「旨くて、安いラーメンが食べたい」。1杯1,000円を超える高級ラーメンも多いが、手軽で・旨くて・さらに安くラーメンが食べられるのなら最高だ。全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター・井手隊長が、旨くて安いアンダー700円のラーメンを紹介する。

今回は、福井県福井市の「中華そば まるせい」だ。

  • 福井県福井市の「中華そば まるせい」


10月に福井県を訪れた。福井にはいわゆるご当地ラーメン的なものは特になく、あまりラーメンのイメージが強い県ではないかもしれない。北陸の中でも新潟や石川に比べるとラーメン店の数も多くない。しかし、それでも隠れた名店や老舗は存在する。

今回は福井の住宅街の中に潜む大人気店をご紹介する。

その名も「中華そば まるせい」。 街中を抜け、住宅街の中を入ると、車がパンパンに停まった駐車場が見えてくる。駐車場待ちの車もチラホラ。これは凄い。

ノスタルジック感溢れる暖簾をくぐると、さらにノスタルジックな店内。テーブル席にお座敷席もあって、ファミリーからサラリーマンまでたくさんのお客さんが中華そばをかきこんでいる。中華そばのほか、やきめしやからあげも良く出ている。

「中華そば」は680円。具はチャーシュー、メンマ、ネギ。麺は中ストレート。

スープは鶏ガラ主体でじわっと沁みてくる旨さ。いわゆるオールドスタイルだが、ダシ感が強くて本当に美味しい。 ネギのシャキシャキ感とメンマのコリコリ感が食感のアクセント。チャーシューは分厚く、ずっしりとした肉感。

全く派手さはないのだが、シンプルながらパーツのそれぞれが完璧なバランスで、これぞ横綱的な一杯になっている。 何度食べても飽きない、これは流行るのがわかる名店だ。

福井の人に聞くと、お店によって「ラーメン」と「中華そば」で呼び名を分けているのが面白かった。ラーメン専門店で出てくるのが「ラーメン」で、町中華的なお店で出てくるのを「中華そば」と呼ぶんだそう。東京では意外とごっちゃに使っている用語なので、福井ならではの分類が面白かった。というわけで「まるせい」は「中華そば」ということになる。

中華そば まるせい
福井県福井市板垣2-142
0776-33-3791