「歴史好き」が副業ネタになる! サラリーマン原さん

2018年は副業元年と言われているが、実際には副業をしたくても、何をどうすればいいのか分からないという人が多い。そこでオススメなのが「自分の得意なことを仕事にしてしまう」というパターン。この連載では、これまで起業の相談に応じてきたクライアントの中から、スキマ時間とこれまでの経験を活かし、自分の得意なことでそこそこの収入を生み出している人を紹介していく。

• サラリーマンとして働きながら「歴史好き」を活かして副業を行う、原一六四さん(40代)

7回目となる今回紹介するのは、サラリーマンとして働きながら「歴史好き」を活かして副業を行う、原一六四さん(40代)だ。

歴史好きという人は普通にあちこちで耳にするが、果たしてそれが副業として成り立つものなのだろうか。そしてなぜ、それを副業のネタとして選んだのだろうか。原さんに聞いてみた。

「歴史が好きで、とくに戦国史にハマりました。やがて好きが高じて『歴史の面白さ』や、あまり知られていない『歴史の裏側』など、そういう話を広め、残していきたいと思うようになったのです。もともと起業願望がありましたので、どうせなら大好きな歴史をネタに起業できないか? と考えるようになりました」

本当に「歴史」は副業になるのか

好きなことを活かして起業を目指すことは筆者が最もオススメしている手法だが、歴史ネタでの副業は「誰もが気軽に情報を得られる」「ポピュラーすぎる」といった理由から、成果を出すのが難しい部類に入る。

にもかかわらず、原さんは次々にキャッシュポイントを作り出し、月5万円を稼ぎ出しているのだ。しかも、これがまだまだ伸びそうな勢いなのである。では実際に原さんがどのような方法で副業として成果を上げているのか見てみよう。

まずはイベント企画。歴史好きな人が集まって、共通の話題で盛り上がるオフ会を企画し、その参加費から経費を差し引いた部分が原さんの収入となる。

「僕は、歴史好きや戦国史好きの中でも、とくに『城跡好き』にテーマを絞り込んでいます。『歴史』や『戦国史』ではテーマが広すぎますし、誰もが似たような知識を持ち合わせていますので、イベントに人を集めるのが難しくなります。でも城跡がテーマとなると、結構マニアックな情報を持った人たちが集まりますので、お互いに刺激を受けて楽しいイベントになるのです」

すでに原さんは「城跡お茶会」や「城跡ツアー」などを企画、運営をして好評を得ている。

• 「城跡好き」にテーマを絞り込んだイベントを行っているという

また、原さんは実際に城跡に出かけてはビデオで撮影し、Youtubeで公開する「城跡TV」も開始。この動画も城跡オフ会などで上映したり、販売したりするのだそうだ。

好きだからこそ壁を越えられる

しかし、サラリーマンという本業がある以上、こうして身体を動かす副業を行うには、なかなか時間的に難しい部分もあるのではないだろうか。

「本業との時間配分には一番気を遣っています。やるべきことを書き出し、優先順位をつけて取り組んだり、スキマ時間を使ってブログやメルマガなどを書いたりして工夫しています。また、大好きな歴史をネタにしているので、副業そのものが楽しいですし、同じ歴史好きの人たちと会って知識が増えることも、やりがいにつながっています」

確かに、好きなことでなければこうした工夫をしてまで副業を続けるのは困難だ。もちろん、好きだからと言ってすべてが順調に進むわけではない。原さんも数々のハードルを乗り越えてきた。

歴史ネタでキャッシュポイントを作るのに苦心、ブログを書くにもパソコンが苦手、冬にイベントの参加者を募集しても参加率が低い、など「壁にぶつかるたびに試行錯誤を繰り返した」と原さんは言う。

成功要因は「好きなこと」＋「行動力」

「ようやく、城跡好きな人たちとつながることができました。これから先は、イラストレーターさんとコラボしてキャラクター販売、ハンドメイド作家さんと組んで歴史関連グッズの販売、城跡DVDの販売、講演会の実施、歴史モノ人形劇の制作など、すべての夢を叶えて、地元史跡の観光資源化にも貢献したいと思っています」

このうちのいくつかのプロジェクトはすでに動き出していて、今後ますます原さんの活躍から目が離せなくなる。

• グッズ販売や人形劇の制作など、原さんの夢はますます広がってゆく

人は誰しも好きなことの一つや二つは持っていて、そして何かをやり遂げたいという思いも持っている。しかし、ただ思っているだけでは何も変わらないし、何も成し遂げることはできない。原さんが成果を上げている要因は、間違いなく「好きなこと」をネタに「着実に行動に移している」ことだと筆者は確信している。

今の時代、副業からのスタートはほぼノーリスクと言っていい。まずは一歩踏み出す勇気を持とう。