過労自殺しかけた経験を描いた書籍「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由」の著者である汐街コナさんが、会社から身を守るための処世術などを紹介する漫画連載「会社につぶされないために」。今回のテーマは「『心を壊す』って?」です。
「心を壊す」は恐ろしいことなのです
この連載ではたびたび「心を壊す」という言葉が出てくると思います。ただ、その恐ろしさを知らなければ、リスクとしてとらえにくいでしょう。
過労死や過労自死については、「いくらなんでも私は死にはしないよ」と思い、無理を続けてしまう人もいると思います。
でも、死までいかずとも、その前段階で人生が壊れてしまうことがあります。それが「心を壊す」であり、思っているより簡単に陥ってしまいます。
心という言葉は漠然としていますが、具体的にはうつや適応障害などの病気であり、脳の機能の問題であることがわかっています。
だから、「心を壊す」ではなく「脳を壊す」の方が、適切かもしれません。
決して「性格の問題」や「気の持ちよう」といったことではなく、また、軽く考えてはいけないということがわかるかと思います。
身体のケガと同じで、「限度を超えた負荷をかけられると、誰でもなってしまう」ものでもあります。「心が弱い人がなる」わけでは決してないのです。
一度なってしまうと完治が難しく、再発しやすいのも特徴です。最悪のケースは自死ですが、そこまでいかなくとも、10年単位で社会復帰が難しくなることもあります。「心のガン」などと言いますが、とても恐ろしいことなのです。
仕事が大切な人ほど、自分も大切に扱い、長く働き続けられる努力をするべきだと思います。