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東野幸治「生放送って面白いですね(笑)」

――周囲の反響はいかがですか?

パックン:みんな「『週刊パックンかみつきNEWS』見てるよ」と自分の名前の付いたコーナーを言ってくれるので、それだけですごくうれしいです。それと、「桜を見る会」で安倍首相に会ったときに「『新報道2001』の後やっているでしょ」と向こうからおっしゃってくださったんですよ。「今度ぜひ来てください」って言っておきました!

――注目されているんですね!

パックン:でも何よりうれしいのは、「あの事件はどうなの?」「その先はどうなの?」と、まるで討論に参加してくれているような方が周りに増えたんですよ。日曜の朝は、本番が終わるとPTAの仲間と卓球をやっているんですけれど、そこで「今朝見たよ。北朝鮮問題はどうなの?」って言ってくれる人も多くて、番組が終わっても討論の続きを望んでいるんです。それがこの番組の社会に対する貢献でもあるかな。番組が1時間というのは正直短すぎると思っているんですけれど、そこから討論がスタートして、街の皆さんの間で広まれば、すごく良いことだと思います。

佐々木:すごい! 地域貢献!

――『新報道2001』だと政治討論というイメージが強かったですが、『報道プライムサンデー』ではそれに限らず、さまざまなテーマを討論しているから、視聴者側にとって入りやすいのかもしれないですね。

佐々木:私は町内会がすごく活発な地域に住んでるんですけれど、今まで話したことがなかった70代の方から「見てるわよ」とか「あんな政治家許しちゃいけないわよ!」って意見をぶつけてくれるようになって、それはうれしいですね。逆に、「もっとスタイル出しなさい」とか「もっとあなたは言いたいこと言いなさいよ」とか、「そこから先が聞きたいのに、時間が短いから…」と厳しい意見も忌憚なくいただくので、そこはありがたいなと思います。他にいい話としては、番組の雰囲気が明るくなったとか、ゲストも政治家ばかりじゃなくなったので取っ付きやすくなったという声も聞きます。あとは、この23年のアナウンサー人生の中で、親が一番熱心に番組を見てくれているんです。やっぱりあの世代は熱い思いで生きてるんだなというのをすごく感じますね。

――『ワイドナショー』の出演者の方からは、何か言われましたか?

佐々木:東野さんから、本番中にいろいろあった3回目について「生放送って面白いですね(笑)」と言われました。さすが百戦錬磨で懐が深い人だなと思いましたね(笑)

――奥寺さんは周囲の反響、いかがですか?

奥寺:僕も、「放送時間が短い」とみんなに言われるんですよ。だから短くてごめんなさいっていう部分と、もうちょっと討論を聞きたいと思ってもらってるんだなという両方のことを感じますね。でも討論が短くてもっと展開したほうが良いとも言われることがあるので、あらためて、本番後のコーヒータイムのように自由な雰囲気が本番で出せたらと思っています。

信頼に足る人物、そして局に

――この4月から、フジテレビさんは"正確で本質的なニュース"をコンセプトに掲げた「プライムニュース」の統一ブランドを導入したわけですが、この方針について、どのように見ていますか?

パックン:ブランドに力を入れるのはすごく大事だと思うんですよ。その分責任は重くて、フェイクニュースっぽく映ってしまったら、この番組だけではなく"プライムファミリー"みんなが損をしますからね。でも、少なくともうちの番組の打ち合わせで「この言い方はどうかな? そう言い切れないんじゃないの?」って疑問をあげると、すぐ聞いてもらえるんですよ。「それくらいセンセーショナルにやらないと視聴者が食いついてこないよ」と返されることは全く無いです。そのあたり、"フェイクニュース大国"から来ている僕にとってはありがたいところなので、ファクト(事実)にこだわりながら活発に議論していくというスタイルは、"プライムファミリー"の特徴として大事にしたいと思います。

佐々木:私はそれに関して2つ思うことがあって、1つはやっぱり信頼に足るものをお届けするためには、そのニュースを誰が発信しているかが大事になるから、その信頼に足る人物、そして信頼に足る局でないといけないということ。もう1つは、今はみんなが見たいものだけを見ている世の中だと思うんです。自分で検索して、どんどん興味嗜好に合うところに沿ってリコメンドされるので、結局見たいものだけがずっと自分の脳内で広がっていく。そんな中で、『報道プライムサンデー』という番組は、いろんな人が出てきて、それぞれの専門分野の話をしてくれるので、「そんな見方があるんだ!」とか「聞いたことないけどそういう方向性でも話を探ってみよう」みたいな入り口になることが、信頼獲得のやり方じゃないかなと思ってるんです。

――確かに、5月6日の放送では、世界卓球で南北朝鮮合同チームが急きょ作られた話になったときに、青山学院大学の原晋監督から「スポーツが政治に利用されるのは仕方ない」という意見が出ましたよね。ああいう意見は、テレビで初めて見たかもしれません。奥寺さんはいかがですか?

奥寺:先日、この番組のスタッフで、何年も1つの事件の取材を続けて取材対象と信頼関係を作れたことで、他では聞けないようなインタビューができたという話があったんです。それはすごい財産であって、そういうものをこれから生かしていけるんだなって思ったんですけれど、同時に、長いこと追ってきたために、かつての視点で物事を捉えがちになりそうなので、どうやったら新しい視点を付け加えることができるのかが生命線なのかなとも思いましたね。それを、普段の仕事の中でやりながら出していく、そういうことが必要なのではないかと考えました。

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阿川佐和子みたいになりたい

――日曜の朝は『シューイチ』(日本テレビ)、『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日)、『サンデーモーニング』(TBS)と情報番組がひしめき合っていますが、ライバルはありますか?

パックン:できれば、こちらがライバル視するんじゃなくて、される側になりたいですね。自分の商品を確立してどこにもないものを出せばいいなと思うんです。そんな中でも、やっぱりデーブ・スペクターには負けたくないですけど…(笑)

佐々木:私も、ライバルがどうこうというより、ユニークネス(唯一感)の追求のほうが先かなという気がしますね。『新報道2001』も、『朝まで生テレビ!』(テレ朝)や『日曜討論』(NHK)とは違うものがあった番組だと思うので。

――目標にされているキャスターなどはいらっしゃるんですか?

佐々木:今立ち返って思うと、アナウンサーの就職面接の時、ずっとニュースがやりたいって言ってきたんですよ。そういう意味で、原点の夢を叶えているということがあるんですけれど、その当時に誰に憧れていたかと言うと、今は亡き筑紫哲也さんだったんです。ジャーナリストでありインタビュアーであり、文化的な造詣も深くて、そういうところが大好きだったんですけれど、それから23年が経って、自分からは全く遠い存在と悟りまして…。そんな中で、私はこの番組で阿川佐和子さんみたいになりたいなと思っています。茶目っ気があって、いろんな本音が聞き出せる人。ああいう方は、ニュースや討論番組ではあまりいないと思うので、目標にしています。

パックン:じゃあ、僕はビートたけしさんみたいになります!

――『TVタックル』になっちゃいますよ! いろいろお話をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。それでは最後に、皆さんが「プライム(極上)」に感じる時を教えてください。奥寺さんは『プライムニュース デイズ』でのインタビューで、「船に乗って過ごすのが最高です」とおっしゃっていましたね。

奥寺:はい。家族で旅すると意外と一番安いので、おすすめです。

佐々木:私は家族と過ごす時間と、今ランニングにハマっていて、走り終わった瞬間がプライムですね。青学の原監督に、言い得て妙なんですけれど、「佐々木さんの歳でやるとハマりますよ。他で成長することないでしょ?」って言われて(笑)。回数を重ねていくうちに、できなかったことができるようになっていくっていう感覚も極上ですね。ストレス発散にもなりますし、まさか自分がそんなことを言うようになるとは思わなかったですけれど(笑)

パックン:僕はPTAの仲間との卓球も捨てがたいんですけれど、やっぱり生放送でワイプに映りながら15秒でコメントがまとまった瞬間! オフだったら、ソファーに座って洗濯物をたたみながらニュースを見るのがすごく好きなんですよ。超落ち着くんです。

――本当にニュースが好きなんですね!

パックン:テレビは主にニュースと映画を見ています。

――本業のバラエティは見られないんですか?

パックン:怖い怖い! 見られないんです(笑)!

――えーっ!!(笑)