さまざまな特徴のある子ども向けのプログラミングツール。選ぶときの基準として知っておくと便利なのがツールの目的です。1つ目は、プログラミングの基礎的な考え方をゲーム感覚で学べるのが"ステージクリア型"。2つ目は、プログラミングで自由に好きなものを作れるのが "クリエイティブ型"です。前回記事でステージクリア型を紹介したのに続き、今回は、クリエイティブ型のツールを紹介します!

自由に作品を作ろう!

プログラミングの醍醐味は、自分で作りたい仕組みを生み出せること。ステージクリア型である程度基礎的な考え方をつかんだら、クリエイティブ型のツールで自分の好きなものをプログラムしてどんどん作ってみましょう。技術は使いながら伸ばしていくというスタンスで、自分のアイデアを形にするのが大切です。

クリエイティブ型のツールで手軽に始められるのは、インタラクティブなアニメーションやゲームなどを作ることができるアプリです。無料のものばかりですからすぐに試すことができます。

小さな子どもからOKのアプリ

自由に作品作りをするツールの中で、小さなお子さんから挑戦できるのが「Scratch Jr(スクラッチ ジュニア)」。矢印などのアイコンを組み合わせてプログラムするので、文字がわからなくても大丈夫。5~7才が対象です。キャラクターの動きや音、タップしたときの反応などをプログラムして、動く絵本のような作品を作ることができます。

小1から徐々にステップアップして使えるアプリ

文字がわかる年齢からは、文字ブロックを並べるプログラミングができます。日本の小学生向けに開発された「プログラミングゼミ」は、小学校1年生から使える工夫が随所にあるアプリ。動く絵本やゲームなど工夫次第でいろいろな作品が作れます。レベル設定をして、使えるブロックを減らしてシンプルにするなど、年齢に応じた使い方ができます。手描きの絵をカメラで取り込んで手軽に作品に入れられるので便利です。

アプリの中には、ステージクリア型の問題も入っていて、クリエイティブ型と両方の使い方ができます。

定番のScratch(スクラッチ)は奥が深い!

クリエイティブ型の定番は「Scratch(スクラッチ)」です。MITメディアラボ ライフロング・キンダーガーデン・グループのScratchチームによって開発されていて、オリジナルは英語ですが、日本語版を含め世界各国の言語版があり、日本でもとても広く使われています。8~16才向けで、できることが非常に多く、シンプルなアニメーションから凝ったゲームまでさまざまな作品をプログラムして作ることができます。

例えば次の図のように、クイズやゲーム、お絵かきツール、カメラに映る映像と連携したゲームなど、作品の幅は広く、プログラム次第です。子ども向けのプログラミングコンテストでは、「Scratch」で作った作品で参加し、入賞する子どもたちも少なくありません。

なお、最初に紹介した「ScratchJr」は、「Scratch」の低年齢版として開発されたものです。

ほかに、小学校でのプログラミング学習での利用を想定して作られた「LINE entry」もクリエイティブ型のアプリ。LINEでおなじみのキャラクターを使うこともできます。

まねから始めて作ってみよう

クリエイティブ型のツールは自由な作品作りができるのが魅力ですが、慣れないうちは、そもそも何ができるかもわからなくて意外と戸惑ってしまうもの。まずは作例などを参考になるべく簡単なものからまねして作ってみるのがおすすめです。キャラクターを入れ替えたりプログラムの数値を変更してどう変わるかを試したりして、少しずつアレンジしていくと良いでしょう。

模倣することは、特にプログラミングでは大切な学びです。作例通りに作っているうちに、「それならここはこうしたい!」という気持ちから知識も技術も広がります。

どんなにシンプルなものでも、自分がプログラムした仕組みがちゃんと機能するというのは、とてもワクワクするうれしい体験です。クリエイティブ型のツールでプログラミングの世界をたっぷり楽しんでください!!