「昭和58年 この人物は誰?」というクイズに一茂が「レーガン」で見事正解して土壇場で同点に追いつき、延長戦に突入。その問題は「昭和35年 この名所はどこ?」で、石原が「伊勢神宮」でカズレーザーを制して『ザワつく!金曜日』の逆転優勝が決まり、賞品の高級弁当と高級イチゴを獲得した。

気になったのは、『ザワつく』の高橋が最後に放った「ちさ子さ~ん!(優勝しました)」というひと言。これは『Qさま』ブロックに高嶋が不在だったからなのだが、序盤で「クイズ番組NG」と言っていた彼女が本当にクライマックスの場にいなかったのは残念だった。“番組対抗戦”を掲げながら、「同じメンバーで戦わず人数もバラバラ」などのアンフェアさを感じさせた感は否めない。

3つの番組をリレーする形式のコラボ特番だけに、スケジュール調整などが難しいのは分かるが、視聴者には関係ない話。これは日本テレビの改編期特番などでもしばしば見られることだが、視聴者は「番組対抗戦で盛り上がってほしいのか」、それとも「お祭りムードを楽しんでほしいのか」、作り手の意図がつかみづらかっただろう。

最後に、25日の『博士ちゃんvs池上彰 サンド愛菜と日本の今を考えるSP』、26日の『テレ朝人気旅全部集まっちゃいましたSP』も含めた3夜連続コラボ全体に言及しておきたい。

「テレ朝人気クイズ」と言いながらクイズ番組ではない『ザワつく!金曜日』を中心に据えたり、「テレ朝人気旅」と言いながら特番の『ザワつく!路線バスで寄り道の旅』や平日朝の『じゅん散歩』を混ぜたりなどの強引なコラボが目立った。

『ザワつく!』というブランドを有効活用するための戦略と思われるが、キャストやクイズの内容も含めて、全体的に中高年層シフトだった感が強い。もちろんそれが決して悪いというわけではないが、「週末ゴールデンの3夜連続コラボ特番というほどの特別感があったか」と言えば疑問が残る。

これは日頃、テレ朝がレギュラー番組を通常放送ではなく、2~3時間特番として放送するケースが多いことの弊害かもしれない。「なぜ改編期でもない2月に3夜連続コラボ特番だったのか」という点を筆頭に、もう少し視聴者にとって分かりやすいメッセージ性が必要だったのではないか。

■次の“贔屓”は――今年のR-1には「夢がある」のか!?『R-1グランプリ2023』

『テレ朝人気クイズに全部出ちゃいますスペシャル』「ザワつく」ブロック (C)テレビ朝日

今週後半放送の番組からピックアップする次回の“贔屓”は、3月4日に放送されるカンテレ・フジテレビ系バラエティ特番『R-1グランプリ2023』(19:00~)。

今年は『M-1グランプリ2022』王者・ウエストランドの「R-1は夢がない」というネタが思わぬ宣伝効果となって例年以上に注目度が高い。決勝進出者も制作サイドも、この“振り”をどのように生かして盛り上げてくれるのか楽しみだ。

放送直前に生放送されて敗者復活者を発表する『このあと7時からR-1! 霜降り明星の今年のファイナリストは正直エグいよSP』(16:30~)、終了直後に生放送されて新王者も出演する『ENGEIグランドスラム』(21:00~)も合わせて、『R-1グランプリ2023』全体を見ていきたい。