Facebook、Instagram、Twitterなど、写真を投稿できるSNSは多い。しかし、SNSへの写真公開はトラブルにつながりやすいことをご存知だろうか。今回は、社会人がやりがちなSNSへの写真投稿トラブルと注意点について解説したい。

  • SNSに投稿する写真の注意点とは?

他人の写真は撮影時に掲載許可を

よくありがちなのが、Facebookなどで集合写真を公開してしまうトラブルだ。知人から聞いた話だが、ある仕事がおしていたが、別の仕事の関係で飲み会に参加しなければならなかった。ところが、飲み会写真を勝手にFacebookに投稿されてしまい、仕事先から「うちの仕事が遅れているのになぜ飲み会にいるのか」と叱責を受けてしまったという。

Facebookなどでは、様々な関係者とつながっているものだ。人には様々な立場や事情があるため、前述の例のように、その場にいることを公開されると困る人もいるのだ。SNSに写真を公開したい場合は、撮影時に「写真をSNSで公開してもいいですか?」と許可を得ておこう。許可を得ていない他人の写真は、そもそも掲載すべきではない。

写真自体でも問題が起きることがある。ある女性から、「同僚に、写りが気に入らない写真を勝手にタグ付けした状態で公開されて腹がたった」という話を聞いた。人間関係に影響する可能性もあるので、写真自体を確認してもらっておくなどの配慮も大切だ。

解禁すべきではない情報の扱いに注意

会社には、情報を解禁すべき時というものがある。たとえば商品やサービスなどをリリース前に公開してしまうと、ライバル社に情報を流すことにつながる可能性もある。これまでにも、SNSなどで正式リリース前に情報を漏らしてしまい、問題になった人は少なくない。必ずリリース日を確認し、情報が正式に公開された後で拡散するように心がけたい。 クライアントの写真もSNSで公開すべきではないだろう。業界関係者などから見ると、そもそも両社が一緒にいることで、今後の展開などが読めることもあるからだ。写真だけでなく、「◯◯社にいる」「大阪に出張中」などの情報もSNSでは公開しないようにしよう。

意図的ではなくても、社内で自撮り写真などを撮り、リリース前の情報やパスワードなどが写り込んでいて、SNS経由で広まってしまい問題になった例もある。そもそも社内ではプライベートな撮影は禁止されている会社もある。写真や動画には思った以上に多くの情報が含まれているので、必ず細部の写り込みまで確認するようにしたい。

SNSでは、写真や動画は一目でわかりやすく人気のコンテンツだ。しかし多くの情報を含むため、取り扱いには細心の注意が必要となる。今回解説した点に注意して利用するようにしてほしい。

高橋暁子

ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。元小学校教員。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)など著作多数。テレビ・新聞・雑誌・ラジオ等メディア出演多数。Twitterは@akiakatsuki。自身のブログ「高橋暁子のソーシャルメディア教室」で情報発信も行っている。