今日ご紹介する一店は、「乱切りそば あずみ 池袋東口店」。以前、大崎駅の「あずみ」を取り上げたが、同じ系列の別店舗だ。「あずみ」は他にも北松戸駅や熊谷駅、国際展示場駅にもあるが、「乱切りそば」を冠にしているのは当店のみ。ちなみに「乱切りそば」とは、その文字通りバラバラの太さに切られた麺が特徴で、滑らかな喉越しとさわやかな香りが愉しめるとか(店内表記より)。

  • 「海鮮かき揚そば」(600円)

こぢんまりした無駄のない店内

まずはアクセスから。JR「池袋」駅を東口から出て、駅ビル沿いに左方向、ビックカメラ方面へ進む。間もなく横断歩道があり、その手前に看板を出している小さな店だ。経営は「ジェイアール東日本フードビジネス」、一応ここまでJRの敷地内ということになるらしい。店頭には写真入りのメニュー看板や、タッチパネル式の券売機(もちろん交通系ICカード決済可)が並ぶ。

早速そばを選ぼう。名物「乱切りせいろ」はやはり目立つ。温かいそばは、かけ、わかめ、たぬき、きつね……かき揚げは「海鮮」と「野菜」の2種類があるのはなかなか珍しい。海鮮になるとお値段もなかなかだ。思い切ってこちらにチャレンジ。「海鮮かき揚そば」(600円)をタッチ。

店内は、右手厨房、左手立ち食いカウンター、正面返却口。無駄のない省スペース設計になっている。平日の15時頃、外の人通りは多かったが、店内には相客はいなかった。厨房内の女性スタッフに食券を手渡す。そばしか取り扱いがないようなので、そば・うどんのコールは不要である。脇の給水機で水を汲み、立ち食いカウンターにカバンを下ろす。カウンターは木枠で8等分に区切られているのが面白い。1席は、通常の立ち食いそばカウンターより一回り広めかと思う。そうこう見やっているうちに、そばが出来上がり。

立ち食いのレベルを逸する一杯

メインのかき揚げだが、真上から見ると丼の3分の1くらいの大きさに見えるが、こちらのかき揚げは厚みがすごい。他店の2~3倍ほどのボリュームはあるだろうか。また揚げ置きにも関わらず、サクサクした食感が残っているのが嬉しい。具は、写真だとわかりづらいだろうか、アサリとエビ、つなぎの野菜が入っている。

また、噂に違わぬ、太さがてんでバラバラの麺は見た目も食感も面白い。うどんを捨て、そばに絞っていることもあってか、香りよく歯ざわりも立ち食い界隈のレベルから一歩抜きん出ていると思う。値段に納得、大変満足な一杯だった。

  • JR「池袋」駅に立地する「乱切りそば あずみ 池袋東口店」

食べ終わり出る頃には相客は2人に。「乱切りせいろ」を啜っている人もいた。ざるやせいろの季節が到来まで間もなくだ。冷たい乱切りそばとして再会する日が楽しみである。

筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に銭湯を紹介する同人誌『東京銭湯』『三重銭湯』『尼崎銭湯』などをこれまでに制作。