過労自殺しかけた経験を描いた書籍「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由」の著者である汐街コナさんが、会社から身を守るための処世術などを紹介する漫画連載「会社につぶされないために」。今回のテーマは「新入社員の皆様へ」です。

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  • 漫画連載「会社につぶされないために」のワンシーン
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会社につぶされる前に、対処できること

前回の続きをと思っていたのですが、ちょうど入社シーズンでしたので、「入社おめでとうございます」回をやりたいと思います! ちょっといつもより長いです。

まずは、入社おめでとうございます!

希望と不安でいっぱいだと思いますが、この連載はテーマがテーマなので、主に「不安」のほうに寄った内容になります。少しでも不安対処のお役に立てれば幸いです。

漫画にいくつか書かせていただいたことは、「会社につぶされる前に対処できる」のを目的にしています。「会社以外の世界を持ち、情報を入れる」ことも、「転職情報を見る」ことも、「将来を考える」ことも、「体調に配慮する」ことも、すべてそこにつながります。

会社は閉鎖的な環境ですので、気をつけないと「会社の常識=世間の常識」のように勘違いしてしまいます。そうなると異様な長時間残業やハラスメントに対しても、「おかしい」と思えずに受け入れてしまうかもしれません。

さらに、「会社だけが世界のすべて」になると、転職や退職のハードルがとても上がってしまいます。そこしか世界がないのですから、「他に行く」という選択肢が頭から消えてしまうのです。

そこで、他の会社や業界の友人と話をしたり、転職情報を調べておいたりすることなどが重要になってきます。常に外の情報を取り入れ、外にも自分が生きる世界が普通にあることを知っておくと、いざというときにも動きやすいかと思います。

そして、未来のことを考えるのも大切です。10年後20年後、自分がどうなっているのか・どうなりたいのか考えることは、自分の本当の夢や目標を考えることにつながります。そこが見えれば、今の会社に勤め続けるのが正しい選択なのか、客観的に判断しやすくなります。

最後になりますが、体調のことも大切です。「自分はもっとがんばらないといけない」「仕事があるのに休んではいけない」「これくらいで病院に行くのは大げさでは」などと考えてしまう人もいるかもしれませんが、仕事が大切な人ほど、心身も大切にしなければならないと思います。当たり前ですが、心身を壊したら仕事どころではないからです。一時休むことになっても、また元気になって仕事を続けるほうが良いに決まっているのです。

連載の1回目にも書きましたが、本来「働く」というのは素晴らしいことです。新しい生活を始める皆様が、健康に楽しく働き続けられることを願っております。そのためにも、自分の心と体をどうか大切にしてください。