こんにちは、保健師の冨吉です。みなさんコーヒーはよく飲みますか? 私は眠気覚ましや仕事の効率UPのために、朝起きた後と仕事のお昼休みに飲むことが多いです。最近はほとんどのコンビニで挽きたての本格コーヒーが買えるようになり、私と同じように毎日飲む方も多いのではないでしょうか?

そんな手軽に買えるコーヒーですが、コーヒーに含まれるカフェインを摂りすぎると眠気覚ましだけでなく、体に悪影響が出たりも……。今回はカフェインをうまく使うコツを見ていきましょう!

  • カフェインをうまく使うには?

カフェインの効果

一般的にも知られていると思いますが、カフェインの良い効果としては頭が冴える、眠気を覚ます効果があります。その他にも適切な量であればがんを抑える、死亡リスクが減少するという研究結果も実はあります。眠気も覚めるし、寿命も伸びそう……まるで万能薬みたいですね!

ただ残念ながら、カフェインにはデメリットもあります。カフェインを過剰に摂取し、中枢神経系が過剰に刺激されると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠が起こります。消化器管の刺激により下痢や吐き気、嘔吐することもあります。

また長期的な作用としては、人によってはカフェインの摂取で高血圧リスクが高くなる可能性や、カフェインは体内からのカルシウムの排出量を増やすため骨粗鬆症の原因となる可能性があるとも言われています。

飲み物カフェインランキング

そもそもコーヒーにはどのくらいカフェインが含まれているのでしょうか? 他の飲み物と比較してみましょう。

  • 「飲み物カフェインランキング」(農林水産省「カフェインの過剰摂取について」と内閣府食品安全委員会「ファクトシート 食品中のカフェイン」に記載の表を筆者が一部改変し作成)

「エナジードリンク又は眠気覚まし用飲料」と「コーヒー」がトップ2なのは、予想通りかもしれませんね。今回の表には載っていないですが、実はチョコレートやガムなどにもカフェインは含まれています。また食品の苦味料として使っている場合もあります。そのため、気づかぬうちに食べ物や飲み物でカフェインを多く摂取してしまう場合もあり、注意が必要です。

じゃあ1日何杯までなら飲んでもいいのか

果たして一日何杯までなら、コーヒーを飲んでもいいのでしょうか。日本で定めた基準はありませんが、各国の基準が参考になります。

  • 「健康な成人における体に悪影響のないカフェイン最大摂取量」(農林水産省「カフェインの過剰摂取について」より筆者が表を作成)

1杯200mlと仮定すると1日あたり最大4~6カップぐらいにしておくのがいいのではないでしょうか。エスプレッソなどコーヒーの抽出方法によってもカフェイン量は変動するので、濃い目のコーヒーを飲むときはその分1日のカップ数を減らすなど、調整するのがおすすめです。

コーヒーを飲んだ方がよいタイミングと飲まない方がよいタイミング

コーヒーを飲むタイミングとしておすすめなのが、昼食後の眠気や仕事の疲労が出てくるお昼からの業務開始時です。また最近は「パワーナップ」「シエスタ制度」など、仕事の能率アップのためにお昼寝が注目されていますが、お昼寝の習慣がある方にはお昼寝の前がおすすめです。

お昼寝から目覚めた時に頭がぼーっとしたり、だるくなったりすることがありますが、事前にコーヒーなどのカフェインを含む飲み物を飲んでおくと、これを防ぐことができます。ちなみにカフェインは摂取してから30分~1時間後が作用のピークなため、お昼寝する直前よりは少し前にコーヒーを飲んだ方がすっきりと目覚める効果を感じやすいかもしれません。

ちなみに、コーヒーは疲れを感じにくくさせるもので、疲労や睡眠不足自体は解消されません。常に日中眠かったり疲れている場合は、睡眠不足や不眠症などの病気の可能性もあります。そのような場合は、コーヒーを飲み続けるのではなく、睡眠環境を見直したり、専門医に相談しましょう。

逆にカフェインを飲むのを控えた方が良いのは夕方以降です。カフェインの覚醒の効果は摂取してから3時間程度持続するといわれています。そのため夕方以降にカフェインを摂取すると、夜寝る時間までカフェインの効果が残ってしまい、寝つきにくくなったり、睡眠を浅くしたりする可能性があります。

コーヒーなどのカフェインの入っている飲料はうまく使えば、日々の生活の味方になります。飲む量とタイミングに気を付けて、楽しいコーヒーライフを過ごしましょう!