――普段の担当番組でも、収録には立ち会われるのですか?

収録後のVTRチェックで内容は見られるんですけど、僕はわりと行きたいタイプでして。それは「収録でこういうこと言ってたじゃないですか」って編集でカットされてる部分まで把握しといたほうがいいという理由もあるんですけど、どちらかというと三重の田舎もん根性ですね。カットされた使われない部分もちゃんと見たいとか、カメラが止まってるときに芸能人がどういう話をしてるのかを聞きたいな…くらいのミーハー心で行ってます(笑)

――15年を超える業界歴になると思うのですが、いわゆるミーハー心をずっと持ち続けられるのはすごいですよね。

業界に染まってないからじゃないですかね。演者さんの知り合いも全然いないし、芸能人と飯食うとかもちろんないですし、全然華やかな生活してないから(笑)

――そこで一定の距離を保つことで、一般視聴者目線を持ち続けることも大事ですよね。

視聴率のことを考えたら視聴者目線じゃなきゃ数字はとれないですし、「視聴者はそんなにバカじゃないよ」とか「こんなことには興味ないよ」という感覚を、なるべくフラットな目でもっておくようにはしていますね。

  • 有吉弘行

――そうした中で、これまで見てきたタレントさんで特に印象に残る方を挙げるとどなたになりますか?

初めて作家で入れていただいた『アイドルの穴』のMCがちょうど再ブレークする直前ぐらいの有吉さんだったんです。深夜1時台の番組なのに毎週ロケで、月曜日に撮ってその週の土曜日に出すっていうハードな番組だったんですけど、有吉さんは10~20人のほぼテレビに出たことのない女の子たちを、的確なツッコミといじりでめちゃめちゃ面白くしてくれるんです。

有吉さんじゃなかったら成立してない番組だったので、「この人すごいなあ」と思ってたら、気づいたら『紅白』もやる国民的司会者に。それを毎週、間近で見られてたのって、今となってはいくらお金を積んでも体験できない、めちゃくちゃ贅沢なことだったなと思ってます。

  • 『クイズ!脳ベルSHOW』(BSフジ、毎週月曜22:00~)
    「ひらめき力・記憶力・瞬発力」の3ジャンルが出題されるクイズ番組。3月31日の放送は青木美保(58)、一龍斎春水(72)、小倉蒼蛙(73)、佐藤弘道(56)が出演する。
    (C)BS FUJI

“バケモノ”だと思った『脳ベルSHOW』岡田圭右

あとは『クイズ!脳ベルSHOW』(BSフジ)の岡田(圭右)さんもすごいなと思います。何年ぶりのテレビ出演みたいな大ベテランの方が自由に振る舞ってハチャメチャになることが多いのに、見事に全部回して。今は週1ですけど、一時期は月~金の帯でやってたので、毎週1日5本撮りだったんですよ。そんな中で5本目の疲れているときもちゃんと面白くして、収拾つかない現場をちゃんと進行して、あれは“バケモノ”だと思いましたね。

――帯に加え、地上波の早朝帯にも放送されている時期がありましたよね。

地上波で放送されている時は、いろんな芸人さんがいろんな番組でイジってくださってうれしかったです。最近だとSnow Manの目黒蓮くんが、一番出たい番組は『脳ベルSHOW』だと言ってたんですよ。もちろん半分冗談だと思うんですけど(笑)

――『それSnow Manにやらせて下さい』(TBS)もご担当されていますが、彼らのバラエティポテンシャルはどのように感じていますか?

僕が語れる立場じゃないんですけど、ここ1~2年の進化がスゴいですよね。ゴールデンに上がるタイミングで番組に呼んでもらって、あくまでも個人的には…なんですけど、当初は「誰がやっても成立する、いわゆるアイドル番組の王道企画」を出してたんですよ。でも気づいたら国民的スターになってて、こちらも「他の人だと成立しないけど、Snow Manがやるから成立する企画」のほうが絶対面白いよな、という脳に自然と変わってて。それって2年の間に、彼らの格も実力もどんどん上がってるからだと思うので。その進化を末席ながら見させていただけるのは幸せなことです。