中古マンションや中古戸建を購入する時、築年数の浅い物件やリノベーション済みの物件であれば、内装はそのままでも住むことができますが、築年数がある程度経過している物件の場合はリフォーム工事が必要となる場合があります。

インターネット等でリフォーム会社を検索してみると、驚くほど多くのリフォーム会社が検索結果に出てくることに驚かれると思いますが、"悪徳リフォーム会社"に騙されたというような事件がたびたびニュースになるように、あまり良い印象を持っていない方も多いと思います。

信頼できるリフォーム会社はどのようにして探せば良いのでしょうか?

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■大前提として、リフォームの設計や施工は難しい

実は、リフォームの設計や施工は新築よりも難しいといわれています。

新築の場合は、まっさらな土地に一から建物を建てることができますが、リフォームは過去に他社が建てた建物の既存の構造や間取りを残しつつ行いますので、設計や施工に、多くの知識や経験が必要になります。

特に戸建物件のリフォームの場合は耐震補強など、難易度の高い工事をする必要が出てくる場合もあるので、マンションのリフォームよりも設計や施工の難易度は高くなります

だからこそ、しっかりと経験と実績を積んだ、信頼できるリフォーム会社に依頼をする必要があります。

■まずは施工可能エリアの確認を

リフォーム会社によって、施工の対応ができるエリアと対応できないエリアがあります。 まずはリフォームをする物件の所在地が、そのリフォーム会社の施工対象エリアに含まれているかどうかを確認しましょう。

また、リフォーム会社によっては、ご予算が100万円や300万円以下などの小規模なリフォームは対応していただけない場合もありますので、最低予算についても確認すると良いでしょう。

■ホームページでチェックすべきポイント

今はそんなにお金をかけなくても、会社のホームページはカッコよく、おしゃれに作ることができるので、ホームページのデザインだけではその会社が信頼できるかどうかを判断することはできません。

ホームページは良さそうでも、実際にオフィスやショールームに訪問してみたら「全然イメージと違った……」ということもありえます。

その会社を依頼先として検討する際の判断材料として、次の3点は確認することをおすすめします。

1.施工実績

リフォーム会社のホームページでは「施工事例」のページを確認し、大規模なリフォームの実績がどれくらいありそうか、自分の好みのデザインの事例が多くあるかなどを確認しましょう。

2.所属スタッフ

「スタッフ紹介」のページがある場合は、「施工管理」や「工事担当」といった職種の方が社内にいるかどうかも確認しましょう。

施工管理や工事担当の方は、工事が図面や工程通りに進んでいるかどうかを現場でチェックする役割を担います。

リフォーム会社によっては、現場の管理も含めて、工事をすべて外部の工務店に"丸投げ"という会社もありますが、案件が集中すると、普段、あまり依頼をしないような品質の悪い工務店に工事を依頼されてしまって、完成後に施工ミスがたくさん見つかったり、想像していた雰囲気と違った…といった状況に陥るリスクもあります。

3.クチコミ

また、最近はクチコミなども充実しているので、その会社のクチコミの中に、あまり好ましくないクチコミが無いかどうかも確認すると安心です。

■リフォーム会社は規模が大きい方が良い?

リフォーム会社の中には、誰もが名前を知っているような大手のリフォーム会社もありますが、リフォームは規模の大きなリフォーム会社にお任せした方が安心できるのでしょうか?

規模が大きな会社であれば、工事中に会社が倒産してしまうといったリスクは低くなるといったメリットがありますが、従業員数も多いので、担当する設計士や工事担当者の知識や経験にバラつきがある場合があります。

結局は自分の家を担当してくれる設計士や工事担当者個人の知識や経験、センスなどがリフォームの完成度に大きく影響してきますので、規模の小さなリフォーム会社の方が、社長や責任者自らが設計するような会社も多いですし、長年お付き合いのある職人さんたちが工事を担当するので、結果として、完成度の高いリフォームが実現できるかもしれません。

■リフォーム会社に相談するべきタイミングは?

購入する物件が決まっていないと、リフォーム会社に相談してはいけないと思っている方がとても多いですが、それは間違いです。

購入する物件が決まっていなくても、リフォーム会社に相談することは可能です。物件が決まる前の段階でも、気になるリフォーム会社にアポイントを取って、対面で直接お話をしてみると良いでしょう。

リフォーム会社としても、結果的に失注するのであれば、プランや見積もりを作成する前に、依頼いただけるかどうかを判断してもらえた方がダメージが少なくて済むといった側面もあります。

物件が決まる前にリフォーム会社が決まっていると、住宅ローンの審査の時に必要になるリフォームのプランや見積書の手配がスムーズだったり、購入を決定する前に一緒に現地を確認して、大きな問題点が無いかなどを事前に確認したりすることもできます。

■相見積もりは取った方が良い?

リフォームはどうしても大きな不安がつきまとうので、複数のリフォーム会社に "相見積もり" を取りたいという方も多いですが、必ずしも相見積もりを取ることが正解とはいえません。

トイレの交換や壁紙の張り替えなどの小規模なリフォームであれば、リフォーム会社によって完成度に大きな差は出ませんし、少しでも安いリフォーム会社に依頼するためにも相見積もりを取るメリットはあります。

一方で、フルリノベーションのような規模の大きなリフォームの場合は、リフォーム会社の担当者が現地調査(採寸や撮影)を行い、リフォームプランや見積もりの作成に2週間ほどかけて提案を行います。

複数のリフォーム会社に依頼しても、提案の内容は異なるので、単純に見積書に記載されている金額だけで、高いか安いかを判断することはできません。

相見積もりをした方のほとんどが、結局は"担当者さんとの相性"でリフォーム会社を選びますので、できれば、プランや見積もりの提案を受ける前の段階で担当者さんと対面でお打ち合わせをし、相性を見極めて、相性の良いリフォーム会社さんに「単独指名」で依頼するのが理想的です。

依頼するリフォーム会社さんにも「貴社が気に入ったので、相見積もりはせず、貴社だけに依頼します」と伝えれば、担当者さんのモチベーションも上がるはずです。

■まとめ

リフォームやリノベーションは人生で何度も経験することではないので、リフォーム会社選びはとても不安が大きいかと思います。

リフォーム会社選びに失敗し、せっかく気に入って購入したお住まいに気持ちよく暮らすことができなくなってしまったら、それほど不幸なことはありません。

リフォームは工事が完成するまで実物を確認することができないので、そのリフォーム会社が信頼できるかどうかを事前に見極めることが、とても重要になります。

まずは気軽に気になるリフォーム会社さんに積極的にアポイントを取って、対面でお話してみることをオススメします。