今回は港区は虎ノ門に足を運んだ。最寄り駅は東京メトロ日比谷線「神谷町」駅、店はそこから歩いて3~4分のところにある。近くにはご存知、東京タワーや芝公園があり、寺やホテル、もちろんオフィスも密集しているエリアだ。訪問したのは「(有)高本製麺所」。こざっぱりした外観と「製麺所」の屋号は、今風のつけ麺屋のような印象も受けるが、もちろんれっきとした「そば・うどんの立ち食い」の店である。

「豚うま肉そば」(税込450円)

カレーそばや肉そばも魅力的

引き戸を開けて入ると、すぐ右手に券売機。店内は奥に細長く、一部スツールも出ているが基本的にはオールスタンディング式だ。少し薄暗く、12~13人は入るだろうかといったキャパ。

メニューは月見、たぬき、ワカメ、コロッケ、かき揚げなどの定番と、カレーそば、肉そばの目玉商品。変わったところとしては鶏唐揚そばというのもあった。カレー丼やかき揚げ丼のセットメニューもあり。ここは、外にも写真が出ていた「豚うま肉そば」(税込450円)を注文した。

厨房にそばである旨を伝え、お盆に水を置いてしばらく待つ。この時、ちょうど12時頃。その間に次から次へと客が並び、そばができ上がる頃には戸を開けて外まで行列が。店内のボルテージがみるみるうちに上がっていく。そばは2分ほどで完成。

「今日は食べるぞ! 」ならうどん押し

たっぷりと載せられた甘い豚がネギを背負って登場。最高のパートナーだ。肉の脂が、ツユに溶け出してさらに食欲をそそる味わいに。

また、写真ではなかなか伝わりにくいが、並盛でも十分他店の大盛レベルのボリューム。よく見るとメニューには麺量のグラム表記が書かれており、そばは240g、うどんは300g。肉うどんとカレーうどんは大盛で500gにもなるとか。このあたりもつけ麺屋っぽく、どうりで他の店よりうどんを注文する人が多い。それでいてこの価格帯が人気の秘密なのだろう。

「(有)高本製麺所」へは神谷町駅から徒歩3~4分

ガッツリ胃を満たして午後もバリバリ働くぞ! といったポジティブな活力に満ちている店内。元気のない時には、まず食べることから。

筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に都内の銭湯を紹介した『東京銭湯』シリーズを制作している。