今回は5月15日に天然温泉としてリニューアルしたばかりの銭湯を紹介したい。その名も「天然温泉 湯どんぶり栄湯」。東京メトロ日比谷線「三ノ輪」駅より徒歩10分。住所は台東区日本堤となり、いわゆる山谷と呼ばれていた労働者の街で、マンガ『あしたのジョー』の舞台としても有名(すぐ近くにジョーの像が立っており、町おこしに一役買っている)だ。

「天然温泉 湯どんぶり栄湯」へは、東京メトロ日比谷線「三ノ輪」駅より徒歩10分

瓦屋根風の装飾で和の雰囲気も

近くのいろは会商店街は下町情緒を色濃く残しており、また大通り沿いには老舗の天ぷら屋があり連日長蛇の列をつくっているなど、湯上がりのお散歩コースとしても申し分のない地域だ。新装開店したてということで、玄関では祝い花がにぎやかだ。

湯気が立ち昇っている丼ロゴマークは以前のままだ。階段を上がって、すぐ下足場。脇に券売機が2台並んでいるので、こちらで入浴料を支払う。中に入ってすぐ右手にフロント。フロント前にはドリンクの自販機。また個室のマッサージルームへの入り口(2F、別料金)もある。芸能人のサインもいくつか飾られていた。こちらの突き当たりが脱衣所の入り口になっていて、男湯左、女湯右へ進む。

ロッカーは100円返却式(男湯のみ)なので、準備を忘れずに。3面、十分な数がある。ほか、マッサージチェア、自販機、HOKUTOW製のはかり。壁側に洗面台、その上にテレビが設置されている。男女の境目壁の上は瓦屋根風の装飾がなされており、ビル銭湯でありながら和の雰囲気も幾分感じられる。14時30分頃の訪問で、相客は12~13人とさすがの人気だった。

新顔は露天風呂とヒマラヤ岩塩サウナ

男湯のイメージ(S=シャワー)

浴室は手前は以前とほとんど変わらないが、奥に露天風呂とヒマラヤ岩塩サウナが新設。特に露天風呂の広さは都内銭湯でも屈指で、奥に壺湯が2つあるのが面白いポイント。内湯ももちろん負けておらず、ジェットバス、バイブラバス、薬湯に水風呂までなんでもあり。湯は41度強で、老若男女入りやすい温度設定がうれしい。

正面上の壁には、サイズこそ小さいが、今回にあわせて描かれた田中みずき絵師による富士山のペンキ絵がある。また、薬風呂の壁の方にも、海岸に上げられた木船の下で火を焚いているような絵も見られたが、詳細は不明。ちなみにカランの水は軟水。ヌルヌル、スベスベで泡立ちがよい。

湯どんぶり栄湯は創業から70年を超える歴史ある銭湯だが、このリニューアルで更に広い世代が末永く楽しめるお風呂に生まれ変わった。日曜日・祝日は昼12時から営業。遠方の方も、ぜひ休日の予定に加えたい。

※イメージ図は筆者の調査に基づくもので正確なものではございません

筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に都内の銭湯を紹介した『東京銭湯』シリーズを制作している。