皆さんは、コンビニやスーパーなどで食品を買うとき、「栄養成分表示」を確認していますか? エネルギー・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量などの情報に加えて、最近では飽和脂肪酸・糖質・食物繊維・ビタミン類などの表記も増えています。

「ダイエットをするときは何を見ればいいの?」「エネルギーって?」「飽和脂肪酸って?」たくさんの疑問があると思います。今回は、よく見かける項目の説明と、どんなところに注意すれば良いのか、保健師の吉野が解説をします。ではさっそく見てみましょう。

  • 「栄養成分表示」チェックしていますか?

まずはエネルギーを意識しよう

エネルギー(熱量)は、主に三大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)について計算した項目で、kcalという単位で表記されます。1gあたり糖質は4kcal、たんぱく質は4kcal、脂質は9kcalのエネルギーに変換されます。日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、社会人の1日の必要エネルギー量は以下の通りです。

身体活動レベルは、日々の運動量によって分類されており、デスクワークの方であまり運動をしない方はⅠ、激しい運動を毎日行う方はⅢとなります。基本的に、摂取エネルギー量が消費エネルギー量より多いと太り、少ないと痩せます。

脂肪は1kg=7,200kcalもある!?

先ほどもお伝えした通り、脂質1gは9kcalです。脂肪1kgは、約80%の脂質と、残りの20%程度は水などのその他の物質で構成されているため、脂肪1kg減らすには7,200kcalを消費する必要があります。では、7,200kcal消費するには、どれくらいの努力が必要なのでしょうか?

これは、体重50kgの人が8km/hのペースで毎日30分、1カ月間ランニングして消費できる量です。もしくは、毎日240kcal分の間食を1カ月我慢することと同等です。

実はしっかり見てほしい! たんぱく質

たんぱく質は、筋肉や臓器など身体を作る材料となる他、ホルモン・免疫などの機能にも関連しています。1日の摂取目安は、以下の通りです。(日本人の食事摂取基準2020年版)

ちなみに、鳥ささみ100gで約25g摂取することができます。たんぱく質は全部で20種類のアミノ酸から構成されており、より多くの種類のアミノ酸をバランス良く摂取するためにも、肉類だけで必要量を摂取するのではなく、肉類・魚類・豆類・乳製品からまんべんなく摂取するように心がけましょう。

脂質は全員注意する!

「脂質は悪」と思っている方は多いと思います。これは、半分正解、半分不正解です。たしかに、摂取しすぎると循環器疾患や肥満などの生活習慣病の発症を促すため、必要以上に摂取する必要はありません。一方で、細胞膜やホルモンを構成したり、ビタミンの吸収を助ける重要な役割があります。

同調査では、必要エネルギー量の20~30%を目安に摂取することを推奨しています。つまり必要エネルギー量が2000kcalの方は、45~65g程度が1日の摂取目安となります。脂質は、現代の食事に多く含まれており、意識せずとも十分量摂取することができます。むしろ意識しなければ摂取しすぎてしまうくらいです。 脂質は「脂肪酸」で構成されています。脂肪酸の構造で、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分類されます。

飽和脂肪酸…常温で固形 例)バター・ラード・肉の脂など

飽和脂肪酸は、高LDLコレステロール血症の主な要因の1つです。循環器疾患や肥満などの生活習慣病の発症予防の観点からも、気を付けた方が良い項目です。 同調査では、総エネルギー量の7%以下(必要エネルギー量2000kcalの方で約140kcal以下)が目安とされています。

不飽和脂肪酸…常温で液体 例)なたね油・ごま油・魚の脂など

魚や植物の多く含まれるのがこの、不飽和脂肪酸です。これは飽和脂肪酸とは反対に、ダイエットや美容にとても効果的です。脂質を摂るときには、できるだけ不飽和脂肪酸を選択しましょう。

ちゃんと摂ろう、炭水化物

炭水化物は、三大栄養素の1つで、「糖質」「食物繊維」の2つに分けられます。

糖質=体内に吸収されてエネルギー源になる

身体を動かす主なエネルギー源となるのが糖質です。必要エネルギー量の半分は糖質から摂取するよう心がけましょう。つまり、1日の必要エネルギー量が2000kcalの場合、毎日およそ250gの糖質が必要になります。

糖質制限ダイエットの落とし穴

最近「糖質制限ダイエット」が流行っていますが、糖質を制限すると、重要なエネルギー源を減らすことになってしまいます。その結果、身体は筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとしてしまいます。筋肉が減ると、基礎代謝が落ちてしまい、ダイエットには逆効果です。

食物繊維=消化吸収されずエネルギーにならない

食物繊維は、糖質と同じく炭水化物の分類ですが、消化吸収はされずエネルギー源にはなりません。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分類されます。特に水溶性食物繊維は血糖値の上昇を緩やかにしたり、腹持ちを良くしたりする働きがあり、ダイエットの強い味方です。1日の摂取目安は20g前後ですが、これは切り干し大根1食分・レタス10枚分に相当します。

高血圧の人は特に注意! 食塩相当量

こちらは皆さんよく知っている項目ですね。食塩がどれくらい含まれているかを示す数値です。食塩(ナトリウム)は高血圧を促進し、高血圧な状態は血管に負担を与えます。その結、脳や心臓などの大きな疾患に繋がります。食塩摂取目安を見てみましょう。

塩小さじ1は、大体6gです。「意外と少ない!」と思われる方は多いのではないでしょうか? 日本人は古くから食塩を多く摂取する文化にあり、諸外国よりも基準が高く設定されています。年々低い目標値となっているので、今後も世界基準に目標値が下げられることが予測されます。

いかがでしたか? 普段あまり気にすることがない栄養表示ですが、食生活改善の第一歩として、ぜひ興味を持って頂けたらと思います。基礎疾患をお持ちの方は主治医とも相談して取り組むようにしてください。

また、会社には産業医や保健師など、医療の専門家が居ます。健康に関することで困った際には、ぜひ相談してみてください。