いつの時代も恋に悩める男女は多いもの。ここでは、弊誌人気連載「理系のための恋愛論」の酒井冬雪先生が、皆さんの恋愛に関する悩みにお答えします。恋愛に悩んでいる人、まずは先生に相談してみましょう!

年齢を偽って彼と付き合ってきた

43歳女性です。3年間付き合ってきた彼(33歳)にプロポーズされ、幸せの絶頂でした。でも、私は彼に大きな嘘を1つついていました。それは年齢のことです。

私は30歳半ばくらいに良く見られ、会社でも「30歳でもバレないよー」とよくいわれているのをいいことに、彼には「35歳」といってきました。「元々年上好きし、俺」と彼も言っていて、交際期間はとても仲良く過ごしていました。

プロポーズの後に「実は私、43歳なの。今まで嘘をついてきてごめんね」と言うと、彼は私の予想以上にショックを受けていた様子で、「ちょっと考えさせてくれ」と言ってそのまま帰ってしまいました。

翌日、彼からメールが来たのですが・・・・・・。「3年間、俺をだましてきたのか。付き合っている彼氏をよくだませるな。そんな嘘をつくようなヤツと結婚はできないい。俺の3年間を返してほしい。俺には君を訴えることもできる」と書いてありました。

確かに私は彼に嘘をついていました。でも、2歳上だったのか10歳上だとなっただけで、愛情までなくなってしまうものなのでしょうか。私のほうこそ、そんなことが原因で結婚をやめると言い出すなんて、彼に幻滅です。

できれば「女のかわいい嘘」と彼には思い直してほしいのですが、彼にどう返信、連絡すればいいでしょうか。

その嘘は本当に「女のかわいい嘘」?

確かに、恋愛のとっかかりの段階で多少のウソがあるのは「女のかわいいウソ(ハート)」でいけると思います。例えば、合コンで知り合った自分の好みの男の子に、「彼氏いるの? 」と聞かれたとき、本当は彼氏がいるくせに「いないよー」と言ったりする女の子は多いと思いますが、私はそういったことは別にウソをついてもかまわないし、かわいいウソの範疇と思ってしまいます。自分はそういったことをしないタイプですけれど。

何でしょう、ウソをついた相手とは合コンだけ、その場だけの一過性の出会いで、その後、連絡先を交換するつもりも、彼と二股をかけるつもりもないのでしたら、少しくらいウソをついても、その場の男女の駆け引き、他愛もない会話で済んでしまうと思うんです。

しかし、相談者さんのウソは女のかわいい…では済まされないところまできてしまったのでは? と私には思えてなりません。もちろん、最初の出会いの段階で、ラブチャンスを逃したくない気持ちから、多少の年齢をサバよむことは誰だってあるかもしれません。実際に、出会ったときは年齢をごまかしていたけれど、付き合いだしてから「実は……」と実年齢を打ち明けたという話は、相談者さんのように女性からだけでなく、男性からもよく聞く話です。

それで、そのカップルが壊れてしまうかどうかというと、たいていは、「実年齢を聞いてビックリしたし、ウソをつかれたとショックだったけれど、もう好きになってしまっていたから、年齢はどうでもよくなった」と許される場合が多いのも事実です。

でも、それがどうして許されるのかというと、付き合い始めて早めの段階、だいたい2~3カ月以内には、実年齢を打ち明けているからなんです。早い段階で本当のことを話していれば、相手だって「そうだよな、出会ったときはまさか恋愛関係になるなんて想像できなかっただろうし。女性だから年齢を聞かれたら、若く答えちゃったんだ。で、オレとまさかの恋愛関係になってしまったから、ダメになる可能性もあるのに恐る恐る打ち明けてくれたんだ」と思えて、許してしまえるのでしょう。

ところが、ウソをついていた期間が3年ともなると、きっと相談者さんの彼としては、「3年も彼女の実年齢に気付かなかった自分」もふがいなく思えたのでしょうし、「3年も自分をだますことのできてしまった彼女」が怖くなってしまった部分もあったと思います。ですから、もし彼と復縁したいのでしたら「2歳年上が10歳年上になっただけじゃない? 」なんて開き直ったように考えずに、彼の気持ちに寄り添って彼と同じように深刻に受け止めてあげてほしいです。

そして、「ウソをついていて本当にごめんなさい。でも、時間が経てば経つほど言いづらくなってしまって。そんな私にプロポーズまでしてくれて、ようやく黙っていられないと思ったの。私が意気地なしだったせいで、あなたをキズつけてしまって本当にごめんなさい。許してとは言えないけれど、あなたを大好きな気持ちに変わりはないし、今も大好きだから。そんな自分を好きになってくれて、ありがとう」というようなことを、きちんと伝え、自分の非を認めてをあやまったほうがいいと思います。

今は自分がどう思っているか、ではなく、彼はどう感じただろうかということを最優先に考えて、彼の立場を想像して、そこから彼に伝えなくてはいけない言葉をみつけて、ちゃんと謝ってあげてほしいです。健闘を祈ります。