連載「副業でやらかしまして。」では、大金持ちになるという野望を持ったフリーター「しんま」氏が、株や投資、せどりなどの副業でやらかした経験を語ります。(毎週水曜更新)


最近の衝撃的なニュースと言えば、ヒラリー・クリントン(民主党)ではなく、ドナルド・トランプ(共和党)がアメリカの大統領選挙に勝利したことでしょう。

ほとんどの人が、ヒラリーが当選すると思っていたにも関わらずまさかの番狂わせ。バイト先では全く政治に興味がない女子高校生も、「え、マジでトランプが大統領? やばくね!?」と驚きをあらわにするほどでした。Twitterなどでも「もう日本は終わった」みたいな悲観論が多く散見されていたような気がしますね。

アメリカ大統領選関連取引で大損を神回避(?)した話(画像はイメージ)

トランプリスクにより日経平均が大暴落

しかし、僕は別の意味でトランプ当選に驚いていました。というのも、トランプが当選したことにより株式や為替が大きく下がったのです。

過激な発言、初政治が大統領、何をするかわからない不気味さ。以上のことから市場はトランプに強い警戒をしており、「トランプリスク」などと言われていました。雑にまとめると、ヒラリーが当選すれば株は上がり、トランプが当選すれば株は下がるという極端な相場でした。ほとんどの人はヒラリーが当選すると思っていましたから、投資家からしたら今回の米大統領選はまさに悪夢です。

実際どれだけ株式に影響があったのかというと、まず日経平均株価が前日の1万7,000円台から約1,000円の暴落をしました。1日で日経平均が1,000円も下がることはめったにありません。さすがはトランプショックです。株式への影響が半端じゃありません。久しぶりに流れ落ちる滝のようなナイアガラチャートを見ました。

お次に為替。朝方は104~105円で推移していたドル円が、トランプが当選有利と報道されるたびに徐々に落ち込み、当選が決まると雪崩のように下落。101円まで下値を更新しました。ドル円が1日3円下がることもめったにあることではないのですが、この日は一気に4円の下落です。

よっぽど市場はトランプに警戒していたということが、株式や為替の動きを見てよくわかります。荒れ狂う相場を見ながら「こりゃ久しぶりにやばい値動きだな~」と思っていました。

かと思いきや、翌日に驚異的なV字回復

ところが次の日になると、為替と株は一気に買い戻されたのです。101円まで売られたドル円は、何と翌日には105円回復。まさかの全戻しです。1,000円の大暴落を見せた日経平均も翌日には1,000円の上昇。驚異的なV字回復です。

僕は、この値動きを見て「これ仕組まれてるんじゃないか?」と疑心に駆られたりもしました。だってあれだけ激しい暴落を見せた翌日に為替も株も全戻しって意味不明すぎるでしょ……。相変わらず相場というのは理不尽な動きをするものです。

さて、これだけ激しい値動きをしたわけですから投資家たちは大変な損害を被っていることでしょう。予想通り、各投資家たちのFXのトレード結果をリアルタイムで公表しているYJFX!の「ファイナンススタジアム」を見ると、今回のトランプショックで大きな損失を負った人が何人も見受けられました。

ファイナンススタジアムで一番損した人は何と1,206万円! 僕の年収が200万円ですから、わずか1日で6年分の年収が吹っ飛んだことになります。もし僕がそんな損失をたった1日で負ってしまったら、その日のうちに夜逃げの準備でもすることでしょうね……。

損を負ったのが自分ではなく他人で心底ホッとしました(笑)。

とはいえ、去年の8月24日、チャイナショックのときは、わずか1日で1億2,500万円の損失を負った方もいるので、その人と比べたらまだましかもしれませんね。

ところで僕はどうだったかって?

さて、「結局お前の収支はどうなんだよ!」という話ですが、結論から言うと僕はトレードしていませんでした

もともと僕はヒラリーが当選すると思っていましたので、ヒラリー当選に賭けてドル円を少額だけ買おうと思ってはいたのですが、もし本当にそうしていたらとんでもないことになっていました。ドル円が4円の下落をし、翌日には昨日の暴落がなかったかのごとく全戻しですからね。

損切りをした次の日にそんな全戻しの光景を見せつけられたら、フライパンでモニターをたたき割ってしまうくらいブチ切れていたことでしょう(笑)

なぜトレードしなかったのかというと、恥ずかしい話ですが純粋にお金がありませんでした。理由のひとつにはブレグジットで大損をこいたというのもあるのですが、数週間前にいろいろと支払いを済ませたら全財産が半分になってしまったんです(わりと笑えない話ですが……)。なので完全にトレードしてる場合じゃありませんでした。

確かにトランプが当選したことには驚きはしましたけど、自分は一切トレードしてないので、ドル円が1日で4円下がろうと、日経平均が1,000円もの暴落をしようと、「あー何かやばいなー」くらいで、至って冷静でいられましたね。だって当事者ではないんですから(笑)。トレードしていれば間違いなく損をしていたわけですから、ある意味お金がなくてよかったと思います。

トランプ当選から学んだこと

今回のトランプ当選で強く感じたことは、やっぱり「市場に絶対はない」ということです。

ちょっと前にイギリスがEUを離脱するという歴史的な出来事がありましたが、予想では絶対にイギリスはEU離脱しないと言われていました。しかし蓋を開けてみれば、予想を裏切りイギリス国民は離脱を選択したわけです。

今回の米大統領選も、僕も含めほとんど人がヒラリーが当選すると思っていましたが、実際にはそうはなりませんでした。「市場に絶対はない」この真理を忘れずにこれからも投資に臨んでいきたいと思います。

余談ですが、トランプが当選で損した方が僕のTwitterのフォロワーにいたのですが、その方からこんなことを言われました。

「僕もしんまさんの記事を読んでFX始めて、本日卒業しました。マイナスにじゅうまんえんです(^o^)」

もう何か本当すいませんと思いました(笑)

執筆者プロフィール

pTuWC70DdkwT6sL1vR3U しんま
3つのバイトを掛け持ちするフリーター。お金持ちになるためにFXやせどりなど様々な副業に手を出すが全て失敗。年収の半分は副業に消えているんだとか。ブログ「しんまは今日も損切りっ」、Twitterはコチラ