――今後こういう番組を作っていきたいというものはありますか?
『アメリカズ・ゴット・タレント』ってオーディション番組が好きでずっと見ているんですけど、そういう人の人生を変えるような番組を作ってみたいですよね。いろんなメディアが増えている中で、テレビっぽいじゃないですか。どうせならテレビにしかできないことを突き詰めたいと思うので、「テレビだからできた」とか、そういうものをやりたいです。
――スケール感のある番組ですね。
そうですね。『キングオブコントの会』も『お笑いの日』も、テレビだからできているし、まだまだテレビは影響力の大きいメディアだと思うので、「これは他のメディアではできないよね」と言われるようなものをやっていきたいなと思います。
――そうした中で、YouTubeやサブスクの動画配信サービスが台頭していますが、地上波テレビの役割はどのように考えていますか?
映像制作のプロでありたいなと思います。YouTubeに比べて、地上波はできないことが多いし、少しでも間違った言葉を使っちゃダメだし、決められた尺から1フレ(ーム)もオーバーしちゃいけないし、やらなきゃいけないことを消化しながら毎週新しいことをしなきゃいけないし。いろんな制約の中で何が面白いのかというのを意気に感じて作っていく場なのかなと思います。
YouTubeとはお客さんも違うし、求められている映像の種類も違うので、敵視することもなく、やることはそんなに変える必要もないのかなと思うんですよね。日本人って、結局テレビが好きなんだなと思うんですよ。YouTubeとかTikTokからテレビの切り抜き動画をゼロにするシステムが開発されたら、またいろいろ変わってくるんじゃないかと思いますし。
――制約をハードルと捉えずに楽しむという感じでしょうか。
そうですね。「これもできないのか」って嘆くより、「このやり方だったらできるし、そしたらこれも面白くなるかもしれない」って考えるほうが楽しいですから。YouTubeに対抗するというよりテレビ屋はテレビ屋として、プライドを持って良いものを出すという気概を持ってやっていくということだと思います。
――ご自身が影響を受けた番組を挙げるとすると、何ですか?
『めちゃイケ』(フジテレビ)が大好きでずっと見てて、毎週録画もしてたし、月曜日は友達と話したり、「しりとり侍」をやって友達がケガして怒られたりしました(笑)。大学生のときにどうしてもテレビに映りたくて、男4人で『お台場冒険王』に行きましたから。めちゃイケブースに行ったらスタッフさんが来て、そこで売ってるメニューを食べて「うまーい!」と言ってるのがOAに乗ったときは「映った! 映った!」って喜びましたね(笑)
――いろいろお話を聞かせていただき、ありがとうございました。最後に、気になっている“テレビ屋”をお伺いしたいのですが…
放送作家の竹村武司さんです。今、一番マルチな作家さんじゃないですかね。バラエティから山田孝之さんの作品で脚本書いたり、子供向けのNHK教育の番組からアニメまで、やってる番組が幅広いですし、宿題(=企画出し)に対して出してくる案がめちゃくちゃ面白いんです。シュッとしておしゃれなんですけど、打ち合わせのときに口が悪くて、そこも好きです(笑)