位 長崎県(3.2%)
10位 福島県(2.8%)

ここからは10位までにランクインした都道府県の概要と、アンケートに寄せられた「ライバルだと思う理由」や「山口県を訪れるのにおすすめの季節」などをご紹介します。

1位 広島県(17.8%)

  • 広島県

    広島県

山口県のライバル県ランキング、1位は「広島県」でした。山口県の東側に隣接し、広島市が中国地方で唯一の政令指定都市という広島県。中国山地が連なり、瀬戸内海に面している点は山口県と共通しています。瀬戸内海の穏やかな湾には、造船産業が盛んな呉市も。山口県岩国とともに、瀬戸内を代表する港町となっています。

広島県には「原爆ドーム」や「厳島神社」など、世界的に有名な観光地があります。広島県尾道と愛媛県今治を結ぶ「しまなみ海道」は、自転車愛好家の聖地。広島風お好み焼きや、牡蠣、もみじまんじゅう、瀬戸内レモンなど、ご当地グルメも充実しています。

ライバルだと思う理由

「山口県のふぐに対して、広島県の牡蠣。どちらも美味しいので」(41歳男性)
「敵対したり毛利氏に支配されたり、歴史的なつながりがあるから」(48歳男性)
「同じ中国地方だけど、広島県にはプロ野球の球団があって山口県にはないから」(47歳男性)
「都会があり、田舎もありという点が似ていると思ったので」(55歳男性)

2位 島根県(12.6%)

  • 島根県

    島根県

2位は「島根県」でした。山口県の東側、日本海に沿って長く伸びる島根県。のどぐろや「松葉ガニ」、岩がきなど、日本海ならではの水産物が揚がり、地の利を生かして干物作りも盛んです。また、宍道湖はヤマトシジミの一大産地で、漁獲量は日本一を誇ります。

島根県は、日本古来の神話の舞台とされてきました。縁結びの神・大国主命(おおくにぬしのみこと)がまつられる「出雲大社」では、旧暦10月に日本各地の神が集まるとされ、島根県では「神在月(かみありづき)」、他県では「神無月(かんなづき)」と呼ばれます。有名な観光地には世界遺産の「石見(いわみ)銀山」もあります。

ライバルだと思う理由

「地理的に近く、同時に観光しやすいので」(44歳男性)
「ほど良く田舎を感じる雰囲気が似ていると思うから」(33歳男性)
「山口県の萩と、島根県の津和野の雰囲気が近いから」(48歳男性)

3位 福岡県(11.9%)

  • 福岡県

    福岡県

3位は「福岡県」でした。山口県とは関門海峡を挟んで、向き合っている福岡県。福岡市と北九州市と政令指定都市が二つある、九州における経済の中心地です。山口県の下関へは関門大橋を車で渡っていけますが、地下トンネルを歩いても約15分、連絡船では約5分という近さ。

福岡県の主な観光地は、世界遺産の「八幡製鐵所」や、学問の神様の「太宰府天満宮」など。また、福岡市の天神、中洲の一帯は昔から続く屋台街です。現在は利用しやすいように整備され、ラーメンやおでんのほかイタリアン、スペインバル、喫茶店などが軒を連ねて多くの人でにぎわっています。

ライバルだと思う理由

「山口県下関のふぐと、福岡県の博多明太子。新幹線の駅でどちらをお土産にしようかいつも迷う」(52歳男性)
「関門海峡の花火大会で張り合っているイメージがあるから」(55歳女性)
「歴史的に対立していたことがあるから」(43歳男性)

4位 岡山県(9.5%)

4位は「岡山県」でした。山口県と同じ中国地方に属する岡山県。雨が少なく日照時間が長い「晴れの国」として、白桃やぶどうなどの果物を多く栽培しています。広く接する瀬戸内海では、牡蠣やのりの養殖も行われています。一方、北部の蒜山(ひるぜん)高原はジャージー牛の一大飼育地です。

山口県下関は九州への玄関口、そして岡山県倉敷は四国交通の拠点として重要な役割を担っています。香川県坂出までを「瀬戸大橋」が結び、物流の要に。橋は夜にライトアップされ、観光名所となっています。岡山県にはほかにも「岡山後楽園」、「岡山城」、「倉敷美観地区」など、人気の観光地があります。

ライバルだと思う理由

「中国地方で広島県が一番で、山口県と岡山県はその二番手争いというイメージ」(47歳男性)

5位 鹿児島県(7.5%)

山口県のライバル県ランキング、5位は「鹿児島県」でした。九州の最南端に位置し、種子島、屋久島、奄美群島など、無人島も合わせると1200以上の島をもつ鹿児島県。桜島、霧島山など活火山の数も多く、霧島温泉や指宿温泉といった全国的に有名な温泉地がそろいます。さつまいも、黒豚、うなぎの名産地でもあります。

鹿児島県が山口県のライバルだと思われる理由は、やはり幕末期の「薩長同盟」にあるでしょう。坂本龍馬らの仲介によって薩摩藩の西郷隆盛と長州藩の木戸孝允の間で結ばれたもので、歴史が大きく動くきっかけになりました。明治維新から150周年となった2018年には、山口市と鹿児島市によって記念行事が行われました。

ライバルだと思う理由

「薩摩藩は西郷や大久保、長州藩は木戸や伊藤など、著名な人物が何人も浮かぶので」(57歳男性)
「明治時代に、薩長の出身者が政府の中核を担っていたから」(44歳男性)
「同盟を組む以前はいがみ合って仲が悪かったので、そのイメージから」(41歳男性)

6位 北海道(3.6%)

6位は「北海道」でした。雄大な自然のなか、ドライブ、温泉、スキー、トレッキングなどが満喫できる北海道。「都道府県魅力度ランキング」では常に1位をキープしていて、山口県のみならず全国の観光地から意識される存在になっています。

北海道といえば、美味しい食材の宝庫であることも大きな魅力。鮭、いくら、かに、うに、ほたてなど海の幸が豊富で、ミルクやバターの一大産地でもあります。そのほかスープカレー、ジンギスカン、ラーメンなどのグルメも充実しています。

6位 鳥取県(3.6%)

6位には「鳥取県」も入りました。山口県と同じく中国地方に属する鳥取県は、面積の広さが全国で41位、人口は47位と全国で一番少ない県です。中国地方のなかで広島県や岡山県の影に隠れがちなところが山口県と似ているとして、ライバルとして選んだという声もありました。

鳥取県の主な観光地といえば、日本最大級で天然記念物の「鳥取砂丘」。海風がつける砂の波形は、圧巻の美しさです。砂丘ではらくだに乗って散歩したり、サンドボードやパラグライダーなどのアクティビティを楽しんだりもできます。鳥取県出身の水木しげる氏や、青山剛昌氏のアニメゆかりの地を巡る観光も人気です。

8位 青森県(3.2%)

8位は「青森県」でした。本州の最北端にある青森県は、本州の端と端という理由で選んだという方も。山口県が関門トンネルで九州とつながっているのに対し、青森県は青函トンネルで北海道とつながっています。その深さや長さは、鉄道トンネルとして世界最大級。

白神山地や十和田湖などの有名な観光地があるほか、三大東北祭りのひとつとされる「青森ねぶた祭」には国内外から多くの観光客が。いかやほたて、大間のまぐろなど海の幸も豊富で、農産物ではりんごやにんにくの名産地となっています。

8位 長崎県(3.2%)

8位には「長崎県」も。無人島も含めると1400以上の島があるともされる長崎県。五島列島など好漁場に恵まれており、いか、とびうお、さばなどが多く水揚げされています。長崎グルメでは長崎ちゃんぽん、皿うどん、カステラ、手延べそうめんなどが定番です。

山口県と長崎県には、歴史的に大きな役割を果たした場所という共通点があります。山口県は高杉晋作など幕末の名士を数多く輩出した地であるのに対し、長崎県には鎖国下において唯一、西欧との貿易が許された出島があった場所。現在は橋や建物などが復元され、観光拠点として人気をみせています。

10位 福島県(2.8%)

10位は「福島県」でした。山口県から離れた東北地方の福島県ですが、幕末の因縁関係からライバルだとする声が多く寄せられました。山口の長州藩が倒幕を掲げていたのに対し、福島の会津藩は幕府を存続させる佐幕派。戊辰戦争では最後まで抵抗し、白虎隊は悲劇の象徴として語り継がれています。

福島県で有名な観光地といえば、磐梯山や猪苗代湖、「スパリゾートハワイアンズ」など。果物栽培が盛んなことから桃、すももなども特産品として人気です。

山口県を訪れるのにおすすめの季節は

次に「山口県を訪れるのにおすすめの季節」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。アンケートに寄せられたコメントもご紹介します。

1位 年間通しておすすめ…30%
2位 春(3月~5月)…25.3%
3位 秋(9月~11月)…21.3%
4位 夏(6月~8月)…12.6%
5位 冬(12月~2月)…10.7%

春(3月~5月)がおすすめの理由

「海に囲まれているので、海の幸が年中楽しめると思うから」(53歳男性)
「大きなお祭りがあるわけでないので、どの季節に行っても魅力がある」(36歳男性)
「関門トンネルを楽しみたいので」(57歳男性)
「秋吉台の春もいいし、夏は海があって、冬は温泉があるから」(50歳男性)
「リゾートというより歴史に触れる県なので、年間通して風情がある」(56歳男性)

夏(6月~8月)がおすすめの理由

「夏の海がきれいでドライブが気持ち良さそうだから」(36歳女性)
「角島大橋は夏が一番きれい。明るい太陽と青い海が本当に美しいと思う」(37歳男性)
「秋吉台に冬に行ったので、次は夏に行ってみたい」(56歳男性)

秋(9月~11月)がおすすめの理由

「秋吉台の秋の風景が本当に美しいから」(48歳男性)
「涼しい季節で、萩など日本海側に行くのにも最適の季節だと思う」(55歳男性)
「錦帯橋の紅葉がきれいなので」(53歳男性)

冬(12月~2月)がおすすめの理由

「下関のふぐでおいしい鍋料理を楽しめるから」(45歳男性)
「魚がとにかく美味しいです。鍋料理、刺し身、みんな美味しい」(58歳女性)

年間通しておすすめの理由

「海に囲まれているので、海の幸が年中楽しめると思う」(53歳男性)
「季節ごとに風景や美味しい食べ物が変わるので」(42歳女性)

山口県のライバル県は、近隣県や歴史的なつながりのある県

山口県のライバル県ランキングをご紹介しました。1位「広島県」、2位「島根県」、3位「福岡県」という結果に。ただし、どの県においても得票率に大きな差はなく、「山口県のライバル」として誰もが抱く県というのはないようです。ご自身のイメージと照らし合わせてみて、いかがでしょうか。

上位には山口県と同じ中国地方や、近隣の九州の県がランクインしました。中国地方第一の都市とされる広島県に続き、海に広く面して自然豊かという山口県に似た特徴がある県が選ばれた様子。なかには鹿児島県や福島県など、過去に同盟関係にあったり敵対していたりしたという歴史的関係から、ライバル関係にあるのではとする声もありました。

ライバル関係といっても火花を散らす存在ではなく、共通点があり切磋琢磨する関係として選んだ方が多いようです。あなたも、ご自身の出身地や今住んでいる場所にライバルがいるとすればどこなのか、考えてみませんか。

調査時期: 2025年5月27日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女合計405人(男性: 306人、女性: 99人)
調査方法: インターネットログイン式アンケート