近年、晴雨兼用やユニセックスなデザインが増えてきた「メンズ日傘」。"男性が日傘なんて"と恥ずかしがる時代は終わった。いまやスマートな大人であれば、汗対策や紫外線対策として持っておきたいエチケットアイテムとしての地位を築いているという。

そこで、傘ソムリエとして活躍する土屋 博勇喜 氏に、「メンズ日傘」のトレンドと、周囲と差がつくオススメを紹介していただいた。

■「晴雨兼用」「コンパクト」「軽い」が人気

――土屋さんから見て、日傘を購入される男性は増えていますか?

男性における日傘の需要は増えていますし、年齢層が若くなった印象を持っています。今までであれば男性向けの傘というと、暗い色のラインナップしかなかったのですが、女性でも使いやすいユニセックスなカラーが増えてきたことで、人気が上がってきています。黒やネイビーはもちろん、ベージュや薄いブルー、くすんだ白などが好まれています。

最近の美容ブームの影響で「白い肌でいたい」という方、汗をかいた状態で人に会うのが恥ずかしい・できる限り汗が出ないようにしたいという方が、自ら購入するケースも多いと感じます。自分をいかにスマートに見せるかというところで、日傘を使用する人が増えている印象ですね。

――2024年の日傘のトレンドを教えて下さい

「晴雨兼用」のものを選んで通年持ち歩けるようにする傾向が強いです。それを踏まえて各メーカーが、ユニセックスに使用できるシンプルな無地のカラーのものを生産しています。実際メーカーも、雨傘より晴雨兼用傘を多く生産しているんです。その上でたくさんの種類が増えてきています。

例えば軽い晴雨兼用傘や、畳みやすい傘、風に強い傘などがあります。

最近、男性でもカバンがどんどん小さくなっているんですよね。小さいウエストバッグでも、中に収まるコンパクトな晴雨兼用傘が欲しいというニーズが多いです。

■傘ソムリエ厳選、機能・デザイン共に洗練された4アイテム

土屋氏には、軽くてコンパクト、さらに洗練されたデザインで人気の日傘4点を紹介していただいた。

〇Knirpsの「U.220」

ドイツのブランドKnirps(クニルプス)の晴雨兼用傘「U.220」(7,480円)。自動開閉機能が付いているほか、シャフトの飛び出しを防ぐ日本特別仕様の「セーフティー・システム」も採用している。

土屋氏「スタイリッシュなデザインが人気のシリーズ。海外製の傘としてはかなり珍しい5年保証が付いていて、長く使ってほしいというブランド側の思いを感じるアイテムです。」

  • Knirps U.220

〇MACKINTOSH PHILOSOPHYの「バーブレラ サンプロテクトシリーズ」

MACKINTOSH PHILOSOPHYのバーブレラ サンプロテクトシリーズ(SUNPROTECT)(1万1,000円)は、軽さを追求した商品で、その重さは傘袋込で約160g。目を惹くメタリックカラーがシンプルかつスタイリッシュで、ブランドロゴのワンポイントがオシャレに効いている。開くと60cmの大きさで、流行やシーンも問わない、汎用性の高いモデル。

  • MACKINTOSH PHILOSOPHY

〇槇田商店 Shade Chidori Stripe 折りたたみ傘

続いては、槇田商店の「Shade Chidori Stripe」折りたたみ傘(1万6,500円)。晴雨兼用、折りたためて持ち運びに便利かつ、見た目にもかっこいい日本製のモデルで、40代以上の男性に人気だという。

土屋氏「ポイントは生地とハンドル。伝統の郡内織・先染めジャカード生地を使用していて、高級感があり『持っていてオシャレ』な雰囲気です。木製のハンドルも洗練された様子を演出します。」

  • 槇田商店

〇小宮商店の「コットンローンシェード」

最後に紹介するのが、小宮商店の「コットンローンシェード」(2万2,000円)。晴雨兼用傘で、生地にコットンが含まれている。滑らかで肌触りも心地よいアイテムだ。

土屋氏「遮光率99.99%以上・UVカット率99.9%以上、遮熱指数50%以上を実現した、機能性も申し分ない商品です。」

  • 小宮商店

  • 小宮商店

  • 小宮商店

■トレンド日傘で差がつく夏に

土屋さんによれば、昨今はUVカット・遮光・遮熱効果をうたうアイテムが増えてきているとのこと。

「UV対策としては、表面か裏面にコーティングが施されているものを選ぶといいでしょう。UVカット率、紫外線遮蔽率、遮光率、UPF、遮熱など日傘の機能を示す表記もさまざまですので、自身の希望に合致するものかどうか確認してみてください。」

出張やレジャーなど、暑い日差しの中でも外出するシーンはなかなか避けられないもの。日差しをスマートに日傘で防ぎつつ、外出先でも快適な毎日を過ごそう。

傘ソムリエ/土屋 博勇喜

22歳から、大手ホームセンターでレイングッズを担当。様々なメーカーの傘に触れ、つくり手のこだわりや機能性、美しいフォルムに魅了され傘の虜となる。2019年、株式会社シューズセレクションWaterfront®へ入社し、仕入れ・売り場作りの責任者となる。同時に、傘の魅力を広く伝える世界初の「傘ソムリエ」として活動を始める。傘やレイングッズの開発・監修、商品紹介動画の配信、各種テレビ番組への出演など、傘にまつわる幅広い分野で活躍している。「自分でさして納得した傘だけをお客様に届けたい」という思いから、給与の大半を傘に注ぎ、200本を超えるコレクションを持つ。悪天候時に耐風性や撥水性のテストを自ら行い、説得力のある接客で各メーカーにも高く評価されている。
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