うだるような暑さがほんのちょっと落ち着き、空の青さにもどこか秋の気配が感じられるようになった今日この頃。ついにきた。“まともな夏”がようやくきた。このタイミングでじっとしているなんてもったいない。絶対、どこかへ出かけるべきだ!
……なんてことを考えているうちに、東京モノレールの車窓から見える景色をふと思い出した。運河沿いの倉庫群、広大な公園、飛行機の離着陸で常に慌ただしく映る羽田空港。あの流れていく景色を、自分のペースでじっくりと味わってみたい。そう、自転車で。
ということで、今回は「都会の絶景探し」をテーマに羽田空港周辺エリアをサイクリングしてみた!
電動自転車で絶景探しを決行
思い立ったが吉日。9月上旬、最高気温は31度。お出かけにはめちゃくちゃちょうどいい! 今回、「都会の絶景探し」の相棒として選んだのは、JR大森駅北口から徒歩2分という立地にある「ヤマハ バイクレンタル東京大森」で借りた電動クロスバイク「CROSSCORE Connected」だ。スタイリッシュなデザインがサイクリングへのワクワク感をグイグイと高めてくれる。
スタート地点の大森駅前から、まずは東へ向かい大森海岸方面へ。平日は交通量の多い第一京浜だが、この日は週末だからか、いつもより車やトラックも少なく、道もかなり広いのでめちゃくちゃ走りやすい!
最初の目的地は「大田区立平和の森公園」。環状7号線を挟んで南北に広がる区内最大級の公園だ。緑豊かな木々の中を自転車でゆっくり走ると、束の間、都会の喧騒を忘れさせてくれる。
公園内はサイクリングロードも整備されており、快適そのもの。今回の相棒「CROSSCORE Connected」は、路面の凹凸を吸収してくれるフロントサスペンションが効いており、非常に滑らかな乗り心地。これなら長距離も全く苦にならなさそうだ。
東京にオアシス出現
平和の森公園を抜け、次に向かったのはすぐ隣にある「大森ふるさとの浜辺公園」。白い砂浜が広がる、東京23区内で唯一の区立海浜公園とされており、実際、白い砂浜が広がっている。
遊泳は禁止されているが、波打ち際で水と戯れる子どもたちの姿は、まるでどこかのリゾート地に来たかのような錯覚を覚えさせる。まさか東京23区にこんな場所があったとは……早くも絶景探しの手応えを感じずにはいられない。
ふるさとの浜辺公園を後にし、京浜運河にかかる橋を渡って昭和島へ。このあたりは道が広く、トラックなど大型車は多いものの休日は交通量が少なく、サイクリングには最適だ。
昭和島と京浜島を結ぶ「京和橋」の上で、思わずペダルを止めた。もしかして、あれは……。
間違いない、羽田空港だ。あんなにANAの飛行機が停まっている場所、どう考えても羽田しかないからな。モノレールや飛行機からしか見たことのなかった景色が、今、目の前にある。
っていうか、あれっ……これもしかして、このまま自転車で羽田空港まで行けるのでは? そんな冒険心が湧き上がってきた。モノレールなら昭和島駅から羽田空港まで10分少々の距離だ。地図アプリで確認すると、空港のすぐそばまではでも自転車で普通に行けそうだ。よし、行けるところまで行ってみるか。
大迫力の絶景へ
京浜島に入り、空港をより間近に感じるために「京浜島緑道公園(京浜島つばさ公園)」へと向かう。
公園に着くと、目の前の運河の対岸に羽田空港の滑走路が広がっていた。離陸する飛行機の巨体と轟音が、すぐそこに感じられる。こっ、これはスゴい……! 羽田ならではの絶景である。
せっかくだから飛行機が離着陸する瞬間を、もっとダイナミックに収めたい。そう意気込んでカメラを構えるものの、これがなかなか難しい。いつ、どの滑走路から飛行機が離陸するのか見当がつかず、チャンスを待っている間に飛び立ってしまう。かろうじて撮れても、普通に遠い……。
もどかしい気持ちを抱えながら、さらに南下して東海ふ頭公園を経由し、城南島海浜公園を目指すことに。あとで知ったのだが、ここは羽田空港の滑走路の延長線上に位置し、着陸する飛行機を間近で見られる絶好の撮影スポットとして知られているという。
公園に到着し、海沿いの「つばさ浜」へ。すると、先ほどまでの苦労が嘘のように、次から次へと飛行機が頭上をかすめるように通過していくではないか……! ゴォォォという凄まじいエンジン音と、手を伸ばせば届きそうなほどの距離感。その迫力は想像を絶するものだった。これこれ、これが見たかったんだよ!
つばさ浜はやはり東京というより湘南のようなリゾート感を醸しており、違うのは遠くに羽田空港や工業地帯が臨めるという点。そして……
頭上を飛行機がガンガン通過していくという点である。
念願の飛行機の激写にも余裕で成功! まさに、今回のサイクリングのクライマックスにふさわしい景色だ。城南島海浜公園は、航空ファンでなくとも一度は訪れるべき場所だと断言できる。キャンプ場やドッグランもあったし、ここはまた別の機会に訪れたい!
自転車だから見つけられた景色
大森駅前から始まった今回のサイクリング。都会のオアシス、リゾートのようなビーチ、そして大迫力の飛行機。モノレールの車窓から眺めるだけでは決して味わえない、発見と感動に満ちた「都会の絶景探し」となった。
大田区の臨海部は、道が広く走りやすいだけでなく、公園や緑道が整備されており、サイクリストにとって最高の環境が整っているようだ。そして今回は電動クロスバイクを借りたので、アップダウンのある橋や長距離の移動も全く疲れを感じることなく、心ゆくまで絶景探しに没頭できた。
いつも見慣れた景色も、自転車という視点に変えるだけで、全く新しい世界を見せてくれる。みなさんもぜひ、次の週末は最高の相棒と一緒に絶景探しの旅に出かけてみてはいかがだろう? 壮大なパノラマは、意外と身近に隠れてるかもしれませんぞ!




















