仕事中にお腹が空いてくると、集中力も続かなくなります。ちょっと休憩と、甘いお菓子、パン、コーヒーなどをいつも食べていると、炭水化物や脂質の摂りすぎになってしまうことも。間食は、食事だけでは摂りきれない栄養を補うものです。上手に選んで、集中力を上げていきましょう。

好きなものを食べると肥満につながることも

お腹が空いたと感じたら、血糖値が下がっている状態です。甘いお菓子類、ケーキなどを食べると、血糖値は急上昇してしまいます。食べたときは、満足してお腹も心も満たされていますが、好きなものをどんどん食べると、摂取するエネルギーが多くなって肥満になってしまうこともあります。

また、甘いものを食べると、血糖値は急上昇しやすくなります。急上昇すると今度は急に低くなるため、すぐお腹が空くという悪循環になってしまいます。

仕事中にお腹が空いたら「ナッツ」がオススメ

ナッツは、脂質が5~7割と多く、血糖値が急上昇しにくいおやつです。ナッツの種類は、アーモンド、くるみなど好きなものを食べてよいのですが、塩分を含まない、無塩タイプを選ぶようにしましょう。

目安は10粒程度です。ナッツは硬く、噛み応えもあるため、満足感を感じやすい食材です。また、脂質も多く含むため、腹持ちもよくなります。仕事をしているとき、周りを気にせず、つまんで食べられます。アーモンドなどのナッツ類は、ビタミンEを含みます。ビタミンEは抗酸化作用があるため、体の健康に役立ちます。

どうしても甘いものが食べたくなったら

ひと口サイズで食べやすいチーズやヨーグルトなどは、たんぱく質が補えます。また、乳製品は、胃に膜をつくるため、どうしても甘いものを食べたいときには、チーズやヨーグルトを先に食べてから、甘いものを食べると、糖の吸収が穏やかになります。

甘いものを選ぶときは、カカオが70%以上含まれる、高カカオのチョコレートを選ぶとよいでしょう。一般的なチョコレートと比べて、糖質が低くなります。また、板チョコレートではなく、ナッツ類が入ったチョコレートを選ぶと、血糖値の急上昇を抑えることができます。ただし、あくまでも少量にとどめ、食べ過ぎないように気をつけましょう。

間食の飲み物は無糖ドリンクで

仕事中は、室内で過ごすことも多いため、空調が効いている職場では喉が乾燥しやすくなっています。水分をこまめに飲んで、喉を潤すと、喉に付着しているウイルスや菌を流すことができるため、風邪予防にもつながります。

冷たい水、お茶は避け、常温や温かいものを選ぶことで、免疫力の低下も防ぐことができます。また、温かい水分をとるとお腹が満たされ、食べたい欲求をいったん落ち着かせることにもつながります。飲み物は無糖ドリンクを選び、ゆっくり時間をかけて飲むようにしましょう。

疲れを感じたら、筋肉を動かす

午後になってくると、疲労もたまってきます。パソコンの前に1日中座りっぱなしのような状態が続くと、筋肉を動かさないため、筋肉の収縮がなくなります。腕の筋肉を動かすことはできますが、大部分の筋肉は、背中や太ももにあります。筋肉には、脂肪燃焼にかかわる酵素がありますが、筋肉が動かないと脂肪を燃焼する酵素が働かなくなり、新陳代謝が悪くなるといわれています。

座ったり、立ったりするという動きを、仕事中にこまめに行うほうがよいのですが、周りが仕事をしている中で自分だけ行うのは、なかなか難しいこともあります。少し休憩をとるときや間食をとる時間を利用してみましょう。立ち上がって室内を歩く、足や背中をストレッチすることで、血流もよくなるのでオススメです。

仕事をしていれば、お腹もすくし、疲れもでてきます。集中力が続かなくなったら、無理せず間食を上手く取り入れて、気分転換をはかり、仕事に取り組みましょう。

筆者プロフィール: 岡田明子

管理栄養士。同志社女子大学管理栄養士専攻卒業後、高齢者施設に勤務し、利用者の食事管理を行う。その後ダイエットサプリメント会社の立ち上げに関わり、自身の13kgのダイエット成功経験をいかして「食べてキレイに痩せる」ダイエットメソッドを確立。独立後は、ヘルスケア関連を中心にレシピ監修や商品開発、講演や執筆活動、テレビなどのメディア出演などを務める。2014年に一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)を設立し、栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康事業のサポートとヘルスケア分野で活躍できる人材育成を行っている。著書に『妊娠できる体は食から 30代からの妊活食』(KADOKAWA/角川マガジンズ)など。