長引く新型コロナウイルス禍にあって、これまでの毎日の通勤から解放されて、テレワーク(在宅勤務)がすっかり日常になったというビジネスパーソンは多いのではないだろうか。通勤時間に縛られずに、落ち着ける自宅で様々な業務に打ち込めるテレワークには、多くのメリットがある。もう、以前の会社員生活には戻れないという人も中にもいるかもしれない。

  • テレワークを行う上で最も大変だと感じることは?

    テレワークを行う上で最も大変だと感じることは?

ただ、その一方でテレワークならではの不便さ、不都合を感じる場面もあることだろう。そこで今回は、マイナビニュース男女会員1,012人に、「テレワークを行う上で最も大変だと感じること」などを聞いてみた。

Q.これまでにテレワーク(在宅勤務)を行ったことがありますか?

  • Q.これまでにテレワーク(在宅勤務)を行ったことがありますか?

    Q.これまでにテレワーク(在宅勤務)を行ったことがありますか?

「はい」(47.2%)
「いいえ」(52.8%)

Q.テレワークを行う上で最も大変だと感じることを教えてください

  • Q.テレワークを行う上で最も大変だと感じることを教えてください

    Q.テレワークを行う上で最も大変だと感じることを教えてください

1位「自宅ではできない作業がある」(21.8%)
2位「運動不足」(19.7%)
3位「気持ちの切り替えが難しい」(19.0%)
4位「社内外とのコミュニケーションを取るのが難しい」(14.4%)
5位「仕事をする環境が整っていない」(6.1%)
6位「孤独を感じる」(5.4%)
7位「長時間労働」(3.8%)
7位「給料が減った(残業代や手当がつかない)」(3.8%)
9位「家事や育児との両立」(2.3%)
10位「家族の理解が得られない」(1.9%)
10位「その他(自由回答)」(1.9%)

Q.その理由を具体的に教えてください(自由回答)

■「自宅ではできない作業がある」

・「内部資料の取り扱いに困る」(30歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「経理部門なので、仕入れ先の請求書は会社でないと確認できない」(63歳男性/専門商社/事務・企画・経営関連)
・「お客様の説明だけだと伝わらないことも、実際に見たほうが早いし確実」(55歳男性/不動産/その他・専業主婦等)
・「すべてがテレワークで完結する仕事ではないので、逆に出社したくてもできない状況が歯がゆい」(33歳男性/生命保険・損害保険/営業関連)
・「皆で集まり、1つの図面や資料を見ながら行うミーティングのほうが明らかにアイデアが出やすく、活発化する。ビデオミーティングでは議論が白熱化しない」(58歳男性/その他/その他・専業主婦等)

■「運動不足」

・「体を動かしたり、ほぐす機会を忘れがち」(51歳男性/不動産/その他・専業主婦等)
・「太ももの筋力が非常に落ちた。大きい筋肉なので、このままだと太ると思う」(55歳男性/その他メーカー/営業関連)
・「ずっとパソコンの前で作業してるので気分転換も含めて運動はしたほうがいいです。私は移動をすべて自転車にしました」(56歳男性/その他/クリエイティブ関連)
・「いろいろな会議に効率良く出られるようになった反面、全く動かなくなった。1日1,000歩も歩かない日がある」(53歳男性/輸送用機器/その他技術職)
・「ほぼ毎日自宅の中でしか歩くことがなくなってしまったので、運動不足で体の衰えを一気に感じてしまった」(53歳女性/その他電気・電子関連/事務・企画・経営関連)

■「気持ちの切り替えが難しい」

・「仕事とプライベートの境界が曖昧になる」(44歳男性/その他メーカー/事務・企画・経営関連)
・「ほとんど自宅にいるので、時間の感覚を維持するのが大変」(44歳男性/精密機器/技能工・運輸・設備関連)
・「家族がいるので気が散ってしまう」(56歳女性/その他/事務・企画・経営関連)
・「つい先延ばし癖が出てしまう」(42歳男性/インターネット関連/IT関連技術職)
・「同僚とのやりとりがなくなり、業務にあたっている気分がしない」(28歳男性/官公庁/公共サービス関連)
・「職場へ行くのは多少の緊張感があり身が引き締まるが、家だと常にくつろげる環境があるので」(35歳男性/その他/クリエイティブ関連)

■「社内外とのコミュニケーションを取るのが難しい」

・「ニュアンスが伝わりにくい」(39歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「部内の人に相談するのが難しくなった」(49歳男性/半導体・電子・電気機器/メカトロ関連技術職)
・「同僚とうまく話が伝わらず、二度手間になることがあった」(44歳男性/サービス/その他技術職)
・「確認作業が必要になり、効率が悪い」(51歳男性/物流・倉庫/事務・企画・経営関連)
・「相手の表情が見えないため、空気を読み取るのに苦労する」(52歳男性/その他電気・電子関連/営業関連)
・「社外、社内との連絡がメールやLINEになり不安要素が増えました」(47歳女性/サービス/事務・企画・経営関連)
・「Web会議で相手の反応がわかりづらい。また、昼食などの会議以外でのコミュニケーションを取れなくなったので、作業やプロジェクトが円滑に進まなくなった」(51歳男性/サービス/IT関連技術職)

■「仕事をする環境が整っていない」

・「子どもがいて静かに仕事ができない」(35歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「家にあるWiFi環境では処理速度が遅い」(48歳男性/鉱業・金属製品・鉄鋼/事務・企画・経営関連)
・「ついに家のことをしてしまい、仕事を疎かにしてしまう」(44歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「仕事柄、大量の顧客情報を取り扱っているため、自宅での情報閲覧やプリントアウトに制限が多く、在宅勤務に問題があると思います」(57歳男性/その他金融/営業関連)

■「孤独を感じる」

・「雑談ができないから」(48歳男性/官公庁/公共サービス関連)
・「みんなの笑い声が聞こえてこない」(53歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「ネットワークで繋がっていても、寂しさを感じた」(70歳男性/セキュリティ/技能工・運輸・設備関連)
・「ひとり暮らしなので寂しくて……」(77歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「1日、誰ともしゃべらないから」(51歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「自分の仕事が貢献できている実感が薄い」(47歳男性/その他/メカトロ関連技術職)
・「やっぱり、みんなで仕事するほうが業績が上がる感じがする」(44歳男性/教育/事務・企画・経営関連)

■「長時間労働」

・「在宅勤務なので、遠隔授業や会議を行っていたが、家でも24時間質問が来て休む時間がなかった」(32歳男性/教育/専門職関連)
・「会社での業務と比べてどうしても効率が落ちるので、長時間勤務になりがち」(54歳男性/その他電気・電子関連/営業関連)

■「給料が減った(残業代や手当がつかない)」

・「仕事量が減ったから」(37歳女性/ソフトウェア・情報処理/事務・企画・経営関連)
・「残業代は大事」(36歳男性/電力・ガス・エネルギー/技能工・運輸・設備関連)
・「残業ができないので給料が減った」(38歳女性/銀行/営業関連)
・「在宅勤務はみなしとなってしまうため、残業代がつかないのがつらいところ。金銭面に余裕がある方や、もともと残業代の出ない管理職は喜んでいたが、一般労働者には良いとは言えないかも」(43歳男性/教育事務・企画・経営関連/)
・「定期代」(24歳男性/その他/その他・専業主婦等)

■「家事や育児との両立」

・「仕事の合間に家事をせざるを得ない」(47歳男性/システムインテグレータ/IT関連技術職)
・「呼び出しが他から入る。中断時間が長くなる。仕事の繋がりがない」(71歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「狭い部屋なので、子どもが学校から帰ってくると仕事の業務効率が落ちる」(44歳男性/化粧品・医薬品/その他技術職)

■「家族の理解が得られない」

・「子どもが邪魔をして、集中できない」(49歳男性/フードビジネス/販売・サービス関連)
・「家にいるんだからと、何かと家事を任されそうになる」(58歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「一日中パソコンとにらめっこで、妻や子どもたちとの会話も疎かになる」(72歳男性/その他/その他・専業主婦等)

■「その他(自由回答)」

・「雑音がなく、集中しやすい環境であったため集中しすぎて、かなり疲れた」(56歳男性/官公庁/公共サービス関連)

■総評

調査の結果、マイナビニュース会員のうち、これまでにテレワーク(在宅勤務)を行ったことがある人は47.2%と、5割弱の人たちがテレワークの経験があることがわかった。

テレワークを行う上で最も大変だと感じることを聞いた。その結果、1位「自宅ではできない作業がある」(21.8%)、2位「運動不足」(19.7%)、3位「気持ちの切り替えが難しい」(19.0%)、4位「社内外とのコミュニケーションを取るのが難しい」(14.4%)、5位「仕事をする環境が整っていない」(6.1%)が上位にランクインした。

次に、その理由を具体的に聞いた。1位「自宅ではできない作業がある」では、「押印作業」などの事務作業の代替が難しいという意見と、社内資料の持ち出し・共有のシステムがまだ確立していないとの意見が多く見られた。前者に関してはデジタル押印など一定の進展が見られるものの、後者はセキュリティ面の拡充を含めまだまだハードルは高いのかもしれない。

2位「運動不足」には即物的に、家庭内の勤務はどうしても運動不足になりがちという赤裸々な声が寄せられた。リモートワークが浸透するにつれ通勤や社内の移動をしなくなり、必然的に運動量が低下。実は毎日の通勤は、意外にも運動に繋がっていた、という発見があるようだ。が萎縮自粛が続く日々だが、なんらかの対策は必要だろう。

3位「気持ちの切り替えが難しい」では、"出勤"が単なる物理的な移動だけではなく、気持ちの切り替えのためのスイッチになっているという現実がある。自宅が職場という環境では仕事とプライベートの区切りが曖昧で、オンとオフを区別することが難しい。そのため、精神面や仕事の効率面での影響を懸念する声があった。

4位「社内外とのコミュニケーションを取るのが難しい」や5位「仕事をする環境が整っていない」は1位の「自宅ではできない作業がある」と同様、自宅であるがゆえの環境のハンディキャップに悩む声が寄せられている。身近に同僚や上司がいることでこれまでは問題なく行われていたコミュニケーションが取りづらかったり、周りに子どもなど家族がいる環境に戸惑った経験がある人は多いだろう。

同様に、6位にランクインした「孤独を感じる」もまた、会社での仕事が"協業"であることを改めて認識した人が少なくないことを物語っている。

テレワークには、通勤の手間が省けたり、自分なりのペースで仕事を進行できたりと多くのメリットがある。その一方で、作業内容に制約があったり、メンタル面や体調管理の難しなどのデメリットもあり、導入時には戸惑いも多い。環境が整い、慣れていくことによって多くは改善できるのかもしれないが、多くの人は未だ葛藤中と言ったところだろうか。今回は、そんなテレワーク事情が垣間見えるアンケートとなった。

調査時期: 2021年2月28日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 1,012人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません