男性と女性とでは物事の考え方、受け止め方にもだいぶ違いがあるものです。特に、こと恋愛ともなれば男女の間に大きな違い、誤解が生まれることは必然といえます。例えば、男性からすると大したことではないのかもしれませんが、メールの返信問題。女性の場合、付き合っている彼や友人と恋愛の線を行ったり来たりしている微妙な間柄の男性からのメールには細心の注意を払い、タイミングを見計らって返信していたりするものです。ところが、そんな風に心をこめているメールに対して、男性からの返事はと言うと、「了解」「OK」「知ってる」といった超短文メール。もしくは「ごめん、昨日寝てしまった」という"忙し過ぎてそれどころじゃないよ"メール。さらには、返信なし、応答なしといったケースもよくあったりします。

もちろん、男性の皆さんからすると、もともと(携帯)メールにはマメでないとか、本当に忙しすぎてといった言い訳もあることでしょう。しかし、女の子の側からしてみると、付き合い始めたばかりの頃は、あんなに熱心にちゃんと連絡してくれていたのに、メールもきちんと送ってきてくれてたのに、今になってできないというのはどういうこと? と思ってしまう部分もあるのです。また、彼女が仕事上の取引先の会社で働いていたり、学校で同じゼミやサークルに所属していたりした場合、「私以外の人には、こまめに丁寧なメールを送っているのに、私にだけメールも適当じゃん! 」とバレてしまうこともよくあります。

このあたりは、男性が知らない女性ならではの情報網によるもの。女性のネットワークを甘く見てはいけません。女性同士のおしゃべりや情報交換のせいで、彼女にあなたの他者への態度がバレてしまっている。「私以外の人にはマメにキチンとしたメールを送ることができるのに、私にはその努力や気遣いを一切していない」と彼女が思っている、というのはよくあることなのです。

ここに、恋愛に対する男女の取り組み方の違いが如実にあらわれてくるなぁと私は思います。女の子は大抵の場合、彼氏ができたらその人に対し、一生懸命になろうとします。もちろん、仕事も趣味にも一生懸命ですが、それにプラスして彼のことにも一生懸命になるわけです。

彼とたくさん会いたいし、寝る前にいつも声も聞きたい、メールもしたいし、一緒に何かをしたい。何かをしてあげたい、と気持ちが加速していくわけです。ところが男性は違います。何でしょう、彼女になってもらうまでは頑張ってアプローチしたり、色んなところへ出かけたり、頻繁に電話やメールをしたり、行動力のあるところを見せます。しかし、彼女になってもらった瞬間、それまでの行動力にかげりが見えてきます。

ああ、やっと彼女になってもらえたから、もう面倒なことはしなくてもいいや。彼女にはきっとわかってもらえるだろうから……と、恋愛関係に安心して甘えてしまうわけなのです。彼女なら、オレの仕事の忙しさや拘束時間、生活パターンを知っているから、連絡をしなくても大丈夫だろう。彼女はオレの恋人だから、多少の誤解があってもすぐに理解して味方になってくれるだろう。こんな風に、自分の都合のいいように考える男子が多いような気がします。

しかし、人間関係というのは友人関係にしろ、恋愛関係にしろ、どちらか一方に甘えて、寄りかかっていいものではありません。自分が普段男友だちや会社の上司、先輩にはやらないこと、例えば……連絡をもらったのに返事をしない。メールに「了解」とだけ返信する。「寝ちゃった」から約束を守れませんでしたと言う。そういったことを普段はなかなかやらないのに、彼女だったらわかってくれる、許してくれると勘違いするのが、男性にありがちなパターンです。

もちろん、女の子は優しいですから一度や二度や、十度くらいまでだったら彼を許してくれるかもしれません。けれど、許しはしても、されたことの記憶が消えるわけではないのです。され続けたことは、心の奥底に静かにたまっていき、「もう、こんな風に優しくなくて思いやりのない人に、一方的に尽くすのはやめたほうがいいのかな」という気持ちも大きく育っていってしまうわけなのです。

もちろん、付き合っている2人ならではの気楽さや安心感、会えない時間も黙っていても通じ合う気持ちは大切です。だからといって、連絡をしなくていい、放っておいても忘れてもいいというわけではないのです。男性はついつい彼女に対してそういった点を忘れてしまいがちな気がします。恋愛体質になり、熱く恋に燃えて、全身全霊で恋に向かっていけ! とは言いませんが、人と人とが付き合っていく上で最低限のマナーやルールは守っていきたいよね、というのが私の言いたいところです。

恋愛に一生懸命になる女の子と同じテンションで! とは望みませんが、そこにあぐらをかかず、謙虚な気持ちで女の子に接していってあげると、すれ違いや誤解は減っていくはずだと思います。最近、超短文メールしか送っていなかったという方は、ぜひこのゴールデンウィークを機会に時間をうまく捻出して、彼女にやさしい長文とは言わなくても中文メールくらい送ってあげてほしいものです。

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酒井冬雪です。男性でメールを書くのが上手な人って、それだけで「やさしいんだなぁ」と思ってしまいます。挨拶と気遣いで始まり、用件とそれに対しての自分の個人的な気持ち。それが書いてあるだけで十分素晴らしいメールになるのです。では、またね。