デスクワークを主とするビジネスパーソンは、毎日目を酷使する生活を送っていると言っても過言ではない。勤務時間の大半はパソコンとにらめっこしながら業務をこなし、通勤時は電車内でスマートフォンでアプリをいじったりニュースを読んだりする。帰宅後も、就寝直前までテレビやスマホを見ている人もいることだろう。

このような生活サイクルでは目が休まる時間がないため、眼精疲労や疲れ目といった症状に陥ってしまう公算が大きくなる。「たかが疲れ目」と思う人もいるかもしれないが、恒常的な目の酷使は目以外にもさまざまな症状を及ぼす可能性もある。

今回は、デスクワーカーの職業病とも言える眼精疲労について、あまきクリニック院長の味木幸医師にうかがった。

  • デスクワーカーが陥りやすい眼精疲労の原因や症状、対策を医師が解説する

    デスクワーカーが陥りやすい眼精疲労の原因や症状、対策を医師が解説する

重度の眼精疲労の特徴とは

私たちは何かを見る際、目の中にある「水晶体」を調節して対象物にピントを合わせている。この水晶体は言わば、カメラのレンズの役割を果たすイメージだ。

そして、水晶体を調節する組織は毛様体と呼ばれる。長時間のパソコン作業のように近くの物をじっと見ていると、毛様体の筋肉は常に緊張を強いられることになる。その結果として筋肉疲労を起こしてしまい、目が疲れるという仕組みになっている。

疲れ目と眼精疲労を混同している人もいるかもしれないが、実際は別物。疲れ目状態でも、十分な睡眠をとった翌朝にその状態が解消されているようであれば問題はない。この疲れ目状態が慢性的に続くようならば、眼精疲労となる。

「眼精疲労は治療の対象となります。『目の奥の痛みが取れない』『頭痛や吐き気がする』『手がしびれる』『目を開けるとまぶしくて涙があふれ出る』などの症状が確認された場合は、重度の眼精疲労が疑われるので病院を受診しましょう」