――今後こういう仕事をやってみたいというものはありますか?
ありがたい話で、いろいろと呼んでいただくことが多いんですけど、最近はそこでちょっと思うところもあって。去年、黒木さんとSDGsで音楽番組が作れないかという話をして、上白石萌音さんのMCで『未来はぼくらの歌の中』というのを作ったんです。森山直太朗さん、ハナレグミ、アイナ・ジ・エンドさんなど色々なアーティストが子供たちに届けたい歌を歌ったりとか、ユーミンさんがKing Gnuの常田(大希)さんと対談してくれたり、好きな作家でもある原田マハさんが萌音さんと対談したり。そういうゼロから作る番組ってやっぱり面白いなと思ったんです。自分で何かゼロから新しく立ち上げるというのを、やっていくべきなんだろうなと、漠然と思っています。
――テレビや配信を問わず。
そうですね。『MUSIC FAIR』や『ミュージックステーション』(テレビ朝日)みたいなマスの音楽番組とは違うコアなものをやりたいと思うんですけど、そうなると視聴率がとれるのかという話がある。テレビの音楽番組はなくしちゃいけない文化だし、なくならない文化だと思うんですけど、テレビでやるにはそこの整合性をとっていかないといけないし、やっぱり費用対効果が悪いんですよね。1曲3~4分間のためにかける労力があるので、だからこそいいなと思うんですけど。
――その上で、テレビの役割というのはどのように捉えていますか?
『MUSIC FAIR』でこの前、2900回記念コンサートをやったんですけど、やっぱりアーカイブしていくってすごいなと思ったんです。僕もこの番組に入って初めて見る映像がいっぱいあったんですけど、ジュリー(沢田研二)さんとユーミンさんが「あの日にかえりたい」を歌ってるんですよ。テレビって今を映すものだと思うんですけど、今撮っているものが100年後に伝説になる可能性もあるわけじゃないですか。今しかできないショーやコラボレーションをマスで見れるというのは、やっぱりテレビにしかできないものじゃないかと思います。
■鳥肌が立った明石家さんまの「ええよ!」
――ご自身が影響を受けた番組を挙げるとすると、何ですか?
日テレで昔やっていた、桑田さんが企画したと言われているさんまさん司会の『メリー・クリスマス・ショー』(86・87年)です。最後に歌うユーミンさん作詞で桑田さんが作曲した「Kissin' Christmas」という曲があるんですけど、『さんタク』でさんまさんが木村さんに弾き語ってほしい曲ということで、「Kissin' Santaku」という替え歌にしてやってもらったんですよ。
その時に『メリー・クリスマス・ショー』を取り寄せて見てみたんですけど、衝撃だったのは、桑田さんと清志郎さんが一緒に歌ってたり、吉川晃司さん、BOOWYさん、THE ALFEEさん、マーチン(鈴木雅之)さんとかも出ていて、今で言ったら星野源さん、米津玄師さん、あいみょんさん、野田洋次郎さん、King Gnuさんが一緒に出てるみたいな番組だったんです。わりと個で成立するあの時代だからこそ実現できたというのもあると思うんですけど、やっぱりすごいですよね。
――さんまさんも粋な曲をリクエストされましたね。
そうなんですよ。さんまさんは本当に粋で、去年の夏の『FNS』で総合演出をやらせてもらったんですけど、コロナのこんな時代だからこそ、さんまさんに「笑顔のまんま」を歌ってほしいなと思ったんです。でも、無理だろうなと勝手に諦めながら、『スマスマ』の先輩Dで『ホンマでっか!?TV』をやってる出口(敬生)さんとか事務所の方に相談したら、「声かけるのはタダだから、お願いしてみたら?」と言ってくれて、『ホンマでっか』の収録終わりで楽屋に行ったんです。
いつもの感じで「なんや!」と言われて、「実は夏の『FNS』で総合演出をやらせてもらうことになって、全然断ってもらって構わないですし、バカなフリして言うんですけど、『笑顔のまんま』やりたいので、出ていただけませんか?」と言ったら、「ええよ!」って即答だったんですよ! 本当に断らせる労力すら失礼だと思っていたくらいなので、思わず二度聞きしちゃって。もうカッコよすぎて、鳥肌が立ちましたね。国民から愛される人は、やっぱりすごいなって。
――さんまさんは、それが10年ぶりの『FNS歌謡祭』出演でした。
生放送の提供バックのときから、BEGINさんと一緒に絡んでネタ仕込んでるんですよ(笑)。しかも11時までの番組に大トリで夜遅くに出てもらって、「大トリにしたのは、俺にしゃべらせないためやろ!」って言われました(笑)
――いろいろお話を聞かせていただき、ありがとうございました。最後に、気になっている“テレビ屋”をお伺いしたいのですが…
(名城)ラリータですね。就活のときに出会って、不思議な縁なんですけど、僕は『スマスマ』に入ったら、兄弟番組だった『(笑って)いいとも!』にラリータがいたんです。その後一緒に『スマスマ』でダブルチーフADみたいな感じのときもあったり。昔から仲良いんですけど、(ラリータ氏の妻・ギャル)曽根ちゃんが、僕とラリータがそろうと嫌みたいなんで、最近は年1回くらいしか遊んでないです(笑)


