翌日、日曜昼のレギュラー放送は、「オトナの皆さん…ちょっとお時間いいですか?」からスタート。「10代の疑問を街頭インタビューしていく」という企画であり、“超無敵クラス”のメンバーたちが自ら、最近卒業したものを大人たちに尋ねた。
大人たちは最近卒業したものを「財布」「会社員」「右利きの自分」「結婚生活」「太っている自分」「ネットの課金」「劇団四季」「ラーメン」「自分の会社」などとコメント。一方、スタジオではMCの指原莉乃が「人見知り」、濱家は「深酒」を卒業したことを告白した。コメントは街頭もスタジオも自然体であり、無理に笑いを狙いにいかないところが日曜昼の放送にフィットしている。
続いて「オトナの皆さん…昔の自分に言いたいことは?」というテーマでも街頭インタビューしたが、気になったのは「この企画の主役は明らかに大人である」こと。インタビュアーは10代の“超無敵クラス”が務め、スタジオでも彼らのリアクションを拾っていたものの、「この番組ならではの街頭インタビュー」という感は薄かった。
続くコーナーは「放課後は別の顔」で、今回は世界的研究者も注目するボーンコレクター中学生・横井晴輝くんをレポート。さらに、「超無敵 青田買いアーティスト」で、今回は画廊の最高峰から史上最年少オファーを受けた天才11歳・Conocaさんを紹介して番組は終了した。
■民放全体で10代が活躍できる番組を
正直なところ2日間の放送を通して、今後の試金石になるようなところは見つけられなかった。ゴールデンタイムの放送は、3つ中2つのコーナーが視聴率の計算が立つゴールデン仕様に振り切っていて、“超無敵クラス”である必然性は感じづらいまま終了。一方、日曜昼の放送では“超無敵クラス”のコメントが多く、個性も十分に発揮されていた。
それでも“超無敵クラス”のメンバーには、大人のバラエティタレントのようにテンションが高いキャラクターは少なく、不思議系が少しいる程度。例えば「私は超無敵」というイケイケの人はいない。
むしろそのほうが同世代の支持を集められる上に、物怖じせずマイペースに振る舞う能力の高さがうかがえるだけに、焦点は「テレビマンたちがいかに彼らをゴールデンタイムで使っていけるか」。それとも「視聴率を狙う上で物足りないと感じて使わないのか」。できればテレビマンたちが「私は超無敵」というスタンスでイケイケの編成やキャスティングをしてほしいところだ。
『超無敵クラス』やメンバーには、日曜昼の75分番組という特殊な放送枠だけでなく、ゴールデンタイムでの活躍をもっと期待したい。そして日テレだけでなく民放他局も、10代のタレントが活躍できる番組を積極的に手がけるべきだろう。ドラマは10代視聴者を集める努力を進めている反面、バラエティにはその動きが少ないだけに、現状のままでは明るい未来を描きづらい。
■次の“贔屓”は――最終回…5年3カ月の連載を振り返る
今週後半放送の番組からピックアップする次回の“贔屓”は、ではなく最終回のお知らせ。
最終回は、2018年1月のスタートから5年3カ月、267回にわたる連載を総括していく。この間、主にバラエティの何が変わったのか。そして、どんな未来が待っているのか。
また、『週刊テレ贔屓』に代わる新連載の内容にもふれていきたい。