くじらというと、その歴史は飛鳥時代にまでさかのぼる日本の伝統食材。そして数十年前までは、安くて栄養のある給食の定番食材。商業捕鯨が停止されてしまった現在は、ちょっぴり高級な嗜好品というイメージがあります。が、定番のくじらベーコンなんかは、実はわりとスーパーなんかでも販売されていて、しかも販売価格も数百円とそんなに高いわけでもないんですよね。

  • 豚肉のベーコンは炙るなり、ベーコンエッグにするなり、どう調理したってビールがすすむ。ただ、それとはちょっとベクトルの違うロマンがありますよね。くじらベーコンには。酒のつまみとしてのさ

    「くじらベーコン」

そりゃあ、豚肉のベーコンは大好きですよ。炙ってマスタードをつけるなり、ベーコンエッグにするなり、どう調理したってビールがすすむ。ただなんつーか、それとはちょっとベクトルの違うロマンがありますよね。くじらベーコンには。酒のつまみとしてのさ。

独特のサクサクとした食感と、動物と魚介類両方の特徴をあわせ持ったような旨味。ほんのりとクセのある香り。それが、どうしたって酒に合ってしまう。ゆえに、僕も大好きなつまみのひとつです。 そもそもしっかりと味がついているから、そのままでもぜんぜんいいんですが、僕はだし醤油やポン酢なんかをちょちょんとつけて食べるのが大好き。ただ、妻子は好んで食べないもんで、いったんパックを開けてしまうとほんのちょっぴり量が多かったりするんですよね。といって、翌日に持ち越すほどでもないという微妙さ。

そこでよくやるのが、残り半分くらいになったところで、くじらベーコンをフライパンで炙る。すると気分が変わって、またまたビールがすすんでしまうというわけで。

  • 炙りくじらベーコン

間違いはないはず!?

そこでふと思いつきました。くじらのベーコンでベーコンエッグを作ったらどうだろう? つまり、くじらベーコンエッグ。まず、うまいことは間違いでしょう。やってみる価値、ありだな。

はい。というわけで、先ほどの、薄く油をひいてくじらベーコンを炙っている最中のフライパンに、落としちゃいましょうよ。生玉子をふたつほど。

  • ぽとんぽとんと

で、この状態でフタをし、弱火でじっくり、いい感じに玉子に熱がとおるまで待てば、はい、完成!

  • 【写真】これ、酒のつまみとしてのわくわく感のある見た目。ここに醤油をかけ、半熟の黄身を崩して、こんがりと焼けたくじらベーコンをまとわせながら食べる。妙に幸せな晩酌ですよ、これは。

    「くじらベーコンエッグ」

いや〜これは、まず、なんで今までこの世に存在しなかったんだろう? っていう、酒のつまみとしてのわくわく感のある見た目。それがいい。いや、すでにどこかにあったら面目ないんですが、少なくとも僕は初めて見たもので。

で、ここに容赦なく醤油をかけ、半熟の黄身を崩して、こんがりと焼けたくじらベーコンをまとわせながら食べる。

  • ははは、うまー!

熱を加えたことでずいぶんと穏やかになってはいるんだけど、くじら特有の香りはまったくなくなったわけじゃない。それが、一般的なベーコンエッグとは一線を画す、酒のつまみとしての存在感をぞんぶんに発揮しています。

  • 思いっきり七味をふっても合う

こいつをちびちびとやりながら、焼酎や日本酒あたりを、これまたちびちびとやる。妙に幸せな晩酌ですよ、これは。

くじらベーコンエッグ。もちろん好き嫌いはあるでしょうが、くじら好きの方にはぜひ試してもらいたい一品でした。

作りかた

【材料】

・くじらベーコン:1パック
・玉子:2個

【作りかた】

1.フライパンに薄くサラダ油などをひき、くじらベーコンを炒める
2.生玉子ふたつを加え、フタをして弱火で、このみの焼き加減になるまで焼く
3.お好みの調味料でどうぞ